
「BTS(防弾少年団)」のメンバー全員が兵役を履行した一方、スポーツ選手や一部の芸術家には兵役特例が認められる韓国で、制度の公平性をめぐる議論が再び浮上している。
53年間維持されてきた芸術・スポーツ分野の兵役特例制度について、段階的に廃止し、兵役免除に代わって軍務と訓練を両立できる仕組みを導入すべきだとの提案が出された。2029年に新規編入を終了する条項を法律に明記する案だ。
韓国の政党「国民の力」のシンクタンク、ヨイド(汝矣島)研究院は16日、海外の事例とオンライン上の世論を分析した報告書「金メダル1つで兵役免除、芸術・スポーツ分野の兵役特例制度の段階的廃止案」を発表し、こうした見解を示した。
今回の議論は、愛知・名古屋アジア競技大会後、韓国サッカー代表選手の「僕は軍隊に行きません」という発言や、除隊時にかぶる帽子を着用した写真が話題になったことで再燃した。その後、韓国国防部が6日に補充役制度の縮小・廃止を進める方針を明らかにし、与野党からも制度の見直しを求める声が上がっている。
■「BTS」の兵役履行も引き合いに…制度の公平性に疑問
研究院は、兵役特例の対象や選定基準における公平性の問題を指摘した。
現行制度では、一定の国際大会で優秀な成績を収めたスポーツ選手や芸術家が特例の対象となる一方、大衆文化芸術分野のアーティストは対象に含まれていない。
報告書では、世界的に活躍する「BTS」のメンバー全員が兵役を履行した事例にも言及。分野によって兵役特例の適用に差があることをめぐり、議論が続いていると説明した。
また、兵役特例の恩恵がアジア競技大会の出場選手に偏っているほか、過去5年間に芸術要員として編入された人の約87%が国内大会の入賞者だった点も問題視した。

■オンラインコメント約22万件を分析、97.8%が廃止・縮小に賛同
研究院は海外12か国の制度を比較し、「メダルを1度獲得しただけで現役兵としての服務を免れる国は韓国だけ」と指摘した。
台湾では国家代表選手の資格を基準に12日間の訓練と5年間の管理義務を課し、義務を果たさなければ現役服務の対象となる。イスラエルでは部隊での活動を1日最大6時間に制限し、スイスとフィンランドでは軍務と訓練を両立できる制度を運用。シンガポールではオリンピックの金メダリストも兵役を免除されず、特権を悪用した場合には資格を取り消すという。
オンライン上でも、現行制度への批判が多く見られた。
研究院がNAVERニュースやYouTube、韓国のオンラインコミュニティなどに投稿された約22万件のコメントを分析した結果、有効コメントの90.2%が兵役特例の廃止・縮小を支持していた。共感数を反映した加重集計では、その割合は97.8%に上った。
研究院は「現行制度をそのまま維持すべきだという主張は、オンライン上でほとんど支持を得られていない」と説明した。ただし、これはオンラインコメントの分析結果であり、韓国国民全体を対象とした世論調査ではない。
■2029年の廃止を提案…軍務と競技活動の両立へ
研究院は、2028年のロサンゼルス(LA)オリンピックを最後の編入対象大会とし、2029年から新規編入を終了すべきだと提案した。
アジア競技大会の金メダリストに認められる編入資格については、施行令を改正して2027年から廃止し、芸術要員の新規編入も同年から中止すべきだとしている。
一方、選手の競技力や練習環境を守るため、メダリストや国家代表選手の国軍体育部隊への入隊を保障し、服務中も訓練や大会への参加を認める仕組みを提案。今回の大会に参加した選手には、現行基準を適用する経過措置も必要だと付け加えた。
「BTS」の兵役履行も引き合いに出される中、韓国で長年続いてきた兵役特例制度の公平性が改めて問われている。
なお、2029年の廃止案は研究院による提案であり、正式に決定したものではない。
WOW!Korea提供






