ことしは特に多かった“初恋”を素材にした韓国ドラマ…視聴者の心を動かしたのは?「マイ・ユース」から「暴君のシェフ」まで



そんななか、ことしのロマンスジャンルの中で最大のヒットを収めたのは、初恋に劣らずなじみのある設定である“タイムループ”コンセプトを活用した「暴君のシェフ」。このドラマは、瞬間最高20%で自己最高視聴率を更新し、とても愛された。

ユン・ソクジン教授は、「暴君のシェフ」の成功原因を、“事件”中心の“ファンタジーロマンスコメディー”というジャンル的要因にあると指摘した。続けて彼は、「“タイムループ”の設定の蓋然性より、朝鮮時代にタイムループした大韓民国のシェフが、朝鮮で見られない料理で、生存を図る状況に焦点を合わせるが、よく知られた歴史の記録の一部を劇的にひねって好奇心を刺激した点も、ヒットの要因だと言える」と付け加えた。

結局、“初恋”が素材の“ロマンス”ジャンルが、男女主人公の心理描写に集中しながら、劇的状況に対する没入度を落としたとすれば、“ロマンス”が素材の“ロマンチックコメディー”ジャンルは、男女主人公が直面した状況を中心に、事件を展開する違いが存在するということだ。

ユン教授は、「最近の視聴者は、“心理”より“状況”に焦点を合わせたロマンスジャンルを好む傾向が強い」と語ったが、これは、刺激的なShortsで感情を消費させるメディア環境による変化にもつながる部分。


一方、現在放映中の初恋が素材のドラマは、「100番の思い出」だ。1980年代、100バスの案内係のヨンレとジョンヒの輝く友情、そして2人の友人の運命的な男、ジェピルをめぐる切ない初恋を描いたニュートロ青春メロドラマ「100番の思い出」は、初めてでもっと激しくときめき、ぎこちなくてより切なかった初恋など、時代を問わない青春描写を描く。

「100番の思い出」は、作品が展開されながら、初恋より、コ・ヨンレ(キム・ダミ)とソ・ジョンヒ(シン・イェウン)の姉妹愛に近い友情を前面に掲げながら、“初恋”を後傾化し、ドラマチックな状況を強化しているが、最近、状況に急激に変化がなされ、3.3%で始まった視聴率は、先月5.7%を記録し、上昇傾向が期待されている。

ターニングポイントを回り、後半部に入った「100番の思い出」と「マイ・ユース」。果たして、2つの作品は、ロマンス必勝戦略である“初恋”の現在地で、より多くの普遍的共感を得ることができるのか、その動向が注目されている。

 

WOW!Korea提供

2025.10.12