東京・六本木のアミューズ・ミュージカルシアターにて11月13日(水)日本公演初日を迎えたミュージカル「あなたの初恋探します」は、初のお披露目を前にユナク、オ・サンウン、キム・ソンヒョンのキャスト3名が登場しプレスコールを開催した。
本作は、コン・ユ主演で話題となった韓国映画「あなたの初恋探します」のミュージカル版。2006年に正統派ミュージカルのメッカ、大学路(テハンノ)での初公演から5年間平均客席シェア83%を有し、観客満足度1位を記録した代表的な創作ミュージカルとして名高い作品。
そしてシーズン4の2011年2月~6月公演で超新星のリーダー、ユナクが参加し話題を集めながら、3人のキャストは観客を常に魅了し続けてきた熱演の舞台。
そうした背景に押されて、アミューズ・ミュージカルシアター第7弾公演として日本に上陸し、 寄せられる期待も大きい。
この日のプレスコールでは、“初恋を探してあげる男”ユナクと“初恋を忘れられない女”サンウンが偶然に出会うシーンで「Destiny-タクシー-」というアンサンブルを披露。サンウンが初恋の相手“キム・ジョンウク”を探してもらうため、初恋探しの会社にやってくるシーンでは「初恋探し株式会社」。そしてユナク(初恋を探してあげる男)がサンウンの前で初恋の思い出を語るシーンで「彼の初恋」をユナクが切なさを込めたソロで。と、3シーンをピックアップしての超ダイジェスト版で歌も披露して、期待感をさらに高めた。
引き続き取材会で質疑応答が行われ、ユナクはもちろん、オ・サンウンも日本語で回答しながら、それぞれが本作に臨む意気込みを熱く語ってくれた。
―初演を迎えるにあたって、今の気持ちは?
オ・サンウン(以下サンウン):(日本語で)初めまして。私はオ・サンウンと申します。どうぞよろしくお願いします。日本が初めてなので今すごく緊張しています。皆さんに会えることを楽しみにしていました(微笑)
ユナク:今日が日本での初めてのミュージカルなんですけどもすごく緊張もしているし、逆に楽しみにもしているし…ファンの反応も早く見たいな、聞きたいなとも思ってるし、とても複雑な気持ちです。でも今日さえ無事に終われば明日からもうまく行くと思うので、今日は緊張して集中して何とか成功できるように頑張ろうと思っています!よろしくお願いします。
キム・ソンヒョン(以下ソンヒョン):今日は日本で初めて公演できることになって期待もしてますし、ワクワクしています。また日本で公演できることを光栄に思っています。サンウンさんとユナクさんとこうして素晴らしい公演で出会ったので一緒に皆さんの期待にお応えできるようにしたいと思います。
―“初恋を忘れられない女”を演じるオ・サンウンさん。演じるにあたって苦労した点は?
サンウン:(日本語で)実際の私と似ている所がたくさんあります。性格もそうですけど、私は運命とか偶然を信じています。そんなところが似ています。そして、恋を信じないところがちょっと違うと思います(日本語が上手ですねと言われ、照れ笑い)。
―サンウンさんの初恋の相手“キム・ジョンウク”と“初恋を探してあげる男”の2役を演じ分けるにあたって意識した点は?
ユナク:“キム・ジョンウク”という人はすごくオシャレでタフで積極的な男性で、“初恋を探してあげる男”ユナクという男性は、ちょっとシャイであまりモテないし、どうやって女の子を口説けばいいのか分からないという人間なんですよ。だからお互いの差をちゃんとみなさんが知ってくれればいいなと思っているんですが…(字幕は出るが)韓国語で演じるのでみなさんにどこまで分かってもらえるかという心配がちょっとあります。でも多分それは、メガネを見れば分かります(笑)。メガネをかけたら“ユナク”、メガネを取ったら“キム・ジョンウク”なので。それだけはちゃんと知っておいて観ていただければ、二役をちゃんと分けて観られるんじゃないかなと思います。
―オ・サンウンさんとユナクさんの息の合った掛け合いが見どころですが、2人でアイデアを出したりした部分はありますか?
サンウン:(日本語で)ユナクさんはとっても忙しかったけど、練習を一生懸命頑張ってくれたので感謝しています。(笑)
ユナク:そうですね、ちょっと忙しかったんですけども(笑)サンウンさんもソンヒョンさんも韓国の大学路(テハンノ)で公演をされていたので、僕だけ頑張れば大丈夫かなと思っていました。お二人に「時間をください」としつこくお願いして3人で楽しく稽古してきたので、バッチリだと思います。
―キム・ソンヒョンさんは本作で性別・年齢・国籍を問わず23役を演じる“マルチマン”ですが、23役の中で難しい役などはありますか?
ソンヒョン:23種類の役を表現するということ自体がとても難しく、各人物に情緒を込めることも難しかったです。面白く演じるということよりも、それぞれのキャラクターが持っている気持ちや考え、情緒など心の表現をより意識して演じるということに重点をおいて努力をしました。でも悩んだ時には演出の方に助けていただきながら、役を作り上げることができました。
―役を切り替えるポイントは?
