<コラム>K-POPガールズグループのランク付け変化

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2000年代後半からK-POPブームを牽引してきた韓国の女性アイドルグループたち。躍動感あふれるパフォーマンスや高い歌唱力、そして、セクシーな振り付けに、時々見せるキュートなダンス。

「どこにでもいそうな近所の女の子たち」ではなく、「必死のトレーニングを経て作り上げられるアーティスト志向の女子集団」、それが近年のK-POPガールズグループが持つイメージだろう。

東京の街で、「韓国を代表するガールズグループは? 」と聞くと、間違いなく「KARA」や「少女時代」や「T-ARA」がトップになりそうだ。

ソウルの街で同じ質問をするとどうなる? 日本の半分以下、約5000万人の人口しかいない韓国。地上波テレビへの出演組だけでも30チーム以上のガールズグループが活動中だ。彼女らのしのぎを削るここ数年の様子は、まさに「群雄割拠」の時代だ。

当然、韓国国内だけでみれば、ガールズグループはすでに飽和状態なので、常にランク付けをしながら整理整頓しているファンたちも増えているようだ。

例えば、今からちょうど2年前、韓国のネット上には、「ガールズグループ序列」というタイトルで当時人気を得ていた16チームのガールズグループをランク付けし、分析したブログ記事が話題を集めた。

上から「Sランク」、「Aランク」、「Bランク」、「Cランク」、「Dランク」の5段階に分かれており、「少女時代」と「2NE1」だけが「Sランク」に分類されていた。

当時の「Aランク」には、「T-ARA」、「Wonder Girls」、「KARA」が、当時の「Bランク」には、「f(x)」、「Brown Eyed Girls」、「Miss A」が選ばれた。

そして、当時の「Cランク」には、「SECRET」、「SISTAR」、「AFTERSCHOOL」、「4Minute」が、最下の「Dランク」には、「A Pink」、「Girl's Day」、「RAINBOW」、「Dal☆Shabet」が配置された。

おそらく、このランキング記事を書いたブロガーの肌感覚的な要素がある程度反映されていたようにも見えるが、当時は何となく納得できるとの声も多かった。

IT技術並に流行り廃りの激しいガールズグループ業界ではあるが、それでは、当時から2年後の現在は、どのようなランクになっているのだろうか。

日本との温度差もあり、一概には言えないが、少なくとも韓国では、やはり目まぐるしい変化が起きている。

まずは、ガールズグループブーム初期の「KARA」、「T-ARA」、「Wonder Girls」の格下げ現象が顕著に現れたといえよう。メンバーの交代や脱退、一身上の都合による問題などでチームワークが低下したことが最大の原因。

韓国の「スポーツチョソン」が発表した資料によると、「KARA」は「Cランク」へ、「Wonder Girls」と「T-ARA」においてはなんと最下位レベルの「Dランク」まで失墜してしまった。

最上位レベルの「Sランク」には相変わらず「少女時代」と「2NE1」が健在とのこと。そして、その間を強烈に突き破ってきたのが当時中堅グループだった「SISTAR」だと分析されている。

「少女時代」と「2NE1」の2強を着実に追いかけてきた「SISTAR」は、徐々にファン層を拡大しつつ「歌って踊れてフレンドリーなガールズグループ」という独自のイメージを確立した。この間、「Alone」、「Loving U」、「GONE NOT AROUND ANY LONGER」、「Give It To Me」などを立て続けにヒットさせ、その知名度を全国区に広げてきた彼女たちは、今や「少女時代」を凌ぐ勢いを見せている。そして、今回の発表でついに「Sランク」の仲間入りを果たしたのだ。

なお、関係者は、「最近は『SISTAR』のギャラも沸騰し、『少女時代』とあまり変わらない。海外活動はせずに韓国国内の活動に的を絞ったことが格上げにつながった原動力とみている。」と分析した。反面、下位グループからは「Girl's Day」と「A Pink」の躍進が目立っている。

文化商品群が増えれば、文化消費者の目も肥えるもの。今後は、今までは問題視されなかったアイドルたちの一挙一動が突然話題になることもあり得るだろう。「ヒットの決定権」がファン側に移りつつある現代において、アイドル業界の「未来予想図」は誰にも描けなくなってきた。

これからも、国家的プロジェクトの一環として突き進むであろう韓国の「アイドル産業」。そのグローバルな戦略と、本場での生き残りをかけた戦いから目が離せない。

ただし、日本国内の格付けではないことは、忘れずに。

2014.02.05