日本語とハングルは多くの漢字の読み方が似ていると前回ご紹介しましたが、それがハングルを学ぶ上でどう有利に運ぶのか。検証してみましょう。わかりやすい例となるのが「神」です。
日本語なら、音読みでは「しん」で、訓読みで「かみ」。それ以外にも、「神田」のように「かん」とも読みますし、「神戸」のように「こう」とも読みます。つまり、「神」という漢字1つに「しん」「かみ」「かん」「こう」という4つの読み方があります。
それでは、ハングルはどうでしょうか。
ハングルでは「神」は「신(シン)」と読みます。これしか読み方がありません。つまり、日本語なら読み方が4つある漢字も、ハングルなら1つなのです。それも、日本的にいえば「音読み」に該当します。
ハングルでは読み方は1つ!
「神」という漢字が象徴しているように、日本で読み方が多い漢字もハングルではたった1つの読み方になるのが原則です。
次に、「間」という漢字を見てみましょう。日本語なら「あいだ」「ま」「かん」「けん」といった読み方があります。しかし、ハングルでは「간(カン)」と読むだけです。つまり、日本語でいえば、音読み1つだけなのです。
神 日本語では「かみ」「しん」「かん」「こう」
ハングルでは「신(シン)」のみ
間 日本語では「あいだ」「ま」「かん」「けん」
ハングルでは「간(カン)」のみ
このように、韓国人が日本語を学ぼうとすると、漢字の読み方がたくさんあるので、それに困惑してしまいます。しかし、ハングルでは漢字の読み方は原則的には1つです。韓国人が日本語を学ぶより、日本人がハングルを学ぶほうが、はるかに有利だというのは、こういうところに理由があります。
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