韓国西南部の地方都市で昼の定食を頼んだら、1人前(約500円)でこれだけの量が出てきた。食べきれない!
第2回「食べ残す韓国、残さない日本」
少し残すにはワケがある
済州島(チェジュド)出身の母に言われたことがある。
「韓国の家庭に食事を招待されたら、ご飯を少し残さなければ駄目だよ。全部食べると、この人はもっと食べたいんだと思われて、またご飯を盛られるよ。お腹がいっぱいのときは、ご飯を少し残すのが『もう食べられません』という合図になるんだよ」
日本で生まれ育った私は、「韓国は日本と違うんだ」と感心するしかなかった。日本で食事に招待されたら、料理を残しては申し訳ないと思って、必死になって食べきるだろう。けれど、韓国では残していいという。
むしろ、招待された側が料理を残すことによって、招待した側は「食べきれないほどのご馳走でもてなした」と満足するのである。
実際、韓国の家庭に招待されたときは、母のアドバイスを忠実に守った。というより、テーブルいっぱいにご馳走が並ぶので、とうてい食べきれない。現実的に残さざるをえないのだ。
そういう韓国から日本に来て、日本の家庭に食事に招待されたとする。このときに少しガッカリする韓国人が少なくない。
「軽食でもてなされるとは、自分はその程度にしか思われていないのか」
そう考えてしまうのである。
(2ページに続く)