【エンタメNOW+】「2PM」ジュノ、ビョン・ウソクらの意外な素顔!Netflix韓国バラエティで「苦労する芸能人」が人気の理由

AIが仕事を代わりにこなす時代に、なぜ視聴者は、わざわざ汗を流して苦労する芸能人の姿に夢中になるのだろうか。Netflixが韓国で展開するリアルバラエティ番組に、興味深い変化が起きている。出演者が美しい景色を眺めながら休暇を満喫するのではなく、山に登り、食事を作り、宿泊客を迎え、休む間もなく働く。そんな姿が、新たな人気の要素になっているのだ。

その代表例が、『ユ・ジェソクの集まれ!破天荒ハウス』『なんで俺らが山登り』『キアンの破天荒ゲストハウス2』の3作品だ。共通するのは、出演者が実際に体を動かし、予想外の状況に向き合う姿を見せていること。普段は華やかな世界で活躍する芸能人たちが、慣れない仕事に戸惑い、ときには不満をこぼす。そんな何気ない瞬間に、テレビ出演では見られない素顔が垣間見える。

視聴者が引きつけられているのは、苦労そのものではなく、その過程で自然に表れる出演者の人間らしさなのかもしれない。

■「感動させる番組」から「本音が見える番組」へ

韓国のリアルバラエティ番組は、長年にわたり、制作陣が用意したミッションやゲームを通じて笑いや感動を生み出してきた。成功すれば報酬を、失敗すれば罰を与え、字幕や効果音で面白さを強調する演出も定着していた。しかし、最近のNetflix作品では、その公式が変わりつつある。

制作陣が細かく展開を誘導するのではなく、出演者を実際の状況に置き、そこで何が起きるのかを見守る。韓国の大衆文化評論家キム・ホンシク氏は、韓国メディア「ヘラルドミューズ」の記事で、かつてのバラエティ番組には、字幕や効果音を過剰に使って視聴者にメッセージを伝えようとする傾向があり、それが疲労感につながっていたと分析した。

また、ミッション中心の番組では、賞罰や過酷な演出が面白さを生み出す要素だった一方、最近は出演者が自発的にどう動くかに焦点を当て、その過程をありのままに伝えることでリアリティを強調しているという。視聴者の関心は「何をさせられるのか」から「その人がどう反応するのか」へと移りつつあるのだ。

■「登山なんて何が楽しい?」…イ・チェミンらが雪山で見せる素顔

この変化を象徴する作品が、ナ・ヨンソクPDが手掛けたNetflixの登山バラエティ番組『なんで俺らが山登り』だ。ドラマ『暴君のシェフ』で人気を集めたイ・チェミンや、「DAY6」のドウンら、登山になじみの薄い男性4人が真冬の雪山に挑戦する。氷点下20度にもなる厳しい環境で見せる、普段の活動とは異なる素顔も見どころだ。

しかし、この番組は苦労の末に登山の素晴らしさを悟るという、分かりやすい感動物語には向かわない。最後の登山を終えても、出演者たちは「そもそも、なぜ登山をするのか」という問いに明確な答えを見つけられない。それでも、目の前に広がる壮大な雪景色には目を奪われる。その矛盾を無理に整理せず、率直な感想として残したことが番組の特徴になった。

ナ・ヨンソクPDも8月の制作発表会で、従来とは異なる、今の時代に合ったバラエティ番組を目指したと説明している。ナPDによれば、カーダーガーデン(Car, the garden)がリーダーを務めながらも、従来のリーダーらしい統率力を見せるわけではないなど、出演者たちはこれまでのバラエティタレントとは異なる個性を持っていたという。

また、以前の番組なら日の出を見た出演者が涙を流すような場面でも、今回は「つらいのに、見たくもない」といった反応が飛び出した。ナPDは、そうした飾らない言葉こそが本当のリアクションであり、現代的な感覚だと受け止めていた。

美しい景色を前にしたからといって、必ず感動しなければならないわけではない。疲れたときには疲れたと言い、納得できないことには疑問を口にする。そんな率直な姿が支持され、同作は公開後、Netflixの「今日の韓国TOP10シリーズ」で1位を記録した。

■ユ・ジェソクとキアン84が選んだ「休めない宿」

『なんで俺らが山登り』が出演者自身の挑戦を描いた作品なら、『ユ・ジェソクの集まれ!破天荒ハウス』と『キアンの破天荒ゲストハウス2』は、他人のために働くことを中心に据えた番組だ。

『ユ・ジェソクの集まれ!破天荒ハウス』では、国民MCユ・ジェソクが芸歴34年で初めて民泊運営に挑戦。イ・グァンス、チ・イェウンに加え、人気俳優ビョン・ウソクもスタッフとして参加し、料理や掃除、宿泊客への対応に奮闘する。特に、ドラマで活躍するビョン・ウソクが、慣れない仕事に取り組む飾らない姿も見どころだ。

一方、『キアンの破天荒ゲストハウス2』には、キアン84に加え、「2PM」ジュノ、「LE SSERAFIM」カズハ、元バレーボール韓国代表のキム・ヨンギョンらが出演する。それぞれ異なる分野で活躍してきた出演者たちが、宿の運営という共通の仕事に向き合うことで、普段の活動では見えにくい一面が浮かび上がる。

