「インタビュー②」FTISLAND、“法の範囲内で音楽をする”

201607172009771315_578b67e53750e

人気バンドFTISLANDが、韓国を代表するバンドになりたいという野望を現わした。「法に引っかかることはしません」と、センスにあふれた抱負まで加えたFTISLANDから、10年目らしい余裕と覇気にあふれた情熱が感じられた。
これは、18日に公開されたFTISLANDの6thフルアルバム「Where's the truth?」を通じて確認することができた。「真実はどこにあるのか」というタイトルのごとく、Rock音楽を追い求めるアイドルバンドFTISLANDに対する周囲の偏見と誤解には目もくれず、しっかりと自分たちの道を歩いていくというメンバーの抱負がこめられている。

「僕らが『恋煩い」でデビューしたし、その歌がうまくいったので、その延長線を行くためによく似たスタイルの歌をしなければいけませんでした。でも、それと同時に僕らが願っている方向から遠のいているようで、5~6年目に会社に『僕らの音楽をしたい』と言いました。ずいぶん幼い頃から日本でインディ生活をしながら曲を使ってきたので、韓国でもそうしたい思いました。会社の反応もしたいものをしなさいとクールでした。会社で勧めた『MADLY』がうまくいかなかったので、僕らの意見を言う理由ができたということです。」

FTISLANDが、会社が作ったイメージではなく自分たちが願う音楽をするようになったのは、去年発表した5thフルアルバム「I WILL」からだ。メンバーが自ら作詞作曲に参加したタイトル曲「Pray」を通じて韓国内のアイドルバンドとしてはハードロックジャンルを初公開したことになる。
「ある面、アルバムというのがアーティストにとって歴史に残るものではないですか。FTISLANDの歴史の中で去年のアルバムからが僕らの新しい姿が収められた第1幕だったし、今回のアルバムが第2幕だと思います。それで、去年がFTISLANDにとって最大のターニングポイントではなかったかと思います。去年から僕たちの音楽を作りました。」

「Take Me Now」を今回のアルバムのタイトル曲に選んだのもこれとよく似た理由からだ。力を抜いてスムースに行こうという意見もあったが、「Pray」に続くハードロックをもう一度公開してFTISLAND独特のカラーを固めようという思いが作用した。
「去年のアルバムが強かったので、これをもう一度刻みつけるという意味で決定しました。こんなイメージを作っておけば、もうちょっと楽に音楽ができるのではないかと思いました。突然また穏やかな曲になると、『結局はまた帰って来たな』と思われるようでした。僕らが願っていたファンをまた失いたくなくて、もう一度くさびを打つほうが良くないだろうかと思いました。結局、大衆的なものを取るかロックを取るかの問題でしたが、結論から言うと夏なので強烈なハードロックで ぶちまかそうと決めました。」

201607172009771315_578b67e67dc1f

FTISLANDが、もっと楽な道を選ぶことなくこのような遠回りをしたのは、大韓民国の歌謡界に多様性を付与したいという深い意味がこめられていた。このためにアイドルという似合わない服も着なければならなかったし、大衆性を重要視しようとする会社とも対立しなければならなかった。しかし、結果的には満足だという。FTISLANDは、誰とも比べることができないグループのカラーを備えることができたし、会社の支援をもらって最終目標のために熱心に走っている最中だ。

「最初は、アイドルバンドとしてスタートしましたが、少なくとも『韓国にこのようなバンドがある』ということを多くの国に知らせることができたのではないでしょうか?海外を回りながら公演もしたし、本当にがんばりました。そのおかげで、海外ではたいていのロックフェスティバルに参加しました。韓国では、インディ・シーンの方々に良くない視線で見られたというのもあって、そのターニングポイントをロックフェスティバルでお見せすることになりそうです。もちろん僕らの日本の歌を使えばいいですが、韓国の歌だけで勝負したくて時を待っています。来年は、オファーが入ったら参加しようかと思っています。」

この程度になるとFTISLANDのファンも変化して、アイドルグループの主なファンである少女ファンだけでなく、ロックが好きなマニア層と男性ファンまでできたという。
「僕らも信じられませんが、去年のアルバムが出て新しいファンができました。幸いなのは、10代から40代までと年令層が多様だということです。30~40代も公演でとても楽しんでくださって男の方々が来てくださるようになって雰囲気がずっと良くなりました。去年からふたりの男性の声が僕らの名前を呼んでくださるんですが、ちょっとうろたえてしまいます。日本では、男性ファンがとても多かったですが、韓国ではまだ慣れない風景なのでおもしろかったです。今は、公演に来てくれるファンの方々が大部分マニアック的に残ってくださってる方々です。ロックに飢えかわいている方々が多くて公演をすれば韓国が一番反応が良いです。」

FTISLANDのメンバーの共同の目標は、50代まで一緒にバンドをすることだ。このために法の範囲内で音楽をすると明らかにした5人は、最後まで力強い抱負を伝えて今後の活動をいっそう期待させた。
「韓国の音楽も多様性を持ったら良いでしょう。ロックも好きになってほしいです。僕らの今回の歌も多くの方々が聞いてくださったらうれしいです。韓国の音楽チャートの多様性を高めたくて粘り強くロックジャンルのために走るつもりです。1位への欲はないです。」(「インタビュー③」に続く

2016.07.19