5月3日(日)の神奈川を皮切りに、8都市を回る2度目のジャパンツアー「EPIK HIGH JAPAN TOUR 2015 ~Show must go on~」を展開してきた韓国のヒップホップレジェンド「EPIK HIGH」が5月24日(日)、東京・新木場STUDIO COASTにてファイナルを迎え、渾身のパフォーマンスで会場をぎっしり埋め尽くした約2500人のファンを熱狂させた。
ツアー最終日なだけに、開演前からただならぬ熱気に包まれていた会場。ライブの始まりにぴったりなオープニング曲「ENCORE」のイントロが聴こえた瞬間、観客もスイッチオン!
DJ TUKUTZ(ディージェートゥーカッツ)がDJブースに入り、「東京、こんばんは! いらっしゃいませ~。これから叫んで!」と呼び掛けた後、袖から動画を撮影しようと携帯カメラを客席に向けながらTABLO(タブロ)、MITHRA(ミスラ)が登場すると、観客は割れんばかりの大歓声で3人を迎え、一斉に手を振り上げ飛び跳ねる。
EPIK HIGHの3人も1曲目から手加減なしの全力疾走で、観客とのコール&レスポンスもバッチリ。早くもEPIK HIGHワールド炸裂で、観客のハートを一気に熱くつかんだ。
TABLOが「E.P.I.K」コールを先導し、ファンの声が一段と大きくなったところで、ライブ定番曲「FLY ft. AMIN J. (from SOULCIETY)」へとなだれこみ、会場中がジャンプ! フロア全体が大きく縦に揺れるほど、観客のボルテージが一気に上昇した。
自己紹介も個性的で、それぞれBGMを付けてアピール。TABLOから「本当にかわいい~」と褒められたDJ TUKUTZは「ありがとう」とはにかみ、末っ子のMITHRAはお兄さん2人から「太った」とつっこまれ、メンバー同士の絶妙な掛け合いも楽しい。そして、「私はハル(娘の名前)アッパ(パパ)」と名乗ったTABLOが、「今日の皆さんも遊び上手で、最高の盛り上がりを見せてくれると思います! ノルジャ(遊ぼう)!」と叫ぶと、メンバーたちはペットボトルを手にし、ライブ恒例の客席への水かけも本格的にスタート。
TABLOとMITHRAの圧巻の高速ラップや、DJ TUKUTZの多彩なDJパフォーマンスで魅せた3人は、「僕たちを知っている方も知らない方も楽しめるアルバムです」と4月29日にリリースされた初のベストアルバム「THE BEST OF EPIK HIGH ~SHOW MUST GO ON~」を紹介し、「一緒に夏の思い出を作りましょう」と8月15日と16日に開催される「SUMMER SONIC 2015」に出演することを告知。
そして、「今、暑すぎませんか? 僕たち飛ばし過ぎた気がする(笑)」というTABLOに、DJ TUKUTZが「では、少し涼しい歌を歌ってみましょうか」と提案し、「IT’S COLD ft.Lee HI 」を歌い始めた。ところが、MITHRAのラップパートのところで音楽をストップし、「ちょっと寒すぎる気がする」とTABLO。DJ TUKUTZが「すみません。僕の判断ミスでした」と謝り、「ちょっと寒くなっちゃったので、これでどうですか?」と今度は「UNBRELLA ft.YOUNHA 」を歌うも、またもやMITHRAのラップパートのところでストップ。「これは湿っぽすぎる」というTABLOの一言に会場は大爆笑となり、遊び心たっぷりの演出でファンを楽しませた。
後半戦は、豪華女性アーティストとのコラボで話題を集めた8thアルバム「SHOEBOX」のリード曲「HAPPEN ENDING ft.LEE HI[JAPANESE MIX] 」で幕明け。イ・ハイが歌う日本語の歌詞をファンが歌い、「HAPPEN ENDING♪」の部分は全員で大合唱。会場が一体感に包まれた。
ヒット曲「LOVE LOVE LOVE ft.YOONGJIN(from CASKER) 」でも、韓国語の歌詞ながら、女性パートの部分をファンが熱唱。愛嬌たっぷりにLOVEを振りまくTABLOと一緒に、ファンも手でLの字を作ってキュートなダンスを一緒に踊り、会場中がハッピーな雰囲気となった。
また、EPIK HIGHがアラジンのジーニ―になって、ファンの願い事を叶えるという「GENIE TIME」コーナーでは、メンバーたちが“神対応”を発揮! TABLOが「2階のお客さんの顔も見たい」と照明の調整をスタッフに頼み、会場全体を動画撮影しながら「すごい!」「ワオ」と驚きながら喜びを表現した後、MITHRAがボックスから願いが書かれた紙を引き、「キレキレダンスを踊ってください」というリクエストが。ところが、DJブースにダンスミュージックが用意されておらず、DJ TUKUTZが「すみません」と謝り、後回しに。
続いて、引いた紙には「ツアー中にメンバーに起きたハプニングを教えてください」と書かれていたが、MITHRAもDJ TUKUTZも「ないです」と答え、客席が「えーっ」とガッカリしていると、MITHRAが「今朝起きて、ご飯を食べました。牛丼が本当においしかったです!」と唐突に話し、笑いを誘った。
さらに、機転を利かせ、「東京公演中に必要な音楽があったんですけど、音楽がなくて、ステージ上で挫折しました(笑)。すみません」とどこまでも謙虚なDJ TUKUTZに、会場は大ウケ。TABLOも負けじと「これからツアー中の最高のハプニングを作りたいと思います!」と宣言し、MITHRAにステージを下りて、質問したファンにハグをするよう指示。言われる通りにハグをしたMITHRAは、TABLOから「東京公演でGENIE TIMEをしたんですが、MITHRAがステージの下に下りて、美人のファンにハグをしました」とイジられるハメに。それなのに、「確かに面白いハプニングでした。またステージに上がるのが大変で(笑)」とケロリと返す男前なMITHRAだった。
