韓国は日本を超える超学歴社会。いい学校に入って、一流企業に就職することが最大の幸せと言える。そのため、18歳以下の学生たちは、少しでもいい学校に入学するために、朝から晩まで勉強生活に追われている。
こうした習慣は、各界のスターたちも例外ではない。日本の芸能界に比べて、韓国の芸能界もまた、高学歴スターたちが多いのだ。
芸能人の社会的地位は?
元々、韓国における芸能人の地位は高くない。
一躍スターとなって大金を手にする人生よりも、一流大学に入って財閥企業に就職することこそが最大のステータスだからだ。
実際、2015年にペ・ヨンジュンが財閥令嬢と破局した際も、韓国メディアは大多数が、その理由を「格差」だと推測した。
しかし、2014年度のペ・ヨンジュンの総資産は735憶9000万ウォン(当時のレートで約78憶7400万円)。長者番付にも名を残すほどであり、「格差」とは言い難かい。
韓国マスメディアが伝えた格差とは、「芸能人」と「財閥令嬢」という社会的地位の差を指している。
韓国における芸能人の社会的地位が高くないことを示す逸話である。
ちなみに、韓国では成功したスターの多くが会社経営に乗り出したり、一流大学に改めて入学する場合が多い。これも、韓国が個人の名声よりも肩書きを重視する社会ということの証明である。
スターたちの受験エピソード
近年の日本のテレビ番組を見ると「高学歴芸能人」にスポットが当たり、クイズやバラエティーに引っ張りだこな状況が続いている。しかし、韓国芸能界では「高学歴芸能人」という括りをつけるのが難しい。なぜなら、スターと呼ばれる人物の多くが、有名大学出身のエリートばかりなのだ。
韓国の高学歴スターの筆頭といえば、「韓国でもっとも美しい女優」の異名をもつキム・テヒだ。
彼女もまた、初めから芸能界を志望していたわけではない。彼女も学生時代は少しでも勉強する時間を作るために、学校と自宅を走って通うほど勉学に励んでいたという。
そうした努力の成果もあり、キム・テヒは1999年に韓国最難関といわれるソウル大学に入学。在学中にその美貌がスカウトの目に留まり、2000年にCFモデルとして華々しくデビューを飾り、“ソウル大の美女”として、新人時代から多くの注目を集めた。
絶世の美貌だけではなく、高い知性があることも彼女のアピールポイントとなったのだ。
一方、ヒョンビンの受験エピソードも興味深い。
高校時代に先輩の誘いで演劇をしたヒョンビンは演技の魅力に浸かり、俳優になることを夢見たのだが、両親は芸能界へ進むことを頑なに反対した。それでも、折れないヒョンビンに父親が出した条件が、韓国内でもっとも評判のいい中央大学に合格することだった。
こうしてヒョンビンは夢を叶えるために猛勉強に励み、国内有数の名門大学に見事合格。本格的な演技活動を始めることが可能になったのだ。
ヒョンビンが韓国でもっとも大変で、もっとも入るのが難しいとされる海兵隊に入隊できたのも、この時の努力があったからかもしれない。
一方、“元祖韓流四天王”の一人であるチャン・ドンゴンの受験エピソードも面白い。実は、チャン・ドンゴンは学生時代、大学受験に3回も失敗して、受験代を稼ぐために1992年に芸能界に入ったのだ。
そして、デビューから2年後の1994年に芸能活動をすべて休止。受験勉強に専念して、難関といわれる韓国芸術総合大学に見事合格した。
しかし、人気スターとして多忙な生活を送るチャン・ドンゴンは、残念ながら大学は3年時に中退してしまう。しかし、大学への思いはなくならず2015年にはソウルサイバー大学に改めて入学して、「今度は誠実に履修してキチンと卒業する」と意気込んでいる。
ルックスや演技力だけではなく、勉強もしないといけない韓流スター。その苦労は日本のスターよりも大変かも?
(文=慎 虎俊 シン・ホジュン)
コラム提供:ロコレ
http://syukakusha.com/