ソンヒョン:切り替わる時間に余裕があるものは、自分の中できちんと考えて心構えも新たに切り替えられるのですが、時間的にあまり余裕がない場合には、舞台に出て自分の姿を見てから「今はこの役だったんだ」と思うこともあります(笑)。
―一番見てほしい役はありますか?
ソンヒョン:23役全てに愛着があるので、どれか1つではなくて、どれも見ていただきたいです。私が大切に思う場面も注目してくださるとありがたいですが、サンウンさん、ユナクさんと3人でのアンサンブルにもぜひ注目していただきたいと思います。
―日本公演のために特に準備したことや韓国公演との違いはありますか?
ソンヒョン:日本の皆さんがどんな反応をしてくださるのか、とても気になっています。韓国と日本はもちろん近くて親しみのある国ですが、そのような中で国民性や情緒などの違いもあると思うので、重要な場面では、まだ拙い日本語ではありますが私も日本語のセリフに挑戦して、皆さんに伝わるようにしています。
サンウン:韓国の会場に比べて、この会場はとても大きいので少し大変です(笑)。大変ではありますが、このように大きな会場でみなさんにお会いできるので、とてもうれしいです。
ユナク:やっぱりマルチマン。ソンヒョンさんの日本語のアドリブも楽しみですし、僕とサンウンも負けずに研究してきたので(笑)。どうやったらみなさんを笑わせられるかを研究してきたので、それも見どころです。初恋は誰でも経験があることですよね。その初恋がテーマなので、最後までみなさんが見終えて家に戻る時に「観てよかったな」と思われる素晴らしい作品なので、それも見どころだと思います。
―日本をよく知っているユナクさんから2人に日本について何か紹介したいことなどありますか?またお二人はユナクさんに聞きたいことなどありますか?
ユナク:やっぱり食べ物だと思いま す(笑)。和食とか。「つるとんたん」(うどん店)とかも行ってみたいですね。僕が好きな食べ物を紹介したいと思いますし、時間があれば富士急ハイランドにも行ってみたいと思っています。日本って素晴らしい文化を持っているので、その文化をちゃんと紹介したいなと思っているんですよ。でも、ハロウィンとか花火とか全部時期が過ぎているんですけど(笑)。でも、食べ物とか富士急(ハイランド)とか、ディズニーとか、日本にある韓国にはない、そういうことを紹介したいなと思います。
サンウン:(日本語で)しばらくここにいるので、 早く一緒に遊びたいです。
ユナク:一緒に遊びたい?そうですね。休みの時に行きましょう、富士急!
サンウン:約束!
ユナク: 休みのときに3人で行きましょう。約束します!
ソンヒョン:稽古の時にはあまりゆっくり話せなかったので、ぜひ初恋の話など聞きたいですね(笑)。
ユナク:この前の記者会見の時に話したんですけど、僕は大学1年の時、3つ上の先輩が好きでした(笑)。
―この舞台ではアドリブが多いようですが、稽古中もアドリブをされましたか?また、公演できないような面白いアドリブ があったら披露してもらえますか?
ソンヒョン: 本当に即興ではなく、ある程度は3人で打ち合わせをしないとできないので、稽古場でいろんなアドリブを試してやっていまして、実際にみなさんにお見せできる健全なアドリブしか考えていないので、ぜひ実際に公演でご覧いただきたいと思います。
ユナク:心配なのはさっき(プレスコールで)もあったんですが「このブッサイクな木」とか言っているんですけど、お客さんが僕のことをブッサイクだと思われたら困るかなと思っているんです。それは心配ですね(笑)。
―最後に日本の観客のみなさんにメッセージを
ソンヒョン:今までのソウルの舞台とは違う環境、違う舞台で演じますが、とてもいい作品ですし、素敵な振り付けも素敵な曲も素敵なドラマもたくさん散りばめて、またこの3人の素敵なアンサンブルで頑張ってつとめたいと思いますので、皆さん期待していただいて、観にいらした方を後悔させないように頑張りたいと思いますので応援してください。
サンウン:(日本語で)頑張って準備しました。皆さんが舞台を見て、幸せになってほしいです。たくさん応援してください。
ユナク:本当にいい作品だし楽しい作品です。僕じゃなくて誰が演じても楽しいというくらい本当に素晴らしい作品なんですが…日本のみなさんが観てもいい作品だと思っていただけるという自信があります!ぜひ観に来てください。
心の奥深くに大切に鍵をかけてしまっておいた初恋の思い出。
この作品を通して、今一度そんな思い出を取り出してみるのはいかがなものか。
たとえば、小春日和に埃を払って陽にかざして見る。
そうすれば色あせたはずの思い出が、秋の夜長をちょっぴりセンチメンタルに演出してくれるかもしれない。三人三様の熱演に注目!
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
Kミュージカル「あなたの初恋探します」
上演:11月13日(水)~30日(土)
会場:アミューズ・ミュージカルシアター
公式サイト http://www.amuse-musical-theatre.jp/hatukoi/