『キム秘書はいったい、なぜ?』の制作発表会が行なわれたとき、主役のパク・ソジュンが面白い話を披露していた。それは、彼が軍隊にいるときのエピソードだったのだが、どんな話だったのか。
申し分のない秘書
パク・ソジュンは、大学時代に休学して兵役で軍隊に行っている。
それ以前に、パク・ミニョンが出ていた『思いっきりハイキック!』を見ていて、それが好きなドラマだった。
すると、軍隊の宿舎で同じ部屋になった先輩が『思いっきりハイキック!』が大好きで、その再放送を見ていたという。
それにつられてパク・ソジュンも同ドラマを繰り返し見て、パク・ミニョンの場面を目に焼きつけていた。
当時からパク・ソジュンは俳優をめざしていたので、「いつかパク・ミニョンと共演したいなあ」という気持ちがあったそうだ。それが現実になったのが、『キム秘書はいったい、なぜ?』だった。
2人の相性の良さは、制作発表会でも監督が繰り返し語っていた。それは、ドラマを見ていればすぐにわかる。
このドラマは、完璧な男であるヨンジュン(パク・ソジュン)が、キム秘書(パク・ミニョン)が辞めると言った瞬間からガタガタと崩れていく姿を描いているのだが、ドラマが説得力を持っていたのは、キム秘書の有能ぶりがたっぷり描かれていたからだ。
とにかく、パク・ソジュンが演じるヨンジュンが完璧な男であれば、パク・ミニョンが演じているキム秘書はさらに申し分のない秘書だった。
仕事ができる男として描かれているヨンジュンが、常に自分の能力を最大限に発揮できるのはなぜか。
それは、そばで完全にフォローしているキム秘書がいればこそなのである。
しかも、パク・ミニョンが演じれば、美貌といい、頭の回転の速さといい、気配りといい、キム秘書がどれだけ優秀かがすぐにわかる。
実年齢で言えば、パク・ミニョンのほうが2歳上である。韓国ドラマの場合は、主役カップルの中で女優が年上というケースがとても多いのだが、このドラマに関しては、パク・ミニョンのほうが年上ということを感じさせない。
実際に、制作発表会でもパク・ソジュンはパク・ミニョンのことを「同年代だから」としきりに言っていた。
その言葉は、2人が同級生のように感覚が合っていたことをうかがわせた。
軍隊時代にパク・ミニョンとの共演を夢見たパク・ソジュン。その記憶が強いだけに、感激しながらヨンジュンを演じていたことだろう。それがわかると、『キム秘書はいったい、なぜ?』がさらに面白くなってくる。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