1997 年のドラマ「星に願いを」で大ブレイクを果たし、元祖韓流スターの呼び名を持つ俳優アン・ジェウクが、2016 年1 月22 日(金)に東京・品川、東京マリオットホテルにてファンミーティングを開催し、約3年ぶりに日本のステージに立った。
今回のファンミーティングは自身として初となるディナーショー形式で行われた。
ゴージャスな会場の雰囲気に合わせ、ドレスアップしたファンも多く見られた。
2015年にリリースされたデビュー20周年記念アルバムの収録曲「今さら」を歌いながらアン・ジェウクがステージに登場すると、会場からは自然と手拍子が起こる。
「こんばんわ。3年ぶりですね。お久しぶりです」と日本語であいさつをしたアン・ジェウク。
韓国ではディナーショーというと、50代60代のベテラン歌手が開催するイメージがあるので、今回のスタイルには少しとまどいもあったそう。
それでも「皆さんと新しい思い出を作る時間になったらいいなと思います」と今回のファンミーティングへの意気込みを伝えた。
この日のディナーコースには、アン・ジェウク自身がアイディアを出したコラボレーションデザートも盛り込まれた。ゆずを使ったこのメニューには「皆さんが風邪などひかないように」というアン・ジェウクの思いが込められている。
続けて「この歌で妻を口説いたんです(笑)」とミュージカル「皇太子ルドルフ」から「私を試す瞬間」を披露。重みのある深い歌声を会場に響かせ、オープニングとはまた違った魅力で会場を包んだ。
この日のトークテーマは、「アン・ジェウクの過去、現在、未来」。
1994年にデビューしてからの22年間のキャリアを「自分にできることをゆっくり少しずつ、急がずにやってきた」と振り返るアン・ジェウク。
「今までに演じてきた役で自身に1番近いと思うのはどのキャラクターですか?」というMCからの問いには、「どの役も少しずつ自分に似ている部分を持っていると思いますが、あえて1番気に入っている役をあげると、『オー!必勝』のオ・ピルスンです」と答え、客席からは共感を示す大きな拍手があがった。
その活躍はドラマや映画にとどまらず、ミュージカル界でも。
2012年と2013年の「Jack The Ripper」日本公演にも参加している。舞台本番中のアドリブが大嫌いだというアン・ジェウク。
長い時間をかけて作り上げられた作品や共演者への彼の誠実な姿勢がうかがえるエピソードだ。
ファンから集めた質問に答えるコーナーでは、自身の携帯電話の待ち受け画面から、もうすぐ生まれる予定の赤ちゃんについてまで話題が及んだ。
「時代劇には出演しないのか?」という質問には、「40歳をこえたらやってみたいなと思っていました。良い台本を待っています!」と意欲満々だ。
「素敵な歳のとり方をされているようですが、秘訣は?」と聞かれると、「歳をとることを残念に思わず、それを待っていたかのように楽しんでいます。しわが増えていくのも楽しみにしているんです」と話すアン・ジェウク。
生まれてくる赤ちゃんの性別は女の子だそうで、「女性らしくも、堂々とした人に育ってほしい。友達のようなお父さんになれたらいいなと思っています」と幸せいっぱいな様子で語った。
更に、多くのファンが期待を寄せる次の日本でのスケジュールについて、「今撮影中のドラマが終わって、今年が終わる前にはコンサートをしましょうか!」と宣言。
結婚してからファンが減ってしまった気がすると心配しながらも、この新しい約束に会場も笑顔で盛り上がった。
これまでの彼のキャリアを振り返る映像では、過去のライブのリハーサル風景をバックに、デビューからの活動記録が映し出される。数多くのドラマや映画、コンサートにCDリリース、そしてミュージカルの作品名が並び、それぞれに思い出を感じながら、ファンもそれを感慨深げに眺めた。
そして、衣装を変えたアン・ジェウクが客席後方からサプライズ登場。
テーブルの間をゆっくり歩きながら「友よ」を会場とひとつになって熱唱。「ファンの皆さんと私も永遠の友達でいられたらいいなと思います」と、長い時間を共に歩んできたファンとの絆をかみしめるような瞬間だ。
2月から韓国での放送が始まる新しいドラマ「子どもが5人」も現在撮影中。久しぶりのドラマ出演とあり、多くの期待が集まっている。「笑顔で見られるような楽しい作品に出たいと考えていた」という今回の作品では、2人の子どもをもつシングルファーザーの役を演じる。同じように3人の子どもがいるシングルマザーである女性との出会いから、ストーリーが始まる。
子役との共演を新鮮に楽しんでいる撮影現場の様子を語った。
もうすぐ生まれてくる自身の娘の未来の姿とも重ねて見てしまうそうで、「自分だったら子どもは何人欲しいか、1人にだけ愛情を注いで育てていくのがいいのかなど、色々なことを考えてしまう」と笑顔で話した。
そして次のコーナーでは、アン・ジェウクの「死ぬまでにしたい3つのこと」というテーマで、アン・ジェウクが思い描く未来について語られた。
ひとつめは「家を建てて、自分の両親、弟家族と、出来るだけ近くで暮らしたい」というもの。
これから生まれてくる新しい家族や、両親のことを思いやり、助け合って暮らしていきたいという理想を明かした。
ふたつめは「80歳をこえても俳優として残っていること」健康でいて、後輩の俳優たちと仕事を続けながら、これからも良い先輩、父親、夫でありたいという意欲的な姿にファンも大きな反応を返す。アン・ジェウクはそんなファンたちに「80歳の私の姿を見る為に、皆さんも健康でいてくださいね」という心を込めたメッセージを送った。
最後は「海辺に住みたい」と海の近くの暮らしへの憧れを語り、沖縄や横浜の海もとても好きで、家族で旅行にきたというエピソードも披露した。
私物プレゼントの抽選会では、長年のファンにはよく知られた実際に着用したステージ衣装や、愛用していたバッグが幸運なファンへ贈られた。
「自分にも新しい家族が増え、改めて家族の大切さを感じています。これからも皆さんと家族のように過ごしていきたいです」という思いを伝えた。
イベントのクライマックスでは、日本語バージョンの歌詞を書いた作詞家の方が今回のイベントに合わせて尋ねてくれたことをきっかけに、急きょセットリストに追加されたという「君という空」を歌唱。
この日は韓国語で歌われたが、「次回は日本語の歌詞を練習してきます」と約束を交わした。
最後には、ドラマ「星に願いを」の劇中で歌われた「Forever」をファンと共に歌い、その声が表現するように、華やかながらも柔らかいムードでこの日の幕を閉じた。
22年という長いキャリアの中で積み上げられたもの、乗り越えてきたこと、新しく出会ったもの、変わらないもの、変わっていくもの。そういったものをすべて受け入れ、自分のペースでゆっくりと歩いてきたというアン・ジェウクの姿は、今の幸せを大切に思いながら、これからも歩き続けていく決意に満ちていた。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
写真:(C)2016 韓流ぴあ/ポニーキャニオン/EA&C
■アン・ジェウク 日本公式ファンクラブ 「FOREVER JAPAN」http://www.ahnjaewook.jp/