「コラム」韓国スタイル2/日常の習慣


韓国ドラマを見ていて、細かい行動に違和感を感じることがないだろうか。それは、日本と韓国ではやはり風習が明らかに違うからだ。似ているようで似ていない日本と韓国。どんなところに日本人が違和感を持つかを明らかにしてみよう。

「様」のオンパレード
韓国ドラマを吹き替え版で見ると、実に丁寧な敬語が話されていて、好感を持っている視聴者も多いことだろう。しかし、実際の言葉はもっと丁寧だ。韓国の敬語は吹き替え版をもってしても、こまかく表現できないのである。
とにかく、韓国では身内を呼ぶときにもていねいな敬語を使うのが当たり前だ。これは、職場の上司から1歳上の先輩まで多岐にわたる。
たとえば、韓国ドラマを見ていると「○○ニム」という発音をよく耳にするだろう。これは「○○様」という意味で、日常的に使われる「ヒョンニム」「ソンセンニム」「プモニム」は、それぞれ「兄様」「先生様」「両親様」となる。いわば、「様」のオンパレードである。
また、職場の電話などで相手からの応対をするとき、日本では上司であっても社内の人間を呼び捨てにするのが当たり前だが、韓国では違う。相手から上司に電話が掛かってきたときも、日本なら「○○はただ今席を外しています」と上司を呼び捨てにするが、韓国の場合では「○○部長様はただ今席を外していらっしゃいます」という敬語になる。


年下は年上を徹底的に敬うが、代わりに年上は年下の面倒を見なければならない。ご飯を食べに行くと、それが一番わかるはず。年上は立場上、おごらなければならない場合が多い。会社の上司になると、特にそうだ。
もともと韓国では、日本みたいに割り勘という風習があまりない。年上がいたら、その人が払うことが多いし、同い年なら先に誘ったほうが払う。ここをわきまえておかないと、韓国の人とはうまく付き合えない。
それから、韓国で誰かと待ち合わせをしたとき、気をつけなければならないことがある。それが「コリアンタイム」だ。
日本の人たちは時間を守ることを美徳としていて、「5分前行動」を心がける人が多いだろう。しかし、韓国人は逆であり、5分や10分の遅れは愛嬌だと考え、悠々と遅刻してくる。これを「コリアンタイム」という。さすがに大事な会議とかには遅刻しないが、遊びの約束などには遅刻してくることがよくある。
遅刻してくる彼らは、「車が混んでいて」とわかりきったことを言ってくるが、韓国人と付き合う以上は笑って流せる大らかな心を持てるようにしたい。いちいち怒っても仕方がないし、度量のせまい人と思われるのもしゃくだ。

韓国に旅行したときに驚くことの一つが、バスや電車の車内でかなり多くの乗客が携帯で通話をしている点だ。日本では一応、車内での通話はNGになっているが、韓国では事情が違う。いたるところで着信メロディーがうるさく鳴り響いている。
さすがに、自宅にいるような大きな声での通話はしないが、わりと携帯で長電話する人も多い。だからといって、バスや電車の中で通話する人に正義感で注意しようとするのは控えたほうがいい。郷に入れば郷に従え、である。
といっても、どこでも平気で携帯を使っているわけではないので、安心してほしい。映画館や劇場ではちゃんと電源を切っていて鑑賞の邪魔をしない。
ただ、韓国の映画館で驚くのは、最後のエンドロールが出たらみんなが一斉に映画館を出始めること。この点ではやはりせっかちだ。
それから、韓国では車内でお年寄りに席を譲るのが当たり前。この点では、日本とは本当に大違いである。年配者を見かけると、座っている若者はサッと席を譲る。その素早さはホレボレするほどだ。
年配者も慣れっこになっているので、わざわざ礼を言わない人も多い。「当然」という顔をして席を譲られている。そういうこともあって、韓国ではわりと年配者が堂々としすぎている。「車内の特権階級」とも言えるほどだ。

文=「ロコレ」編集部
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