宿泊客が休息を楽しむ一方、運営する出演者たちは休む暇もない。食事の準備や皿洗い、接客などに追われ、面白いことを言おうとする余裕すらなくなるほど、目の前の仕事に没頭していく。バラエティ番組でありながら、出演者がバラエティらしい振る舞いを忘れていく姿が、かえって面白さを生んでいる。

キム・ホンシク氏は、こうした宿泊施設を舞台にした番組について、現在の視聴者がリアリティ番組に求めるものをよく表していると評価した。同氏によれば、制作陣が作り上げたキャラクターだけで人気を得る時代ではなく、出演者自身が興味を持ち、目標を達成しようとする自発的な行動が重要になっているという。

実際、ユ・ジェソクとキアン84は、それぞれ自ら希望して宿泊施設の運営という形式を選んでいる。特にキアン84については、バラエティと現実の境界が感じられないほどの率直さが、番組の大きな魅力になっていると分析した。

■Netflixが仕掛けたのは「演出しすぎない演出」

出演者の自然な姿を引き出すためには、制作陣の役割も重要になる。Netflixの関係者は「ヘラルドミューズ」に対し、企画段階から出演者本来の魅力が自然に表れる環境を慎重に設計し、出演者自身も番組のコンセプトに共感して参加を決めたと明かした。

さらに、宿泊施設を舞台にした番組では、撮影現場での制作陣の介入を最小限に抑えたという。出演者だけでなく、一般の宿泊客もカメラを意識せずに過ごせるよう、観察用のカメラを可能な限り目立たない場所に設置した。

ただし、出演者が自然に振る舞える環境を整える一方、仕事そのものは簡単にはしない。宿の運営に必要な作業は出演者自身が引き受ける。その結果、予想外のトラブルに戸惑う姿や、仕事に追われて疲れ切った表情、何気なくこぼれる本音が、そのまま番組の見どころになる。

■韓国1位、世界5位…芸能人の素顔が支持される理由

こうした形式は、視聴実績にも表れている。『ユ・ジェソクの集まれ!破天荒ハウス』と『キアンの破天荒ゲストハウス2』は、いずれもNetflixの「今日の韓国TOP10シリーズ」で1位を記録。さらに『ユ・ジェソクの集まれ!破天荒ハウス』は、NetflixのグローバルTOP10「TVショー(非英語)」部門で5位に入り、韓国国外でも人気を集めた。

かつてリアリティ番組の魅力の一つだったのは、出演者が日常を離れて癒やされる姿を眺めることだった。忙しい視聴者は、美しい景色の中で休暇を楽しむ芸能人を通じて、間接的に休息を味わっていた。

しかし、韓国の業界関係者は、最近は「自分よりも一生懸命働く人」を見て満足感を得る方向へと変化していると分析した。もっとも、視聴者が楽しんでいるのは、出演者が大変な思いをしていることだけではないだろう。慣れない仕事を前に見せる真剣な表情や、予想外の出来事への反応、思わずこぼれる本音。そうした場面に、普段のテレビ出演では見られない芸能人の素顔が表れる。

■AI時代の逆説…人間の「飾らない姿」が価値になる

こうした番組が支持される背景を考える上で、興味深いのがAIの普及だ。AIは文章を作り、画像を生成し、さまざまな作業を代行する。一方で、作られたものと本物の区別が難しくなるほど、計算されていない反応や、思い通りにならない状況に向き合う人間の姿は、より貴重なものに映るのかもしれない。

山を登る苦しさ、慣れない料理への戸惑い、宿泊客を迎える緊張感。出演者がどれほど番組に慣れていても、実際に体を動かす中で生まれる反応のすべてを思い通りに演出することは難しい。だからこそ、疲れた表情も、思わずこぼれる不満も、予想外の喜びも、番組の魅力になる。

ただし、苦労そのものが成功の理由というわけではない。『なんで俺らが山登り』では、最後まで登山の意味を見つけられない率直さが面白さになった。一方、『ユ・ジェソクの集まれ!破天荒ハウス』と『キアンの破天荒ゲストハウス2』では、出演者が自ら選んだ仕事に没頭する姿が見どころになった。

3作品に共通するのは、苦労を感動に変えることではなく、その過程で生まれる人間らしい反応を、そのまま見せようとする姿勢だ。普段は華やかな世界で活躍する芸能人たちが、慣れない環境で見せる自然な表情や、何気ない言葉。そこには、作り込まれたキャラクターとは異なる、一人の人間としての魅力がある。

Netflixの韓国リアリティ番組が示しているのは、豪華な仕掛けや過剰な演出ではなく、「その人が本当に何を感じ、どう行動するのか」という原点への回帰だ。そして、普段は見られない芸能人の素顔や、自発的な行動から生まれる飾らない反応こそが、AI時代のエンターテインメントにおける、新たな成功法則になりつつあるのかもしれない。

WOW!Korea提供

2026.10.12