「取材レポ」チョー・ヨンピル、ロックからバラードまで圧巻ステージ!“永遠のオッパ”は健在!

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63歳になった今もなお現役バリバリで、ファンから“永遠のオッパ(お兄さん)”と呼ばれるチョー・ヨンピルが11月7日(木)、東京・東京国際フォーラムホールAにて、15年ぶりとなる日本公演「CHO YONG-PIL“Hello Tour”in Tokyo」を開催。日本では“演歌”のイメージが強いが、ロックからバラードまで、年齢を感じさせないパワフルなステージを披露し、健在ぶりをアピールした。

今年4月、10年ぶりに韓国でリリースされた19枚目のアルバム「Hello」が韓国内で25万枚を超える大ヒットを記録。そのアルバムを引っさげて、5月からソウルを皮切りに韓国11都市を回る全国ツアーを展開しているチョー・ヨンピル。10月16日には「Hello」の日本盤がリリースされ、今回の日本公演も、韓国での全国ツアーの一環という位置づけで行われたため、韓国公演と同じように、同アルバムの収録曲や往年の名曲を織り交ぜた構成で、ファンにはたまらないコンサートとなった。

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会場には日本のファンだけでなく、韓国からやってきたファンの姿も目立ち、“オッパ、待ってたよ”と書かれたプラカードを掲げ、ワクワクした表情でチョー・ヨンピルの登場を今か今かと待つ中、定刻を少し回ったところで、会場が暗転。「Hello」のイントロに合わせ、真っ白なシャツに黒のパンツというスタイルのチョー・ヨンピルが、ステージ中央から移動式階段に乗って姿を見せた。高々と両手を掲げて現れた彼をファンは大歓声で迎えた。

 

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ファンとの久しぶりの再会をうれしそうに噛みしめ、興奮そのままに、「未知の世界」「おかっぱの髪」をハイトーンボイスで熱唱。最初からガンガン飛ばしたチョー・ヨンピルは「アンニョンハセヨ!こんばんは!会いたかったですね。お久しぶりです。もう15年、20年になりますね。でも、ぜんぜん変わらないですね。僕はどうですか?まだ若いでしょ?」とユーモアを交えながら、流暢な日本語であいさつ。「私の日本語大丈夫ですか? 韓国では日本語を使う機会がないので…。2人で日本語を話すときは、だいたいできるんだけど、舞台の上ではダメですね。でも、頑張ります」と笑顔を見せ、「今までずっと韓国でコンサートをやってきました。今年は10年ぶりに新しいアルバム『Hello』を出して、大ヒットしたんですけど(笑)。日本でも出ましたが、持っていますか? どんどん買ってください(笑)。今日は、“Hello Tour in TOKYO”、楽しく遊んでください!ダンスも踊るし、一緒にリズムに合わせて拍手してください。頑張ります!」と力強く宣言すると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。

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そして、「赤とんぼ」「あなたに会えたら」「僕はお前が好き」を続けて披露。歌声もさることながら、目を引いたのは舞台演出だ。今回のコンサートは、世界初となる3Dのような立体感のある舞台を演出する“ドットイメージ”という最先端の電飾システムを導入。曲に合わせて、さまざまな幾何学的なイメージが表現され、会場はドラマチックで神秘的な雰囲気に包まれた。

エレキギターのソロ演奏で、会場中にギターの音色を響かせたチョー・ヨンピルは、バラード「残された者の孤独」をしっとり歌い上げた後、ガラリと雰囲気を変え、「夢」「探せないケッコリ」「パンドラの箱」を軽快に歌い、客席を熱く盛り上げた。

 

