今年は大物スターの主演作がどんどん目白押しだが、韓国だけでなく中国と日本で人気が高いイ・ミンホも最新作が決まった。放送されるのは今年11月だという。これで彼の今年中の兵役入りは、ほぼなくなった。
申し分のない陣容
イ・ミンホの最新作はSBSドラマスペシャルとして今年11月に放送される『(仮)青い海の伝説』だ。
朝鮮王朝時代の寓話的な説話集に出てくる人魚の話をモチーフにしたドラマで、イ・ミンホが共演する女優は、あのチョン・ジヒョンである。
とびっきりの大物女優だ。
彼女は久しぶりに主演したテレビドラマ『星から来たあなた』を大ヒットさせており、今の韓国で女優ナンバーワンと評価される存在である。
それほどの女優と共演することになったイ・ミンホ。身が引き締まる思いだろう。
脚本は『星から来たあなた』のパク・チウン作家で、演出は『シティーハンター』でイ・ミンホとタッグを組んだことがあるチン・ヒョク監督。共演女優と制作スタッフはこれ以上はないと言えるほど申し分ない陣容である。
まさに、イ・ミンホとしても俳優冥利に尽きる気持ちだろう。
大ヒットした『相続者』に続く作品が望まれていただけに、イ・ミンホは最良のチャンスを得た。
しばらくは撮影に専念
イ・ミンホの最新作がドラマスペシャルとして今年11月にSBSで放送されることになり、少なくともイ・ミンホの年内の兵役入りはなくなったと考えていい。
今年は年末までイ・ミンホの兵役計算年齢は29歳である。29歳というと、兵役を延期できるほぼリミットと思われていただけに、今年中の兵役入りが予想されていたのであるが……。
来年1月1日からは兵役計算年齢が30歳になるイ・ミンホ。来年になると本当に「後がない」状態になる。
先頃、イ・ミンホの兵役が「公益判定」になるという発表があったばかり。この「公益判定」というのは、軍務の代わりに役所などで勤務をして兵役を代替させることを意味している。
彼が、そのような判定を受けたのは、過去に起こった交通事故の際に負ったケガが原因だった。
2006年8月、イ・ミンホが乗っていた車が交通事故に巻き込まれ、全治7カ月の重傷を負ったのだ。
俳優生命に関わる
古傷を勘案されて「公益判定」になったイ・ミンホ。ネットユーザーの間では「公益判定になったのであれば、なぜもっと早く兵役に行かないのか」という批判が起きたのも事実である。
しかし、この批判は的外れであった。
俳優という仕事は、いつキャリアを変えるようないいオファーが来るともかぎらない。それを待つ間に兵役入りが遅れるというのは、職業上さけて通れないことなのだ。
ことは俳優生命に関わる問題だ。
イ・ミンホのように、自分が納得するまで兵役入りを遅らせることは理解できる。ギリギリ30歳まで兵役を延期できるということは「兵役法」に明記されており、イ・ミンホも熟慮の上で決めたはずだ。
ただし、心配の面もあっただろう。
かつてイ・ジュンギが次の新作が決まっていたにもかかわらず、兵役入り延期の申請が兵務庁で認められず、やむなく新作をあきらめて入隊したことがあったからだ。
一番現実的な選択は?
要は、兵務庁の判断が鍵を握っている。
というのは、「30歳まで延期が可能」といっても、それは目的が学業優先を想定しているからだ。
芸能活動は正当な延期理由になっていない。それゆえに、イ・ジュンギの場合は延期が認められなかったのである。
おそらく、イ・ミンホは『(仮)青い海の伝説』に主演するにあたり、先に兵務庁に兵役延期の許可をもらっているのではないか。少なくとも、「延期が可能」という感触くらいは得ていると思う。そうでなければ、イ・ジュンギの例もあるし、安心して最新作に取り組めないだろう。
いずれにしても、『(仮)青い海の伝説』は兵役入り前にファンに贈るドラマとして最高レベルの出来ばえになるだろう。
この作品の余韻を残したまま来年早めに入隊するというのが、一番現実的な選択になるかもしれない。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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