※ネタバレになる内容が含まれています。
東方神起チャンミンが、初の時代劇だとは信じられられないほどに安定した演技を見せてくれた。
9日に放送されたMBC水木ドラマ「夜を歩く士」の第2話では、遊び人のように見えていたイ・ユン(チャンミン)の陰の姿が現われた。
イ・ユンは、チョ・ヤンソン(イ・ユビ)と初の出会いでは、みだらな身なりの芸者をモデルに枕絵を描いていた。初めてみるチョ・ヤンソンをけげんな目つきで眺めた彼は、幼な友達のソジンという子供がチョ・ヤンソンではないかという思いからじっと見つめながら過去の思い出に浸った様子を現わした。
世孫という身分には不似合いな逸脱だけを日常とするようなイ・ユンの別の姿が現われたのは、祖父であるヒュンジョ(イ・スンジェ)と対面した時だった。ヒョンジョは「私がお前の父を殺したと思うのか」と尋ねた。
すぐあとで公開されたイ・ユンの父の姿は悽惨だった。彼は牢獄に閉じ込められて廃人のように「助けてくれ」と叫び、幼いイ・ユンは祖父に父親を助けてほしいと哀願してただ泣くしかなかった。過去を思い浮かべたイ・ユンは、「むしろ私を廃位してください」と大胆な発言をしてヒョンンジョをもっと怒らせた。
第1話の放送で、わすか1分という短い登場だったチャンミンは、第2話では相当な分量をこなしながら、イ・ユンがどんな人物なのかを見せてくれた。時代劇が始めての俳優が大部分、ぎこちない発声と台詞の抑揚で苦労するが、チャンミンはあざやかな発音と安定した発声で劇に自然に解け込んで、時代劇が初めてだとは全く気づかせないほどだった。
憎らしいほどの白々しさと重みのある姿を行き交うイ・ユンの魅力も立派に描き出した。世孫でありながら芸者屋に出入りし、自ら枕絵を描くほどに王室の血統としては突然変異のような人物である。 チョ・ヤンソンとの出会いでは、皮肉ったような口ぶりと表情でそんなイ・ユンの一面をよく表現し、チョ・ヤンソンに、昔の幼馴染とおそろいの筆箱を見せるシーンでは、すぐさまおぼろげな表情を浮かべたりした。
ヒョンジョと向い合うシーンでは、イ・ユンの重々しさが際立った。父親を殺した祖父の前で大胆に「私の父に濡れ衣を着せたのは権力に目がくらんだ官僚たちとあなたです。そして120年前にもこれとまったく同じ事がありました」と言い切って王の気迫に全く押されなかった。 特に耳によく入って来るあざやかな発音が、ヒョンジョと対立するシーンで引き下がらないイ・ユンの姿をそのごとく表現し出すことができた。