
「BTS(防弾少年団)」の復帰を記念してHYBEが主催したクァンファムン(光化門)公演をめぐり、行政の人員配置や来場者予測の妥当性を問う声が広がっている。世界的グループの復帰という大規模イベントを背景に、安全確保を最優先とした行政判断が、結果として過剰だったのではないかとの指摘だ。
23日、行政安全部や全国公務員労働組合などによると、21日にクァンファムン一帯で行われた公演には、ソウル市やチョンノ区(鍾路区)・チュング区(中区)、ソウル消防災難本部、ソウル交通公社などから公務員および公共機関の人員約3400人が投入された。警察も機動隊約70個部隊を含め、交通・犯罪予防・刑事・特攻隊など約6700人を動員。さらに主催側のHYBEも約4800人の安全要員を配置しており、単純合計で約1万5500人規模にのぼる。
当局は当初、最大26万人が来場すると見込み、大規模な群衆管理体制を整えていた。警察は1平方メートルあたり2人を基準に、クァンファムン広場からスンネムン(崇礼門)一帯まで人が密集する状況を想定し、来場規模を算出した。
しかし、公演当日の実際の来場者数は、この事前予測を大きく下回った。
HYBEは約10万4000人が集まったと推算。これはKT、SKT、LGユープラスの通信3社のリアルタイム接続者数に、格安通信ユーザーや外国人観客の推定値を加えたものだ。一方、行政安全部は同時間帯の接続データをもとに約6万2000人と推定しており、この数値には公務員が含まれる一方、外国人観客や格安通信ユーザーは含まれていない。さらにソウル市は約4万人と発表しており、集計方法によって大きな差が生じている。
こうした中、休日に現場へ投入された公務員への超過勤務手当も議論を呼んでいる。一般公務員(9~6級)の場合、時間外勤務は1時間あたり約1万1000~1万3000ウォン(約1100~1300円)で、通常は1日最大4時間まで支給される。仮に1万人に4時間分の手当が支払われた場合、総額は最低でも約4億4000万ウォン(約4400万円)に達する計算だ。消防や一部自治体では最大8時間まで認める方針も示されており、実際の支給額はさらに膨らむ可能性がある。
さらに、ソウルだけでなくインチョン(仁川)、キョンギ道(京畿道)、カンウォン道(江原道)などからも救急車が動員されたとされ、各地域で緊急対応に影響が出る可能性を懸念する声も上がっている。
全国公務員労働組合ソウル地域本部は「安全管理の第一責任は主催側にある」とし、行政力の過度な投入を批判。一方でソウル市は、今回の公演が大規模な人出が見込まれる都心の開放型イベントであることから、公共の安全管理対象に該当するとの立場を示している。
ソウル市関係者は「実際に動員された公務員は市庁職員約350人、消防約800人、自治体職員約200人など、計1400人前後で、残りは清掃要員やボランティアだ」と説明。「警察は群衆統制を、一般公務員は安全事故発生時の対応などを担った」とした。
行政安全部の関係者も「世界的な人気グループの復帰により、世界中から大規模な観客が集まると予想されたうえ、中東情勢の影響でテロの懸念もあった」とし、行政対応を擁護。「万が一の事故を防ぐため最善を尽くすのが政府の役割だ」としたうえで、「190か国に生中継された前例のない大規模イベントが、大きな事故なく終わったことは幸いだ」と強調した。
今回の議論は、アーティストや主催そのものではなく、大規模イベントにおける行政の判断やリスク管理のあり方を問うものとなっている。
WOW!Korea提供






