「インタビュー」「親愛なるX」キム・ユジョン、「絶対に応援できない人物」ペク・アジン…「それでも応援したい」

乾いた心臓から芽生え育った利己的な欲望は、明るい笑顔とか弱い涙となって咲き誇る。黒い本性を隠した嘘の前で、真の感情はなすすべもなく翻弄される。嘘だと分かっていても例外ではない。

女は望むままに人の心を動かす自身の力を知っている。男たちは分かっていても分からないふりをし、分かっていてもどうしようもなく心を捕らえられたまま、彼女に徹底的に利用される。女は自身が利用した男たちの「破滅」を一つずつ踏み越えていく。華やかな仮面の下に露骨な欲望を隠した無慈悲なソシオパス。まるでブレーキが故障したかのように、不幸な過去でも薄まらない悪行はさらに醜悪になっていく。

「『ペク・アジン』は決して応援できない人物だと思っています。作品の主人公であり、私が演じるキャラクターなので、理解しようとするよりも、ただそのものをありのまま受け入れようとした気がします。」とキム・ユジョンは語る。

TVINGオリジナルシリーズ「親愛なるX」が、最終回まで残り2話となった中、最後まで熱いヒットの勢いを続けている。同名の人気ウェブ漫画を原作とするこのドラマは、生き残るために仮面をかぶった主人公ペク・アジンと、彼に操られ踏みにじられた「X」たちの破滅的なロマンスを描く。

「親愛なるX」は、実写化のプレッシャーを乗り越え、先月6日の第1話公開と同時に、プラットフォームの海外進出にも後押しされ、世界的なヒットを収めた。妥協のない演出と脚色、そして期待を上回る俳優たちの熱演が、原作ファンたちの心までをも掴んだ。そして、熱い反響の中心にはペク・アジンを演じたキム・ユジョンがいる。

先日、ソウル・チョンノ(鍾路)区某所で女優キム・ユジョンに会った。「親愛なるX」のペク・アジンは、キム・ユジョンが映画「優雅な嘘」(2014年)以来、11年ぶりに演じた悪役だ。「原作も非常に有名で良い評価を得た作品だったので、心配が多かったです」と語ったが、その心配やプレッシャーが嘘のように、キム・ユジョンが演じたペク・アジンは「人間の皮をかぶった悪魔」そのものだった。

「ウェブトゥーンで表現される、静止画のペク・アジンが持つソシオパス的な傾向は、最大限に引き出されていると感じました。ですから、それを映像にした時に、どのようにして最も近い雰囲気を出せるか悩みましたね。私が出した結論は、削ぎ落とし、抑制することでした」

「親愛なるX」はペク・アジンの半生記だ。決して平凡に育つことのできなかった幼少期から始まり、学生時代を経てトップスター俳優になるまで、ペク・アジンは時間の流れと共に、より冷酷で無慈悲な悪魔へと成長していく。原作でもアジンは比較対象がないほどの、独自の世界観を持つキャラクターだ。キム・ユジョンにとって、参考になる対象なしに「ペク・アジン」という人物に近づくことは、容易ではない挑戦だった。

「最初は心理学の教授などに諮問を求め、反社会性パーソナリティ障害を持つこの人物が、どのような状況でどんな感情を抱くのか、という質問を多くしました。結局は、あれこれ総合してキャラクターを作り上げるよりも、実際の現場で状況を感じながらアジンに近づくべきだ、と考えたんです。まばたきをしない演技もその過程から生まれました」

キム・ユジョンは、相手の感情などを配慮しない直接的なセリフと、強烈なまなざしの現にペク・アジンを込めようと努力した。

「原作で描かれている冷たい雰囲気を表現したかったんです。私は目が大きい方なので、少し大きく開けると白目がかなり見えるんですよ。だから、わざと三白眼に見えるように努力した気がします。何か宙に目が浮いているような印象を与えるため、撮影時も視線や目から来るエネルギーにも非常に気を配りました。セリフのトーンも、言葉の語尾や間を取るタイミングを微妙に変えて、ペク・アジンが持つ、どこか冷たい感じを表現しようとしました」

極限の状況と感情が彼女を追い詰めることもあった。キム・ユジョンは、「実際の撮影中に体重もかなり落ち、心理的にだんだん沈んでいくような感覚がありました」と語った。しかし、自分を襲い押し潰す闇を無理に振り払うことはしなかった。彼女は「(当時の気持ちが)アジンの状況と似ていると感じたので、撮影中は(その気持ちを)維持したいという思いがありました」と述べた。

「撮影をしていない時は、監督さんや共演者の皆さんがたくさん冗談を言ってくださり、私がペク・アジンではなくキム・ユジョンとして話せるように助けてくださいました。おかげで、自分を見失うことなく軸を保ちながら演技ができたと思います。皆が大変な状況に置かれるキャラクターなのに、『アジンが一番大変だろう』と励ましてくださり、そこでも多くの慰めを受けました」
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2025.12.01