イ・ヒョン(8eight)とチャンミン(2AM)によるボーカル・ユニットHOMMEが5月29日(日)、東京・渋谷Mt.RAINIER HALLにて「HOMME 2016 First Concert in JAPAN」を開催した。
HOMMEは2010年に韓国でデビュー。イ・ヒョンの入隊期間がありつつも、コンスタントに活動を続け、2人の高い歌唱力を活かした曲を次々とリリースしてきた。最新曲は2016年4月にリリースされたデジタルシングル「君、僕のところに来て」。
今年2月に札幌で開催された「第67回さっぽろ雪まつり 8th K-POP FESTIVAL」などといったK-POPイベントへの参加は多数あったものの、同公演はHOMMEとしては初めての日本単独公演となった。
ピアノが奏でるイントロに合わせて、イ・ヒョンが青、チャンミンがピンクの淡い色で揃えたジャケット姿で登場。1曲目はダンディーな魅力あふれる「愛 愛 愛」でファンとのアイコンタクトを交わす。今回はバックバンドを従えた豪華なスペシャル編成で、2人の歌唱力もより際立つ。
「皆さん、こんにちわー!HOMMEの日本で初めてのコンサートへようこそ!」とあいさつをする2人。チャンミンの「1・2・3!」という合図に合わせて、「いらっしゃいませー!」とファンを歓迎した。最初にチャンミンが、「僕はチャンミンで~す!」と自己紹介をすると、イ・ヒョンが「僕はHOMMEのキューティー担当、イ・ヒョンです!」と続く。するとすかさずチャンミンが「キューティー・ヒョニなら…お願い~お願い~♪」と、日本のアニメ「キューティー・ハニー」の主題歌を歌い始め、イ・ヒョンもそれに合わせると会場からは自然に手拍子が起こり、開始早々からノリノリな2人。「本当にうれしいんですよ~!こうやって皆さんと会える機会ができるなんて夢にも思わなかったので、胸がドキドキしています」と単独公演開催の喜びをチャンミンが語り、「今日はファンの皆さんがこの前よりもっとキレイに見えますよ~。ちょっと暗いからかな~?冗談です(笑)」と会場を笑わせると、イ・ヒョンが「冗談、ジョーダン、マイケル・ジョーダン!」と乗っかり、「すみませ~ん(笑)」とチャンミンが謝るという掛け合いもバッチリ。「こんなに近くでファンの皆さんと一緒にいられて楽しいんですけど、本当に緊張しています。皆さんの応援と熱い愛情をもらってもいいですか?」というチャンミンの呼びかけに、ファンも大きな歓声で応え、「皆さんのその気持ちが変わる前に(笑)!『HOMME 2016 First Concert in JAPAN』いってみましょう!」とイ・ヒョンがコンサートの開幕を宣言した。
2曲目は4月にリリースされたばかりの「君、僕のところに来て」。2人の柔らかい歌声が奏でる爽やかなメロディが会場を明るい雰囲気で包み込んでいく。
「世界のどこでも、男性よりも女性の方が複雑な生命体だと思います」と切り出したイ・ヒョンに「でも男性は違います。単純です」とチャンミンが続けて歌いだしたのは、オリジナルはイ・ヒョンとパク・ボラムとデュエット曲の「きれいな人」。そこからメドレーで2014年にHOMMEとしてリリースした「It Girl」へとなだれ込む。
「お酒を飲んだら、色々あるじゃないですか~?その日はお酒が僕のキューピッドになって~彼女と一緒に日曜日の朝に~あ~恥ずかしい~」というチャンミンのイントロ・ストーリーから「Sunday Morning」が始まり、8eightが2011年にリリースした「彼は本当にすごいです」までノンストップで駆け抜けた。
「皆さんイ・ミンホさんやチャン・ドンゴンさんは好きですか?」と客席に問いかけるチャンミンにファンが歓声で答えると、イ・ヒョンが「僕らHOMMEと似てるからでしょ?初めまして!俺がチャン・ドンゴンだぁー!」と会場を笑わせる。「僕たちがイ・ミンホさんとチャン・ドンゴンさんになって、皆さんのロマンチックな記憶を思い出させてあげます。聴いてください」と始めたのは、もちろんチャン・ドンゴン主演のドラマ「紳士の品格」のOSTから「胸がつぶれたように」。そしてイ・ミンホ主演のドラマ「相続者たち」から「Moment」と続く。オリジナルはそれぞれがイ・ヒョン、チャンミンのソロ曲ではあるが、HOMMEとして歌われることでさらに世界観が広がり、より切なく、より情熱的に演出されている。数々の韓国ドラマが珠玉の名曲によって彩られていること、そしてその中にイ・ヒョンとチャンミンが名を連ねていることの凄みを改めて実感させられた。
