photo(C):Kwon jjeary
今年10月に1stシングル「WARRIOR」で華々しく日本デビューを果たした6人組K-POPアーティストB.A.P。11月19日の神戸を皮切りに、名古屋、東京の3都市6公演を回るアリーナツアー「1st Japan Tour:WARRIOR Begins」を展開してきた彼らが12月4日(水)と5日(木)東京・国立代々木第一体育館にて、ファイナル公演を開催した。
B.A.Pは「Best(最高の)Absolute(絶対的な)Perfect(完ぺきな)価値を追求する」という意味を持つグループで、2012年に韓国でデビュー。HIPHOPをベースにした力強いサウンドと、過激で挑発的な世界観のパフォーマンスを全面に押し出し、一気にスターダムにのし上がった。
日本でも今秋、1stシングル「WORRIOR」(10月9日発売)と2ndシングル「ONE SHOT」(11月13日発売)が立て続けにリリースされ、オリコンCDシングルランキングでトップ10入りを果たすなど、人気上昇中の注目グループだ。
日本でのコンサートは、今年5月、パシフィコ横浜国立大ホールにて開催され、計1万枚のチケットが即日完売した初来日公演以来。今回は日本でリリースされた2枚のシングルを引っ提げてのツアーとなり、総制作費30億6000万ウォン(約3億円)ともいわれる超大作級の壮大なステージを演出した。
ファナル公演の初日となる12月4日(水)、会場には緑色のマトキ(マスクをしたウサギのキャラクター)のペンライトやメンバーの名前が書かれたプラカードを持ったファンが詰め掛け、始まる前から彼らの登場を待ちわびるファンの熱気であふれかえっていた。
そんな中、重厚な音楽が鳴り響くと、ファンは一斉に立ち上がり、ペンライトを振りながら、B.A.Pの応援スタイルであるホッスルを勢いよく吹き始めた。オープニング曲「POWER」日本語バージョンが流れ、メンバーがメインステージ中央から黒の衣装でカッコよく登場すると、会場からは割れんばかりの歓声が沸き起こった。
1曲目から、B.A.Pの圧巻のパフォーマンスで、会場のテンションは一気にヒートアップ。ファンは曲に合わせて体を揺らし、声援を送ったりホイッスルを吹いたり、瞬く間にB.A.Pの世界観に陶酔。B.A.Pもファンの大声援を受け、のっけからハイテンションで飛ばしまくり、その勢いのまま「What The Hell」「Badman」を披露し、会場は大盛り上がりとなった。
メインステージの大型画面に雨が降る映像が映し出され、ヒムチャンのナレーションが流れると、会場は一転して、静けさに包まれた。ナレーションが終わると、酒瓶を持ってリーダーのバン・ヨングクが登場。自身が作詞・作曲に参加した「I Remenber」の世界観を表現するため、一人掛けのソファに座り、低音のラップを歌いながら、やさぐれたような表情を見せたり、何かを書き綴ったりと大人な魅力たっぷりの演技を披露。続いてデヒョンが登場し、サビを歌い終えると、公衆電話へ。電話をかけるが繋がらず、悲しそうな演技を披露した。その後、ZEROのラップがあり、デヒョンとヨンジェがビブラートを効かせて熱唱。ジョンオプ、ZEROがステキなソロダンスを披露し、最後にヒムチャンが登場。ヒムチャンの生のナレーションから、「RAIN SOUND」日本語バージョンへ。メインステージから伸びた花道の先端部分にある円形ステージに全員が揃い、客席との距離感が近くなると、ファンから一段と黄色い声が飛び交った。
曲が終わると、メンバーは「ウリ(僕たち)B.A.P! Yes sir!」と決めポーズであいさつ。ここからは全編日本語でのトークが始まり、ヒムチャンが「B.A.Pがいよいよ東京に来ました! 会場がでっかいですね。皆さん楽しんでますか?(客席の反応に)声が小さいよ」と言うと、デヒョンも「楽しんでますか?」とファンをあおり、会場を盛り上げた。
photo(C):Kwon jjeary
そして、メインステージに戻り、一人ずつ自己紹介した後、ヨンジェが「こんなに大きな会場で、最後のコンサートを皆さんと一緒にすることができて、感激です」と話し、デヒョンが「今回のライブのタイトルはWARRIOR Beginsですが、どういう意味ですか? ZEROさん」と振ると、「戦士たちが…、動き出すという意味です」とカタコトな感じで答えるZERO。これにはファンも大爆笑だった。
デヒョンが「横浜以来、また皆さんに会えてうれしいです!」と笑顔を見せ、「ツアーの最後、こんなに大きな会場で、皆さんと一緒に楽しめるのを(胸に手を当てて)ドキドキしながら待ってました」というヨンジェは「皆さんの熱い応援に倍返ししますから!」とドヤ顔(笑)。さらに、ヨンジェはジョンアプとZEROと3人で、「やられたら」「やり返す」「倍返しだ!」とドラマ『半沢直樹』の決めゼリフをマネし、ファンを楽しませた。
