「インタビュー」ミュージカル『マイ・バケットリスト Season9』 グァンス(超新星)&ミヌ(BOYFRIEND)ら出演者と演出の柏原収史らが魅力をアピール(オフィシャルインタビュー)

◆それぞれWキャストで演じますが 「僕が演じるカング(ヘギ)は〇〇なカング(ヘギ)」とキャッチコピーをつけて、自分だけのその役の魅力を教えてください。(柏原さんも「僕は〇〇な演出家」でお答え願います)

グァンス:僕の演じるカングは「グァンスみたいなカング」です。 僕、普段お芝居をする時はあまり自分を出さないように気をつけています。たとえその役が自分に似ているところがあるとしてもなるべく出さないようにしていたんですが、今回は思いっきり出そうかなって。逆にこの役ではその方が合ってるかなって思えて。

百成:そっちの方が良かったです(笑) 「グァンスっぽいカング」って言われたら普段カングっぽいのかな、不良なのかな、ちょっと距離を置こうかなって(笑)

グァンス:(笑) いやいや~、不良ではないから安心して大丈夫!(笑)

ウォンシク:僕は逆に、僕の演じるヘギは「ウォンシクではないヘギ」ですね。僕、お芝居をするといつもキャラが自分に寄ってしまうんです。僕の演技を観たファンから「え?あれはお芝居だったの?」って言われるほど(笑) だから今回こそ、いつもの自分じゃない自分を見せたいなって思っています。

ミヌ:色んな方が演じたヘギを観たんですが、それぞれ魅力があってとても勉強になりました。でも僕個人的には、僕が演じるヘギは「台本に一番近いヘギ」にしたいと思っています。作者の方が考えたヘギのイメージに一番近いヘギを演じたいって考えています。

百成:僕は「人間くさいカング」を演じられたらと思っています。僕が役作りする時いつも大切にしているのは、その役の奥にある人間性。人の感性の上には性格とか理性とか感情が乗っていると思うので、その人物をどれだけ深められるかを大切にしています。カングは基本的にわかりやすく怒りや悲しみなどの感情を出しますが、その奥に人間として何を感じているのかということを大切にしていきたいです。

柏原:僕は自分自身を演出家って思ったことがなくて。俳優としてずっとやって来ましたが、音楽面でプロデュースしていたアイドルグループが舞台をやることになり演出を依頼されてたのがきっかけで始めたから。なので演出家としての強いこだわりっていうのは一切なくて、むしろ役者の気持ちはわかるから...。あえてキャッチコピーを付けるなら「役者な演出家」かな?

百成:かっけ~~!♡

柏原:いずれ百成くんも演出を。

百成:いやいや~、でも興味はあるのでいつかはやってみたいですね。

 

◆病気を治したい気持ちで、ヘギがイカサマ宗教を信じようとする場面があります。みなさんは何か(誰か)に頼りたいと思ったことはありますか?

グァンス:19歳(韓国年齢)の時に大学受験をしたんですが、そこは韓国で一番って言われている演劇学科で超難関で。その合格発表の前日、人生で初めて神様にお祈りしたんです。当時、超新星の練習生だったのでメンバーのジヒョクと同じ部屋だったんですが、僕の姿を見て「お前何やってるの?」って(笑) でも僕、本当に必死だったんで「お祈りだよ、邪魔するなっ」って(笑) とにかくすごくお祈りをして。でも翌日、合格したんです!それ以来、神様って絶対いらっしゃるんだなって思っていて、ステージとか舞台の本番前とか大事な時には必ずお祈りしています。当時の感謝の気持ちがあまりに大きくて、いまだに続いています。

百成:僕は特に神様とかではないんですが、コーヒーに頼ってるかな。ダイエットでカロリー制限していた時はカフェラテを自分で作って飲んで空腹を満たしていたし、最近は目を覚ますために必ず朝コーヒーを飲んでいます。 いろんなきっかけでコーヒーを飲んでいますね。 好きで飲んでるというより、かなり頼ってるところがあるのかもしれないですね。

ミヌ:僕は何かに頼るっていうのとは違うかもなのですが、個人的にジンクスを決めていて。例えばシャワーする時、シャンプーを3回プッシュして出して使うとか。それをやったら一日無事に終われるかなって。

柏原:わりと多目に使うタイプなんだね。

ミヌ:(笑) いや、ちょっとずつ(笑)ちょっとずつ3回。そういうのに頼っていて、今日もそれができたから無事に終われるって思えるんです。

ウォンシク:僕は1年ぐらい前に喉の調子が悪い時期があったんですが、うちの社長がいつもいろんな薬を持っていて、ステージの前「これを飲めば30分後くらいから効果が出るから」って毎回喉のステロイド剤を渡してくれたんです。飲むと本当に調子がよくなって上手く歌えたんです。でも、この前知ったんですが、その薬、実はステロイドではなくただのビタミン剤だったんです(笑)

グァンス:おお~!