素晴らしいステージの余韻に観客が酔いしれる中、「目をずっと閉じて聴いている方がいますけど、その夢から目を覚ましてくださーい。何が見えますかー?」「チャンミーン」「それが現実ですよー(笑)」とあっという間に雰囲気を変えてしまうチャンミンに、「やめて!」と抗議の声を上げるイ・ヒョン。「やめて!やめて!」と連呼するも、「あ!最近イ・ヒョンさんが覚えた日本語です!最初に勉強したのが『はい』と『好きだ』くらいでしたが、もっと勉強して難しい表現もできるようになりました。拍手!」と持ち前のトーク術を炸裂させる。
ここから「今日いらっしゃった皆さんだけのために、準備しました」と、J-POPのカバーを3曲披露。誰もが耳にしたことのあるような日本のポップ・ソングをHOMMEのボーカルで切なさを増してしっとりとアレンジし、日本のファンへの贈り物とした。
ここで2人は一旦退場。ステージのスクリーンには「HOMMEはアイドルなのか?」という質問を関係者にインタビューした映像が流れる。スタッフとおぼしきモザイクをかけられた人物数名が「アイドルではない」と言い張る中、どう見てもイ・ヒョンとチャンミン本人である2名だけが「HOMMEはアイドルだ!」と主張する。
そしてステージ上に登場したのは白いシャツに黒いパンツというシンプルな出で立ちの2人。チャンミンはなんとショートパンツ姿だ。そして披露されたのは、韓国では事務所の後輩にあたる防弾少年団の「I need you」のアコースティック・バージョン。ここまでは実力派ボーカル・ユニットの姿を見せつけていたのだが、次の曲で雰囲気は一変。続けて披露されたのは韓国のガールズグループの曲で、ダンスも完璧にコピーしてキュートな愛嬌を客席に振りまいた。日本を代表するアイドルの曲も披露し、ダンスをノリノリで踊り終えるも、2人して息をきらしながら「死ぬかも知れないです…」「僕らHOMMEはボーカル・グループですよ〜!」と会場の笑いを誘った。
ファンサービス満載のバラエティに富んだライブもクライマックスを迎え、2015年に2ヶ月連続でリリースした「泣くのはやめよう」「愛はない」をHOMME本来の姿で歌い上げるイ・ヒョンとチャンミン。そして最後は、2AMのバラード「電話に出ない君に」と、8eightの「心がない(心臓がない)」とお互いのグループの曲で本編を締めくくった。
アンコールの「男だから笑うよ」でステージに再登場した2人を待ち構えていたのは、ファンからの「HOMMEが好きだ!」と韓国語で書かれたサプライズメッセージ。それを目にしたチャンミンは歌につまるほどの涙をこぼし、HOMMEの韓国デビュー曲「ご飯だけはちゃんと食べてたよ」では客席のファンが大合唱でHOMMEへの愛情を表現した。
「考えてもみなかったです。とても感激しました」と真剣なまなざしを見せたイ・ヒョンは、「元々違うグループのメンバーであった2人がHOMMEとして活動することにプレッシャーを感じることもあったけど、これからもそれぞれのグループのメンバーたちに誇りに思ってもらえるよう頑張っていきたい」という思いをファンに伝えた。感動の涙を見せたチャンミンは、「HOMMEとして日本でコンサートができるなんて思っていなかったし、どれくらいのファンが待っていてくれるのかもわからなくて、公演が成功するか不安だった」という素直な気持ちを語った。「ファンの皆さんがHOMMEのすべてです。ファンの皆さんが待っていてくれるなら、また絶対に戻ってくることを約束します。今日は本当にありがとうございました。幸せでした」と感謝の言葉を伝え、最後は「私の中で最高」でファンへの気持ちを至高のボーカルとハーモニーで表現した。
グループとしてソロとして、キャリアも実力もあるイ・ヒョンとチャンミンだが、それでも悩みや葛藤や不安をたくさん乗り越えてきた。HOMMEとして2人が日本での初単独公演を成功させた裏には、2人の思いとファンの愛が詰まっていた。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
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