さらに、ZEROは韓国で流行っている“キヨミソング”を披露し、愛嬌たっぷりのキュートなポーズでファンのハートをわしづかみ。ヒムチャンが「(ZEROは)末っ子だから、何をしてもかわいいですね」とZEROの肌を触り、仲の良さを見せた。その後、何かにつけて「倍返しだ!」を連発するヨンジェもお茶目な一面を存分に発揮した。
次のステージでは、生バンドが登場した後、メンバーがステージ下からせり上がって現れ、ロック調にアレンジされた「Fight For Freedom」「COME」と続き、「PUNCH」日本語バージョンでは、ジョンアプとZEROが闘うようなアクションの演出も。続けて、ラップが印象的な「No Mercy」を披露。メインステージと円形ステージを行き来しながら、ファンとアイコンタクトを取りながら、楽しそうに歌い踊るメンバーたち。
ヨンジェの「盛り上がってますか?」という問い掛けに客席が「イェー!」と答えると、「僕も楽しんでますよ」とご機嫌なヒムチャン。そして、デヒョンが「花道で見たんですけど、かわいいファンが多いですね」と言うと、モニターに客席が映し出され、ヨンジェも「かわいいし、キレイだし、優しいし、完ぺきですね」とニッコリ。
中盤に入り、「0(ZERO)」「Excuse Me」を披露した後、DJマトキが登場し、クラブタイムへ。会場全体がクラブのようなノリとなり、ダンサーによるダンスタイムの後、クラブ風にアレンジされた「Hurricane」「Dancing In The Rain」「HAJIMA-ハジマ-」日本語バージョン、「CRUSH」と楽しい雰囲気が続き、会場もノリノリ。
ステージも終盤となり、メンバーが最後のMCへ。「暑い暑い。汗ビショビショだよ」というヒムチャンが客席に「僕のナレーションどうでしたか?」と聞き、ファンがよかったという反応を見せる中、すかさずヨンジェが「顔より声の方がカッコいいよ(笑)」と返し、「恥ずかしかったけど、皆さんのために頑張りました!」と照れるヒムチャンに、客席からは大きな拍手が起こった。
photo(C):Ogata Takao
最後に改めて、一人ずつファンにメッセージ。ヨンジェは「皆さんがいたから、B.A.Pがこのステージに立つことができました。心より感謝します。いつも言うことですけれど、これからも僕たちだけの思い出を作っていきましょう!」とファンに感謝し、ヒムチャンは「日本語はまだまだ難しいけど、心で繋がっているから、いつも一緒だよ!」と手でハートマークを作り、ジョンアプは「皆さんと出会えてうれしかったです。最高のコンサートをありがとうございました」と客席に手を振り、ZEROは「東京の思い出も忘れられません。今日は本当にありがとうございました」と感極まった様子を見せた。デヒョンは「皆さんと一緒にいられて幸せでした。これからの活動もたくさん応援お願いします」と頭を下げ、最後にパン・ヨングクが「B.A.Pの曲のメッセージを感じてください。最後まで本当にありがとうございました」とシャイな彼らしく、はにかんだ表情を見せ、ファンをキュンキュンさせた。
いよいよ最後のステージ。ヨンジェが「悲しいよ~」と名残惜しそうにしたが、最後にもう一度全員で「ウリB.A.P! Yes, sir!」と決めポーズを取り、ラストの曲は「ONE SHOT」日本語バージョン。ファンのホイッスルの音もぴったり揃い、最高の盛り上がりに。アンコールでは「WARRIOR」日本語バージョンを披露。ファンのホイッスルが一段と大きくなり、B.A.Pも最後までパワフルなパフォーマンスで魅せた。そして、最後にダンサーなどもステージに集まり、全員が横一列に並んで、「ありがとうございました!」と深々と頭を下げて、感謝の気持ちを示した。
曲が終わると、メンバーは本当にステージを去りたくないといった様子で、「寂しい~」というデヒョンが、アカペラで「Goodbye」を歌い始めると、ヨンジェも加わり、さらにファンも一緒に大合唱。会場が一体となって、ステージは幕を閉じた。
ステージから自分たちの姿が見えなくなるまで、ファンに笑顔で手を振り続けたB.A.P。ステージでは完成度の高い、パワフルなダンスパフォーマンスでカリスマ性を発揮する一方、トークではキュートで面白い一面を覗かせた彼らのギャップに魅了され、片時も目が離せない充実したステージだった。無限の可能性を見せた6人の若き戦士たちが、次はどんな姿を見せてくれるのか、ますます楽しみになった。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
SET LIST
1.POWER
2.What The Hell
3.Badman
4.I Remember
5.ウムソンメッセージ
6.RAIN SOUND
7.Fight For Freedom
8.COMA
9.PUNCH
10.No Mercy
11.0(ZERO)
12.Excuse Me
13.Hurricane
14.Dancing In The Rain
15.HAJIMA -ハジマ-
16.CRASH
17.ONE SHOT
EN1.WARRIOR
B.A.P Official Web Site http://bap-official.jp/