百成:うわぁ、いい話っ!!

ウォンシク:本当のことを知った時は「やられた!」って思ったんですけど、それからもビタミンってわかっているのに飲んでいます。 心が頼ってるから、それで効果が出るんです。

ミヌ:素敵な話ですね。

柏原:僕はアミノ酸に頼ってるかな。毎晩わりとお酒を飲むんですが、翌日ちょっとお酒が残っていてもアミノ酸を飲むと一気にスッキリ回復するんです。もう25年くらい毎朝続けて飲んでいます。アミノ酸があれば僕の肝臓は大丈夫って信じてる(笑)

百成:酒に頼ってるわけではない?

柏原:酒は友達(笑) アミノ酸は先生(笑)

◆カングは自分のことを「俺は生まれつきのロッカー!」だと言いますが、みなさんは自分を、「生まれつきの何」だと思いますか? 

ウォンシク:わぁ、何だろう?ちょっと考えます (笑)

柏原:「生まれつきの酒飲み」…かなぁ。

全員:(笑)

百成:「生まれつきの楽観主義」ですね。

ウォンシク:いいことだ!

百成:とにかく楽観主義で、「まぁ、なんとかなるだろ」って。でも今までほんとになんとかなってて(笑) まぁ首の皮一枚くらいでなんですけどね。でも、なんでそんなにいつもなんとかなっちゃうのか不思議に思って、昔、占いに行ったことがあるんです。そうしたらピンチの時になんとかしてくれる神様がついてるって言われて。実際本当にギリギリのところでポンって手助けが入ることがほとんどで。ただ、できればもうちょい早めに助けてほしいですけどね(笑)本当にもうヤバイかもって時にしか出て来てくれなくて(笑) でもそれがあるから、いつもなんとかなるだろうって思えています。

ミヌ:僕は逆で、「生まれつきの大変な人」です。

ウォンシク:え?どういうこと?

ミヌ:他の人ならそれ、すぐにやってみようって思えるようなことも、僕はちゃんと調べて準備してからじゃないと不安で。

柏原:慎重なんだな。心配性ってことだね。

ミヌ:あ、そう!心配性です。 今は少しよくなりましたけど「生まれつきの心配性」ですね。

グァンス:僕は「生まれつきの芸能人」(笑)

全員:お~!

百成:かっこいい!僕もそう言えるようにならなくちゃ!

グァンス:いや、自分でそう思ってたんじゃなくて、スタッフさんとかメンバーとか周りの人たちからすごく言われるんです。自分ではなんでなのかまったくわからなくて否定してたんですが。でも「もしかしてこういうところなのかも」って思った瞬間があって(笑) 僕、本番直前にすごく機嫌が悪くなるような大変なことがあったとしてもステージに一歩踏み出した瞬間、スイッチがパッと入って何もなかったようになっちゃうんです。もしかしてみんなが言うのはこういうところなのかなって思い始めて。あっ!スター…ではないですよ。ただの芸能人ね!(笑)

柏原:(※ウォンシクに)さぁ、たっぷり時間があったと思いますよ~(笑)

ウォンシク:時間はすごくあったんですけど~。う~ん、なんだろう(笑) あ!僕は「生まれつきのチャレンジャー」かな。新しいことをやるのが好きです。20代の時は新しいことをやるのがすごく怖かったんです。これ僕にできるかなぁって心配してしまって。でも30を超えてからは…

百成:えっ??30超えてるんですか??

ウォンシク:はい!たっぷり超えてます。

百成:なんでだ?おかしいよ、その外見。絶対20代でしょう。

ウォンシク:(笑) 30超えてからは、やればできると信じて、一旦やってみようって思って。

百成:絶対20代にしか見えないよ~。

ウォンシク:おいくつですか?

百成:僕28歳です。

ウォンシク:まだまだ頑張りましょ!

全員:(爆笑)

百成:えぅ、おいくつなんですか?

ウォンシク:僕35です。

百成:えええええええええっ!!!!!見えないよ~~。僕今回、みなさんを見て絶対最年少ではないなって思ってたのに、まさかの最年少?!

ミヌ:末っ子ですね~(笑)

百成:28で末っ子かぁ~~(笑)

柏原:未成年の話で?(笑)

 

◆この作品を通してどんなことを伝えたいですか?

