「コラム」チャンミンも所属している義務警察とは何か

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警備や治安対策も義務警察の重要な任務だ

韓国の兵役期間は陸軍であれば21カ月だが、軍隊に入隊しないでも兵役を全うする方法がある。その1つが義務警察に入ることだ。

この義務警察は、現役兵の軍務の代わりになる制度として定着し、現在も多くの芸能人が所属している。具体的には、東方神起のチャンミン、超新星のソンジェ、SUPERJUNIORのドンヘとシウォンなどが義務警察で勤務している。

義務警察の母体は1971年に作られた戦闘警察。北朝鮮のスパイ摘発やデモの鎮圧が主な任務だった。
その戦闘警察から派生して1982年に義務警察が誕生。常に人員不足に悩まされる地方警察を補助してきた。

なお、厳密に分類すると、義務警察には「一般の義務警察」「特技を持った義務警察」「独島(トクト/日本では竹島と呼ぶ)の警備隊」の3種類があり、常に応募者が多いので選抜試験は高い倍率になる。

中でも、「特技を持った義務警察」のジャンルは15種類あって、その中に芸能がある。つまり芸能で優れた資質を持った人は、それが特技と認められて義務警察に合格する可能性が高いのだ。そういう意味で、芸能人がどんどん義務警察に入っているというのは理にかなっている。

芸能人の中には、一般の歩兵として軍務を全うする人もいれば、自分の資質をうまく生かして軍楽隊や代替制度の義務警察になる人もいるということだ。

 

ソウル地方警察庁に広報団がある
義務警察に入ることが決まったら、まずは現役兵と同じような新兵訓練を受ける。ただし、現役兵は訓練が5週間だが、義務警察は4週間に短縮されている。

その訓練中に勤務希望地を第一候補から第四候補まで出す。そして、訓練での成績や適性を判断されて勤務地が決まる。

新兵訓練を終えると、今度は義務警察の中にある教育センターで新人教育を3週間受ける。ここで義務警察の勤務に必要な技術や法律を学ぶ。さらに体力強化訓練を重ねて新人教育は終了し、各地の地方警察に赴任していく。

現場での主な任務は、「デモの警備・鎮圧」「派出所勤務」「交通整理」「国会周辺や空港などでの治安維持」など。週休2日制で1週間の勤務は45時間である。

なお、ソウル地方警察庁には広報団というチームがある。創設されたのは2000年で、メンバーは18人ほど。演劇団を構成し、学校を回ってイジメや校内暴力をなくす広報活動を行なったり、警察が関係する重要なイベントで活躍したりしている。東方神起のチャンミン、超新星のソンジェ、SUPER JUNIORのドンヘとシウォンはこの広報団に入っている。
また、義務警察は兵役の代替勤務なので、給料、昇級制度、休暇日数が陸軍と同じ扱いになる。給料は最初は約13万ウォン(1万3000円くらい)である。

今年も、1月21日から義務警察の募集が行なわれた。募集人員は1220名。対象者は徴兵検査で一級から三級までに判定された人。要するに現役兵として入隊しなければならない人である。

適性検査、身体検査、体力検査を通して選抜されれば、合格者は今年の初夏以降から義務警察に入ることになる。

(文=康 熙奉〔カン・ヒボン〕)

コラム提供:愛してる韓国ドラマ・Kポップ
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2016.03.12