済州島で生活する最高の人々!
このドラマは、済州島に暮らす人々の心温まるストーリーがたくさん詰まっている。
登場人物にはそれぞれ辛い過去や悲しい過去がある。
それでも今を一生懸命生きている。
海女と船長の恋物語では、海女のイ・ヨンオク(ハン・ジミン)の姉イ・ヨンヒを演じているチョン・ウネに感銘した。
実際にダウン症候群で画家であるチョン・ウネの演技は、もはや演技ではなく彼女そのものだった。
不思議な魅力がある彼女にくぎ付けになった。
そのヨンヒが、突然島を訪れた。彼女の登場に戸惑う人がいたが、屈託のないヨンヒを通して自然と笑顔が増えてくる。
そんな彼女が黙々と描いていたのはたくさんの似顔絵だった。
誰もが幸せそうなその似顔絵!
それを見たヨンオクは心から涙する。姉に対する思いが溢れてきたのだろう……。
もう1人、プルン村の五日市でコーヒーを売る仕事をしているビョリも聴覚障害がある。彼女は可愛くて優しい性格の女の子だ。
このビョリを演じるイ・ソビョルもまた、実際に聴覚障害がある。
ドラマの中でチョン・ウネとイ・ソビョルの存在が光っていた。
様々な人生が描かれているこのドラマに、2人が出演していること自体が感動だ!
そして、見逃してはならないのがトラック行商人のイ・ドンソク(イ・ビョンホン)と母カン・オクドン(キム・ヘジャ)の物語だ。
ドンソクはトラックに食料や日用品を積んで島を回る行商人だ。
母のオクドンは友達で海女のヒョン・チュニ(コ・ドゥシム)と一緒に市場で野菜などを売っている。
2人の間には他人にはわからない事情があるようだ。
ドンソクは母親なのにオクドンを「おばさん」と呼んでいる。
無口で感情をなくしたようなオクドンに荒々しい態度をとるドンソク。
だが、オクドンの命が短いことを知ったドンソクは、不器用な優しさでオクドンの行きたい場所にトラックに乗せて連れて行く。
2人だけの貴重な時間。
だんだんとドンソクのわだかまりが解けていく。
その辺りから涙腺が崩壊することは間違いない。
イ・ビョンホンのさすがの演技に涙が止まらない。
済州島で生活する人々みんなが主人公のこのドラマ、ぜひ最後まで見て欲しい。
綺麗な海と、愛情と人情に溢れた島の人々の物語は、この先もまだまだ続くだろう。
文=須坂のりこ
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