柏原:まず「生と死」というメッセージが大前提にあった上で、未成年同士の若き友情が生まれる瞬間。カングは最初ヘギを嫌いだったけれど、だんだん気になって仕方がない存在になる。ヘギは心の中ではカングに憧れもあるし羨ましいって思っているのに、自分のその感情を未熟さゆえに素直に受け入れられず、なぜかムカついてしまう。そんな二人がバケットリストを1つずつやっていく中でかけがえのない親友に変化していく...。そういう部分が見どころなのかなって思っています。

ウォンシク:僕はこの台本を何度も読んだんですが、読み終わる度に自分の一番仲のいい友達とご飯に行きたいってすごく思ったんです。この作品を観たみなさんにも、「このあと親友とご飯を食べに行きたい」って感じてもらえるような作品になってほしいです。友達の存在の大切さを思い出してほしいです。

グァンス:まず僕は個人的にこの作品に癒されることがたくさんありました。観てくださる方たちにもそう感じてほしいです。それから、誰にでもある「自分だけの青春ストーリー」をこの二人を通じて思い出してほしいと思っています。青春って若い時期にだけあるのではなくて、歳を重ね大人になった今もずっと、自分だけの青春物語は続いているんだということを感じていただけたら嬉しいですし、そう感じてもらえるようにちゃんとお届けしたいと思います。

ミヌ:人生って限られているし大変なことがいっぱいあると思うんですが、その中でも自分がやりたいことをやって楽しく残りの人生を生きる、希望を持って生きるということをシンプルに伝えられたらいいなって思います。

百成:誰しも自分の中に闇の部分があって、どんなにポジティブな人でもネガティブになってしまう瞬間があると思うんです。感動的な物語が世の中には溢れているんですが、ただ感動だけで終わらせないというか、自分の心が堕ちた時にどう復活すればいいのか、みなさんそれぞれの希望の光をこの作品を通して再認識していただけたらと思います。


◆最後に観に来て下さる方たちにメッセージをお願いします。

ウォンシク:死ぬまでに自分にとって親友って呼べる人って何人いるかなって考えてみたんです。でもこの台本を読んで二人の関係性を見て思ったのは、僕のすべてを信じてくれる人がひとりだけでもいたのなら、それは成功した人生なんじゃないかなって。友達以外、家族とかもある意味自分にとって友達でもあると思うんです。みなさんにとって一番大切な人とちゃんと話す時間を作ってみようかなって思ってもらえる作品になればいいなと思います。軽い気持ちで観に来て、重い感情を持って帰ってください。

ミヌ:『マイ・バケットリスト』っていう作品を観て、「ああ楽しかった~」って思ってもらうだけでも嬉しいですが、自分自身の人生をもう一度振り返る機会になったらいいなと思います。この作品のメッセージをちゃんと伝えられるように僕たちみんなで頑張ってしっかり準備します。

百成:先ほども少し触れましたが、自分が堕ちた時に自分を引き上げてくれるものが何なのかを考えるきっかけになればいいなと思っています。堕ちた時、この舞台自体を思い出してっていうことではなく、「あの舞台を観た時に考えたことを試してみたらもしかしたら上がれるかも」って。堕ちきった時に何も見えなくなるのではなくて何かしらの光を自分で掴めるような何かを1つだけでも見つけてほしいと思います。

グァンス:『マイ・バケットリスト』は優しい気持ちが溢れていて、とても癒してくれる素敵な作品です。本番の時期は丁度春を迎えて暖かくなる時期ですが、みなさんの春をより暖かくしてくれる作品です。僕は顕さんがカングを演じてる公演も全部観たいって思っています。それぐらい何度も観たくなる素敵な作品なので、みなさん、春はなにかと忙しい季節だとは思いますが、ちょっと無理してでも是非劇場に足を運んでいただけたらと思います。よろしくお願いします。

柏原:今日の座談会では主にストーリーや役、二人の関係性について話しましたが、ミュージカルなので音楽面でもしっかり楽しめると思います。心に残るとてもいい曲もたくさんあって。その曲を楽しみながら、カングとヘギの関係性を通じて「生きるって何だろう?死ぬって何だろう?」っていうことを改めて考えてほしいと思います。未成年期の敏感なメンタルの中、カングは父親との諍いがあったりヘギが死んでしまったりで「何でこんなことばかり起きるんだ?俺の人生って一体何なんだ?」って思うんですが、そういう危ういことやハプニングや悲しい出来事が逆に人間を高めてくれる。この作品にはそういうメッセージもあると思っているので、劇場にお越しいただきそれを直で感じていただけたらと思っています。

 

出席者

【カング役】 グァンス(超新星)さん / 百成瑛(どうみきあきら)さん

【ヘギ役】 ウォンシク(TMC)さん / ミヌ(BOYFRIEND)さん   ※50音順

演出:柏原収史さん

モデレーター:大塚

 

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2025.03.12