「インタビュー」韓国アニメーション映画界を牽引する 『あの星に君がいる』新鋭ハン・ジウォン監督による 長編作品が日本上陸!ハン・ジウォン監督インタビュー到着

―韓国のアニメーションでは、文学作品の映像化は決して多くないと思います。この題材をアニメ化するにあたり、どのような点を重視しましたか?

上映尺の縛りがあるので、原作よりも見せられる場面が少なくなることを念頭に、イギョンとスイの感情を表現する様々な要素を効果的に見せる方法を考えました。感情を表現するのに役立つ要素があるとすれば、それは背景です。背景を通して、インターネットが学生に普及し始めたばかりの90年代後半や、ワールドカップが韓国で開催された2002年など、様々な時代を見せたいと思いました。原作がとても繊細でリアルなので、登場人物に感情を込めるときも、大げさな表現ではなく、現実の人間の感情の範囲内に収まるように心がけました。

 

―本作は、これまでの作品とどう違いますか?

私が初めて手掛けたシリーズ作品という点で大きく異なっています*。その前は、20~30分程度の単発の短編映画や、1~2分の商業用アニメーションを手掛けていました。なので、アニメーション・シリーズを手掛けることは、私にとって全く新しい経験でした。

*本作は、元々7部作のアニメシリーズとして制作され、後に長編映画として再編集された。


―劇場で観客に伝えたいメッセージはありますか?

この映画を制作している間、私はたくさんの初めてを経験しました。そして、複雑だけど美しい初恋のように、この映画を作ることは、初めて恋に落ちることに似ていたような気がします。観客のみなさんがこの映画を観たときに、忘れていた初恋を思い出してくれることを願っています。

 

【ストーリー】

地方のある高校で知り合ったイギョンとスイ。2人の運命的な出会いはグラウンドで始まる。運動場を歩いていたイギョンは、スイが蹴ったボールに当たって、うっかりメガネを壊してしまう。そんな偶然の出会いから、惹かれあうようになっていく2人。高校卒業後、彼女たちはソウルに移住し、イギョンは大学に進学し、スイは社会に出る。それぞれに異なる道を進み、新たな喜びが生まれるとともに、想像も出来なかった葛藤や、目をそらせない違いが生まれていく―。


監督:ハン・ジウォン『あの星に君がいる』

原作:「あの夏」(チェ・ウニョン著、古川綾子訳/亜紀書房/『わたしに無害なひと』収録)

日本語吹替版声優 イギョン:内田真礼、スイ:伊瀬茉莉也

2023/韓国/韓国語/カラー/61分  原題:그 여름 英題:The Summer  配給:ファインフィルムズ  映倫:PG12

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8月15日(金)より

2025.08.15