バンドメンバーの紹介後、黒の衣装に着替えて登場したチョー・ヨンピル。「コンサートの前に楽屋にチンペイさん(谷村新司)が来てくれたんです。どこ?チンペイさん」と呼び掛けると、客席中央でコンサートを観覧していた谷村新司が立ち上がり、観客に一礼。会場がざわつく中、チョー・ヨンピルは「1982年だったと思いますけれど、アジアミュージックフォラームで初めて谷村さんに会いました。その縁がきっかけで『PAX MUSICA』に出演し、テーマソング『友よ』をチンペイさんと歌いました。すごく幸せでした」と30年来の親交がある谷村新司との思い出を語り、「友よ」を情感たっぷりに歌った。

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ここからは日本でもお馴染みの曲が続く。「想い出迷子」の後、「釜山港へ帰れ」が流れると、客席から大きな手拍子が巻き起こり、会場は一段と熱気を帯びた。チョー・ヨンピルは1番を日本語、2番を韓国語で熱唱。ファンも一緒に歌いながら、懐かしの名曲に酔いしれた。

続いて、19枚目のアルバム「Hello」の中から、俳優チョ・ハンソンが出演したMVの映像をバックに「歩きたい」を歌った後、軽快なメロディーが印象的な「ときめき」、そしてロックテイストあふれるアッパーチューン「BOUNCE」の日本語盤を初披露したチョー・ヨンピル。

歌い終えると、「バウンスでした。発音大丈夫でしたか?この歌は今年韓国で大ヒットしました。子どもたち、若者も大好きで、子どもたちの間ではこの歌を知らなければダメと言われるくらい人気で、誰でも歌える曲です」と紹介し、「今回のコンサートは日本のスタッフ、韓国のスタッフ、トータルで200人です。お疲れさま。感謝します。韓国からのファンもすごく来たでしょ? 記者も50人くらい来ました」とスタッフやファンへの気遣いも忘れないチョー・ヨンピルは「皆さん応援してください! よろしくお願いします。今年、音楽人になってから45年になりました。まだ大丈夫ですか? 若いですか?」と茶目っ気たっぷりに語った後、「昔の歌、1曲聞いてください」と「窓の外の女」を1番は韓国語、2番は日本語で切々と歌い上げた。

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「自尊心」「バラの明かりを灯して」で再び会場の雰囲気をノリノリにさせた後は、ナレーションで始まる名曲「キリマンジャロの豹」。曲の世界観を理解しやすいようにと日本語字幕が流れ、心に響くその歌声に会場はシーンと静まり返り、耳を澄まして聴き入っていた。

そして、再びノリのいいロック調の「モナリザ」で雰囲気を変えると、ファンが次々と立ち上がり、チョー・ヨンピルと一緒に踊ったり、ジャンプしたりと会場は一気にヒートアップ。熱気そのままに、ラストは「Hello」の日本語盤。同曲でラップを務めた2PMのテギョンの映像がバック画面に映し出され、チョー・ヨンピルとの絶妙なコラボがファンの目と耳を楽しませ、最高の盛り上がりでステージが締めくくられた。

アンコールで再びロックな雰囲気の白シャツに着替えて登場したチョー・ヨンピルは、観客総立ちの中、「あなた」「旅に出よう」を披露。こうして全23曲を最後までパワー全開で熱唱し、「どうもありがとう」と笑顔で手を振りながらステージを後にした。

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約2時間、新曲から懐かしいナンバーまで、惜しげもなくたっぷりと披露したチョー・ヨンピル。恋や人生の痛みを歌う曲では、胸にしみる懐かしさや孤独に震える感じを、楽しい曲では自然と踊りたくなるようなワクワク感を届け、喜怒哀楽を声一つで表現し、“KING OF K-POP”の名にふさわしい実力と貫録を見せつけた。こんなにカッコいいライブができる60代は、他に誰がいるのか?感動、感激

が止まらない余韻の残る至福の一夜となった。

 

 

取材:Korepo(KOREAREPORT INC)

 

photo:©Live Nation Japan/Creativeman

 

チョー・ヨンピル日本オフィシャルファンクラブ 

http://cho-yongpil.jp/

 

2013.11.09