来年芸能界デビュー20周年を迎える俳優ソン・スンホンが、11月18日パシフィコ横浜で「ソン・スンホン FAN MEETING 2015 in Japan」を開催した。来年芸能界デビュー20周年を迎え、日本でもドラマ「夏の香り」でブレイクして以来「マイ・プリンセス」「Dr.JIN」などに出演し、変わらぬ人気を保つソン・スンホン。全国から訪れた熱いファンが会場を埋め尽くした。
オープニングの登場は、客席後方のドアからサプライズ! 大歓声で迎えるファンの間をゆっくりと手を振りながら一周し、ステージに上がったソン・スンホンは、スローで落ち着いたイントロとともに 、「Nothing' gonna change my love for you」を、目を閉じて歌詞を噛みしめるように歌い上げた。歌い終わると大きく片手を挙げてにっこり。
「こんにちは、ソン・スンホンです。みなさんにまた会えて本当にうれしいです。ありがとうございます!」と流暢な日本語であいさつした。
司会のYUMIが「完璧な日本語ですね」と突っ込むと、「いつもここまでです」と韓国語で恥ずかしそうな笑顔を見せた。
1年ぶりにファンと会うために日本にやってきたというソン・スンホンは、「緊張のあまりのどの風邪を引いてしまった」という。だが、「みなさんに会う時間が近づくにつれ、すっかりよくなりました」。1年分のファンについて「変わらず美しいです!」と言うと、会場は爆笑に包まれた。
今年の夏には韓国で主演映画「ミスワイフ」が公開。また、中国では「第3の愛」が上映された。現在はドラマ「サイムダン」の撮影中。「サイムダン」の撮影は30 話分をすべてに事前に撮影し、日中韓同時公開を目指しているという。
スクリーンには「ミスワイフ」の映像が。共演者のオム・ジョンファとのコミカルな掛け合いに、会場は笑いの渦に。撮影現場の雰囲気について、「コミカルな要素が多く、撮影の雰囲気もとてもよかったです。後半は胸がじんとして、泣いたり笑ったりできる作品だと思います」と紹介した。
また、「サイムダン」については「サイムダンは韓国の5万ウオン札に描かれている天才画家です。良妻賢母として知られています。僕はサイムダンの初恋の人で、サイムダンが他の男性と結婚して4人の子どもを生んでも、彼女を献身的に支える男性です。僕自身もとても切なかったですね。僕自身20年も同じ人を好きになったことがないので、すごい人だな、と思いながら演技をしました」と語った。共演者のイ・ヨンエについて尋ねられると、「大先輩です。イ・ヨンエさんも結婚して子どもさんもいます。10年以上ぶりの復帰作で、一緒に演技ができるとは思っていませんでした。だから1日1日を大切に撮影しています」と明かした。
次のコーナーは、ヘッドセットに付け替えて登場して演技を再現。選ばれたラッキーな2人のファンが壇上に。階段を登るファンの手をソン・スンホンが優しく取ると、会場は「キャー!」と絶叫。 演じたのは「ミスワイフ」から、ヒロインの浮気を疑い軽い口げんかになったあとに、「オレはお前を信じているから」と頭をぐりぐりなでるシーンだ。
本気で演技をしはじめたソン・スンホンは、ファンの前で恥ずかしくなったのか、思わず噴出す場面も。日本語で演技をするファンも、なかなかの演技力。ソン・スンホンがハグをすると、会場からは大きな拍手が送られた。
さらに盛り上がりを見せたのは、「マジック」のコーナーだ。
男性が入った大きな箱を手錠でロックして布をかぶせると、箱の上に乗っていた女性が中に入ったはずの男性に早変わり!に変身。さらに箱の中から姿を現した女性がソン・スンホンに入れ替わると、驚きの声があがった。
「初めてなのでとても緊張しています」と、水を飲むソン・スンホン。「これから皆さんに予言のマジックを見せたいと思います。僕は皆さんをとても愛しています。そして皆さんも僕を愛してくれると信じています。心を込めて、みなさんのテレパシーを使いたいと思います」と、封筒を取り出した。その封筒の中には、事前に準備した4桁の数字を入れてあるという。手元のボールを投げ、会場から選ばれた4人のファンが一つずつあげていった数字を組み合わせたナンバーは、「5831」。そして4番目に数字を選んだ人がステージに上がり封筒の中の数字を読み上げると……「5831」とピッタリ一致! 会場からはどよめきの声が起きた。
「皆さんと僕のテレパシーが通じたみたいです」とうれしそうなソン・スンホンは、さらに手ぬぐいの中からフルーツが出る手品を披露。会場からは大きな拍手が送られた。
その後、「くだものでジュースを作って2人のファンにジュースを差し上げたい」と提案。
「飲みたい人」というと、多くの人が「はーい!」。「最年長の方にジュースを上げたいという」ソン・スンホンに、全員が賛成。「90代の方はいらっしゃいますか」と呼びかけると、2階席から94歳の女性が手を挙げた。
94歳と88歳の2人がゆっくりとステージに向かうと、「アイゴ、アイゴー」と拍手をしながら、満面の笑顔のソン・スンホンが両手を差し伸べ、肩を支えて壇上に。札幌から旦那様と来たという94歳の女性は、「顔、小さいですね!」と間近に見たソン・スンホンに感無量の様子。「僕の作品の中で、覚えていらっしゃるものはありますか」という質問に「夏の香り」と答えると、会場からは大きな、大きな拍手が起きた。
ジューサーが上手く動かないというハプニングにも「マジックよりも大変ですね」と笑顔で盛り上げながら、りんご、プチトマト、ニンジン、セロリ、トマトを大胆にジューサーに入れ、おいしそうなオレンジ色のジュースができあがり!
ステージ端のソファーですっかり打ち解けた様子の2人に、ソン・スンホン自らジュースを届けると、94歳の女性は「本当に幸せです!」と心からうれしそうな表情に。また、88歳の女性は、「こんなにおいしいジュースは初めてです」と感無量。「今日は私の人生で最高の日!」という88歳の女性の手を、ソン・スンホンは堅く握り締めた。
イベントもいよいよ大詰めに。スクリーンには今日来たファンの笑顔が映し出され、「ソン・スンホンさんに出会って人生が変わった」という2人のファンが代表して手紙を読み上げた。
「20代の頃は演技というのは僕にとって単なる仕事だという思いが強かった。でもある時『ソン・スンホンさんに出会って韓国を知るようになり、韓国を好きになった』という手紙を受け取ったことがあり、それは僕にとって大きな衝撃でした。それまでは俳優として、自己満足で演技をしていましたが、僕を見て感動し、韓国を訪れてくれる方がいらっしゃるんですね。僕は俳優という仕事は自分だけのためにやっているのではないと悟るきっかけとなりました。僕は皆さんからの言葉を胸に刻んで、俳優を辞めるその時まで一生懸命やっていきたいと誓います」と、最後に思いの丈を語ったソン・スンホン。
会場が一つになって、「スンホンシ、サランヘヨ!」とエールを送ると、「ありがとうございます!」と、さわやかなスマイル。ファンからもらった手紙の束と花束を持って手を振るソン・スンホンに、大きな拍手が送られた。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
写真提供A・R・A