「コラム」韓国の結婚式はどのように行なわれるのか

こんなエピソードがある。スピード違反で検挙された人が、警察官から「今度結婚式を挙げるんだけど、出席してくれるなら大目に見てあげる」と言われたそうだ。見ず知らずの警察官がまさか……。信憑性はわからない。しかし、この話を聞いた韓国の人が思わず納得してしまうほど、韓国では「結婚式は出席者が多ければ多いほどいい」と考えられてきた。

食事はビュッフェ

時代は変わってきた。
それでも「たくさんの人に結婚式に来てもらうほど、結婚する2人は幸せになれる」という風潮は変わらない。
たとえば、韓国の結婚式で招待状を送る際には、仮に500人から出席するという返事をもらっても、実際には700人くらいが来ると読んで準備をする。出席の返事をしていなくても急に来たり、招待していないのに来たりするからだ。
また、招待を受けた人が、「今度の日曜日に予定がないなら、一緒に結婚式へ行こうよ」と気軽に友人を誘って結婚式に出席することもある。
日本の場合、結婚式・披露宴ともにホテル内の会場で行われることがよくあるが、韓国ではキリスト教が浸透していることもあり、教会で式を挙げる人が多い。また、礼式場(イェシッチャン)と呼ばれる結婚式専用の会場も多く利用されている。
韓国では結婚式が終わると披露宴会場に移り食事をするが、たいていビュッフェ形式の食事になる。


結婚式に来た人たちはご祝儀を渡すと、引きかえに食事券をもらい、披露宴会場に入っていく。
披露宴会場はたくさんの人に来てもらえるように、とてもオープンになっている……というか、あまりにオープンすぎるのだ。
座って食事をする人もいれば、立っている人もいる。時間が経つにつれて人の出入りが多くなり、誰でも会場に入れるようになってしまう。
中には新郎新婦とはまったく関係のない通りすがりの人が、ご祝儀も払わず食事だけして帰る場合もある。
それでも韓国の人たちに言わせると、「来客ができるだけ多いほうが幸せになれる」ということなのだ。
韓国の結婚式では来場者が300~500人が普通で、1000人近い場合もある。50人くらいの結婚式もある日本とは規模が異なっている。
他にも、韓国のご祝儀は意外にも相場が低かったり、引き出物がなかったり、服装もカジュアルなものでよかったり……など、日本とは結婚式に対する考え方や風習がずいぶんと違う。

文=「ロコレ」編集部

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2024.06.16