最後の願い事は、男性が当選。その男性を見るなり、「僕より背も高いし、カッコいいですね。願い事なんかあるんですか?」と紙をポイッと捨てて、いじけるTABLO(笑)。願い事は「一緒に写真を撮りたいです。水をいっぱいかけてください」というもので、またTABLOがMITHRAに指示し、ステージの下に降りたMITHRAはTABLOとDJ TUKUTZに水をかけられながら、男性ファンと写真撮影。ずぶ濡れ状態で、ステージへ颯爽と帰還し、大きな拍手が送られた。
そして、「確実に東京公演はハプニングがたくさんありましたね(笑)」とMITHRAが言うと、TABLOも「今回のツアー中、本当に面白いハプニングがありました。ステージで歌っていたんですが、MITHRAが水の中にダイビングをしました。とても楽しいツアーですね(笑)」と応戦し、「次はダンスタイム!」と後回しになっていた最初の願い事を実行。
BIGBANGの「FANTASTIC BABY」が響き渡ると、3人は歌いながら魅惑のダンスを踊り、中でもDJ TUKUTZのセクシーダンス、かわいいダンスに、ファンも大合唱&手拍子で応え、会場は再び一体となった。
その熱い雰囲気のまま、EPIK HIGHはノリノリで「UP ft.BOM(from 2NE1) 」「HIGH TECHNOLOGY」「ONE ft.JISUN 」などを披露。水をまき散らしながらファンをあおり、その水を浴びるファンも熱狂的な盛り上がりを見せた。
最後の曲となり、名残惜しそうにする3人。DJ TUKUTZは「最高に楽しかったです! 韓国の曲でライブをしましたが、音楽を通じて、皆さんと共感ができて、また楽しい思い出を作ることができて、本当に良かったと思います」と振り返り、MITHRAは「今年もツアーができて本当にうれしいです。いつも応援してくださるファンの皆さんのおかげだと思います」と感謝。TABLOは「きょうは本当に楽しかったです。戻ってきますので、また一緒に遊びましょう。今日は本当にありがとうございました!」と感慨深げにあいさつ。メンバー同士で「お疲れさまでした」と労い、ハグをする姿も見せ、最後までカッコよかった3人は、本編最後に自身の代表曲「FAN」を熱唱。サビで、おなじみのランニングダンスが飛び出すと、観客から一際大きな声援を浴びた。
ステージを去る前、まだまだファンサービスをしようとした3人は、TABLOの投げキスをDJ TUKUTZがバッターとなって客席に飛ばし、最後にMITHRAもTABLOの投げキスをボレーシュートしたが、その瞬間、床が水に濡れていたため、着地に失敗してコケたMITHRA。その巻き添えでTABLOもコケてしまい、2人でゲラゲラ笑いながらステージを後にするという、その光景に思わずファンの頬も緩んだ。
「E.P.I.K」コールを受け、アンコールにEPIK HIGHが再び登場すると、客席のファンが、「これで終わりではなく、これからも続いていく」という意味を込めたメッセージを伝えるため、一斉に「SHOW MUST GO ON & ON」というスローガンを掲げるサプライズ企画も。
感激した様子のメンバーたちは、「BORN HATER ft. B.I, BOBBY, MINHO(from WINNER)」を歌いながら、似顔絵やサインを描いたうちわ、タオルなどを客席に投げ入れ、「DON’T HATE ME」では、TABLOのいたずら心が再び発動。客席に水をまこうとタイミングを図っているMITHRAに後ろからこっそり水をかけようと、DJブースの辺りをうろついていたら、何かにつまずいて派手に転び、本人も大爆笑という、最後の最後まで目が離せないステージとなった。
後方席まで大きく手を振りながら、何度も「ありがとうございました!」とファンに精一杯の感謝を伝えた3人は、「みんなで一緒に写真を撮りたい」というTABLOの一言で、記念撮影も。ステージ上から客席をバックに撮影するのかと思いきや、3人ともしっかり客席に下りてファンと密着しながら写真を撮影。その辺のファン心をしっかり心得ているEPIK HIGH。その後のハイタッチ会まで、ファンを存分に楽しませ、ジャパンツアーは幕を閉じた。
ほぼ韓国語の曲ながら、一緒に韓国語で歌ったり、掛け声を入れたり、メンバーたち同様に汗だくでライブを楽しんでいるファンが多く、EPIK HIGHもまたステージ上では、カリスマ性あふれるパフォーマンスで、高揚感が続くライブを披露する反面、MCではキュートな一面を見せるなどライブを心から楽しんでいるようで、メンバーもファンも感無量の様子だった。
この後、5月28日から北米ツアー、7月31日から韓国で小劇場コンサートが控えており、8月には再び日本で「SUMMER SONIC 2015」に出演するなど、EPIK HIGHの熱いライブはまだまだ続く。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
■EPIK HIGH Official Website
http://ygex.jp/epikhigh/
【SUMMER SONIC 2015】
《出演日程、会場》
2015年8月15日(土):大阪府 舞州サマーソニック 特設会場
2015年8月16日(日):千葉県 QVCマリンフィールド&幕張メッセ 特設会場
◇出演ステージ、タイムテーブル、チケット情報などの詳細は、
SUMMER SONIC 2015 公式サイトへ→http://www.summersonic.com/2015/