メディアを横断して、推しているファン(=推しファン)が最も多いエンタメブランドはなにか。エンタテイメント業界に向けたデータ×デジタルマーケティングサービスを提供するGEM Partners株式会社(ジェムパートナーズ、所在地:東京都港区、代表取締役:梅津文)では、エンタメビジネスの最大化をサポートする商品「推しエンタメブランドスコープ」で毎月調査を実施しており、最新のエンタメブランド価値を計測することが可能です。今回、2024年8月の最新調査結果のハイライトをお伝えします。
【推しファン人数TOP10】
1位は『ONE PIECE』、最終回を迎えた『ヒロアカ』がTOP10入り
2024年8月の「推しファン人数TOP10」は、『ONE PIECE』が1位を獲得。ただし、推しファン人数は、前月の159万人から150万人と微減となりました。一方、前月1位の『鬼滅の刃』は前月234万人から135万人と約100万人減少し、3位にランクインしています。『ONE PIECE』は「支出金額」でも2位と上位に入り、結果として「推しファン人数」「支出金額」「接触日数」から算出されるエンタメブランドの経済価値を示した指標「推しエンタメブランド価値」では、前月に引き続き首位となりました。
そのほか、「推しファン人数」4位の『【推しの子】』は、テレビアニメ第2期が放送中ということもあり、前月と同じ順位ですが7月から10万人ほど増やしました。また、『僕のヒーローアカデミア』は9位にランクイン。8月5日発売の「週刊少年ジャンプ」に掲載された最終回に向けて盛り上がりを見せ、前月から12万人増の71万人を記録。2022年1月の調査開始から最大の推しファン人数となりました。
夏の4大音楽フェスに出演したボーイズグループの推しファンを分析
ファンによる音楽フェスへの支出意欲が最も高かったのは『ATEEZ』
例年7月から8月にかけて開催される、FUJI ROCK FESTIVAL、ROCK IN JAPAN FESTIVAL、SUMMER SONIC、RISING SUN ROCK FESTIVALの4大野外音楽フェス。音楽シーンの変化とともに、近年ではこうしたロックフェスティバルにアイドルグループが出演することが定番になってきています。
特に今年は、 ROCK IN JAPAN FESTIVAL、SUMMER SONICにおいて、ボーイズグループの出演が目立ちました。そこで、今回はボーイズグループに着目し、各グループの推しファンが出演する音楽フェスへの支出意欲について分析していきます。まず、今年のROCK IN JAPAN FESTIVAL、SUMMER SONICに出演した総勢12のボーイズグループについて、「推しファン人数」と「推しエンタメブランド価値」を比較します。
月当りの推しファン人数は、『Number_i』『WEST.』『BE:FIRST』の順に多く、次いで『JO1』『INI』『NCT※』の順に多いことが分かります。
※『NCT』に関して、実際にSUMMER SONICに出演したのは『NCT DREAM』で、推しエンタメブランドスコープでは「ブランド要素」単位の扱いになりますが、他グループとの分析単位を揃えるためエンタメブランドの『NCT』の指標を表示しています。
次に、「ライブ・コンサート・音楽フェス」について支出意欲のある推しファン人数の割合を、ボーイズグループごとに比較しました。なお、夏フェスが開催された8月調査回におけるデータを用いています。
『ATEEZ』は64.4%の推しファンが「コンサート・ライブ・音楽フェス」への支出意欲があり、『Number_i』は50.7%、『BE:FIRST』は49.8%の推しファンが、それぞれコンサートや音楽フェスへの支出意欲があると回答しています。
「音楽を” 聴きたい”だけでなく、” 会いたい”」のは『ATEEZ』『ENHYPEN』『Number_i』『WEST.』
次に、「コンサート・ライブ・音楽フェス」への支出意欲と他の指標を組み合わせることで、12グループについてそれぞれの特徴を見ていきたいと思います。「コンサート・ライブ・音楽フェス」には、音楽を“聴く”ということに加え、推しているボーイズグループに"会える"という2つの意味合い・価値があると考えられます。そこでダッシュボードの「発見する」シートで同じく8月のデータを用い、縦軸に「コンサート・ライブ・音楽フェス」への支出意欲、横軸に「音楽(CD・オンラインどちらでも)」メディアの接触割合を取り、散布図で表示しました。
右肩上がりの散布図になっていることから、「音楽(CD・オンラインどちらでも)」に接触している割合と、「コンサート・ライブ・音楽フェス」への支出意欲には一定程度の相関関係があると考えられます。先述した「コンサート・ライブ・音楽フェス」への支出意欲が最も高かった『ATEEZ』は、楽曲を通じて接触している推しファンの割合も最も高いことが分かります。また傾向線(赤い線)よりも上側に位置して赤枠で囲っている、『ATEEZ』『ENHYPEN』『Number_i』『WEST.』の4グループは、推しファンが音楽を通じて接する以上にコンサートや音楽フェスなどを通じて直接”会いたい”という意欲が高いグループだと推測されます。
このように「推しエンタメブランドスコープ」ではエンタメブランドへの推しファンの支出意欲についてカテゴリ別に見たり、その他の推しファンの特性を組み合わせたりすることでより深く分析することができます。詳細は「推しエンタメブランドスコープ」をご覧ください。