3月7日の真夜中に信号無視をして警察に摘発された超新星のソンモ。飲酒運転が発覚して所属事務所はファンに向けてお詫びの声明を発表している。
信号無視と飲酒運転の他に、検挙される過程で警察官も軽傷を負ったという。本人は大いに反省しているというが、社会的な批判は免れない。当然ながら「謹慎」ということになるのだが、彼の場合は他に特別な事情を抱えている。それは兵役入りを間近に控えているということだ。
超新星は、すでにユナクが兵役を終えていて、ソンジェが兵役代替制度を使って現在もソウル地方警察庁の広報団に勤務中で5月に終了予定だ。
そして、残る4人(ソンモ、グァンス、ジヒョク、ゴニル)はこの3月にこぞって入隊することが明らかになっている。
先月26日と27日には東京・代々木第一体育館でファンミーティングを行なって、兵役終了後のグループ再活動を大観衆の前で誓ったばかりだった。
その余韻が残っていただけに、ソンモが不祥事を起こしたことで動揺しているファンも多いことだろう。
韓国の兵役事情に詳しく1月に『韓流スターと兵役』(光文社新書)を出版した康熙奉(カン・ヒボン)氏はこう語る。
「兵役入りする直前というのは、その人の周囲で独特な雰囲気になります。まず、入隊を前にすると、多くの友人たちが連日のように送別会を開いてくれるのです。それは大変ありがたいことですが、軍隊に行くこと自体が重圧になっている場合が多いので、励まされれば励まされるほど、まるで自分じゃないように当人はテンションがハイになってしまうんです。一種の興奮状態に陥ると言っていいでしょう。こういうときこそ自分が冷静にならなければいけないのですが、若い彼らがつい羽目をはずしてしまうのも事実です。このあたりの精神状態は、やはり本人でないとわからないでしょうね」
今回のソンモの一件にしても、おそらく友人たちが送別会を開いてくれたのかもしれない。車を運転するのであれば飲酒をしてはいけないのだが、世界でも有数の飲酒国となっている韓国では、付き合いのうえで飲まなければならない場合も多い。それが免罪符にはならないのだが、兵役入りを前にして精神的に不安を抱えていたソンモはついお酒に手を出してしまったのではないか。
康熙奉氏は続けてこう指摘した。
「軍隊に入ったら原則的に飲酒はできませんから、普通の男性なら入隊直前の時期と除隊直後の時期が人生で一番多くの酒を飲むと言われています。ソンモ君の場合、4人で同時期に入隊するから不安はない、という発言をしていたようですが、入隊が刻一刻と近づいてくると、少なからぬ不安があったと思います。やはり普通ではいられなかったのでしょう」
社会的に影響力が大きい人気スターが、飲酒運転をしてしまったことは残念である。しかし、ソンモは礼儀正しい好青年。とても律儀な性格でもある。彼の場合は、兵役入りを控えて精神的に不安定だったという点も考慮してあげる必要がありそうだ。
日本からは事情がよくわからない韓国の兵役だが、入隊を直前に控えた男性の精神状態は、他人がうかがいしれないように複雑なものなのだ。
(文=「愛韓」編集部)
コラム提供:愛してる韓国ドラマ・Kポップ
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