最近のソン・スンホンを見ていると、「今は本当に脂が乗っている」と思う。まさに、自信にあふれた姿を見せているのだ。1976年10月5日生まれ。今年で40歳になるソン・スンホンは、これからもずっと俳優として活躍が期待される。
試練を乗り越えて
今年の10月から韓国で放送される『師任堂 The Herstory』。主役のイ・ヨンエと共演するのがソン・スンホンである。
彼は典型的な二枚目だが、それ以上に、表情がたまらなくいい。ちょっとした仕草にも、すべてを与えすべてを受け入れるような度量が感じられる。
「ソン・スンホンも凄い俳優になった」
それが率直な思いだ。
かつては、スターとしてのソン・スンホンはもうダメだと思った時期があった。2004年、兵役忌避問題で批判の矢面に立っていたときだ。しかし、彼は一切の言い訳をせず、心から謝罪して、自ら軍隊の前線に旅立って行った。
転機となった『エデンの東』
浮き沈みの激しい芸能界である。
次々と新しいスターが出る中で、ソン・スンホンも忘れられる宿命にあるのかと思ったが、現実はまったく違った。
何よりも、除隊を温かく迎えてくれた大勢のファンがいた。その人たちの歓声が、不安の中で芸能界に復帰したソン・スンホンをどれほど励ましたことか。
その力に勇気づけられて、ソン・スンホンは新たな俳優人生を歩み始めた。その中で演じたのが『エデンの東』のイ・ドンチョルという役だった。
過酷な運命を強いられたイ・ドンチョルに扮しながら、ソン・スンホンの心の中で何かが大きく動いた。
それは、俳優というものが大勢の人に勇気と感動を与える魂の仕事だという矜持だったかもしれない。
彼は昔の彼ならず。
ソン・スンホンにとって『エデンの東』は、俳優を天職と考えられるようになった作品だった。
以後も、俳優としての活躍が続いた。『マイ・プリンセス』『Dr.JIN』『男が愛する時』といった作品でソン・スンホンはすばらしい演技を見せている。
心はいつも「ありがとう」
ソン・スンホンは、日本に対してとてもいい印象を持っているという。
「日本に来るたびに感じることですが、空気がきれいですね。そのことを空港で感じました。そして、日本の方は親切だと思います。おかげさまで、気分良く過ごすことができます。韓国でストレスを抱えていても、日本に来ると解消されるような……。まさに、とても良い気分になれます」
また、ソン・スンホンはファンへの感謝を忘れない。
「いつも思うことですが、愛があるからこそ自分はこの場所にいられて、インタビューを受け、みなさんにご挨拶ができるのです。そのことを心から感謝しています。それだけに、常に新しい姿をお見せして作品を通して感動を届けることができるようにしたいと思っています。みなさんの愛に応えたいですし、これからもがんばっていきます」
ソン・スンホンは人間として「ありがとう」の意味が心底からわかる男である。彼が途方にくれるほど迷ったとき、いつもファンが大きな声援で後押ししていた。
そのことを忘れないかぎり、彼は作品ごとに大きく成長した姿をファンに見せてくれるだろう。
文=「ロコレ」編集部
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