“バラードの女王”の異名を持つ実力派女性シンガー、ペク・チヨン。9月25日に同時リリースされた日本2ndシングル「この愛、忘れないで」と、日本初のライブDVD「ペク・チヨン PREMIUM NIGHT 日本デビュー“シークレット・ガーデン”~その女~発売記念コンサート」の発売を記念し、10月29日東京・銀座の山野楽器本店7Fイベントスペース“JamSpot”を皮切りに、31日に渋谷、11月1日に大阪と3カ所にて購入者限定のスペシャルイベントを開催した。
ペク・チヨンは韓国で1999年、アルバム「Sorrow」でデビュー。2006年に「愛さない~サランアネ~」が大ヒットした後、「IRIS」「ファン・ジニ」「王女の男」「屋根部屋の皇太子」「アラン使道伝」「九家の書」など韓国人気ドラマのOST(オリジナルサウンドトラック)に数多く参加。バツグンの歌唱力、表現力で、圧倒的存在感を発揮し、特に切ない歌声で情感たっぷりに歌い上げるバラードは絶品。今やOSTには欠かせない存在であり、韓国歌謡界のトップの座に君臨する彼女は今年5月、ドラマと共に人気を博した「シークレット・ガーデン」の挿入歌「その女」で、待望の日本デビューを果たした。
プライベートでも、今年6月に俳優チョン・ソグォンと結婚し、公私共に充実しているペク・チヨン。
日本2ndシングルとなる「この愛、忘れないで」は大人気ドラマ「IRIS」の主題歌「イッチマラヨ」の日本語セルフカバー。韓国語バージョンに増して、もの悲しいメロディーラインが際立つ、より魅力的なアレンジに仕上がっている。また、DVD「ペク・チヨン PREMIUM NIGHT 日本デビュー“シークレット・ガーデン”~その女~発売記念コンサート」は今年5月、赤坂BLIZで行われた即日完売のコンサートの模様を完全収録。特典映像も含め、ファンにはたまらない充実した内容になっている。
今回のスペシャルイベントで、久しぶりにファンと触れ合い、熱い興奮に包まれながら、初日のイベントを終えたペク・チヨンに単独インタビューを行った。
-10月29日、銀座でスペシャルイベントが開催されましたが、日本のファンの反応はいかがでしたか?
韓国のファンはアクションも声も大きく、情熱的に応援してくれるんですが、日本のファンの皆さんは静かに、まなざしで語り合えるというか。アイコンタクトで通じ合えるような印象です。実は風邪を引いてしまって、コンディションが良くなかったんですが、ファンの方からすごく元気をもらいました。
-銀座のイベントでは、「どんなに心を込めて歌っても、相手に伝わらなければ意味がない」ということをおっしゃっていましたが、歌うときにどんなことを心がけていますか?
まず曲をもらったら、作曲家が意図したことは何なのか、ということをいろいろ考えますね。曲を練習するとき、歌う練習より、その曲が持っているドラマを細かくイメージして、どう表現すればいいのか、頭で考える練習、イメージ化する練習をかなりします。だから、そのイメージが自分の中でしっかりできたら、後は歌う練習をするんですが、相手にメッセージが届くかどうかは、天のみぞ知るところ。私は結果を待つだけです。でも、イメージがしっかりできている曲は、メッセージも伝わりやすいので、多くの方から愛される曲になりますね。
-もし、作曲家の意図と自分の考えが違った場合は、どうされるんですか?
日本ではまだ発売されていない曲なんですが「銃に撃たれたように」という曲がそうでした。銃というイメージがあまりにも強かったので、バラードとして、美しく愛らしくどう歌えばいいのか、すごく悩みました。だから最初は、作曲家に銃という言葉を外せないか、ということも言いました。でも、自分なりに考えて、銃という言葉を付き合っている彼氏からの冷たい視線だと意訳をしたんです。そうしたら、曲の世界をイメージできるようになり、伝わる曲になりました。
-ペク・チヨンさんといえば、これまで数々のOSTを歌い、ヒット曲も多数ありますが、ご自身で一番好きな曲を選ぶとしたら?
難しいですね~。でも、歌っていて、いいなと思うのは「イッチマラヨ/この愛、忘れないで」ですね。イベントや公演など、どんなステージでも、エンディングで「イッチマラヨ」を歌うと、会場が温かい感動で満たされた雰囲気になります。だから、歌い手として気に入っているのは「イッチマラヨ」。それと、「どんな曲を聴きたいですか?」と聞くと必ず出てくるのが「その女」と「銃に撃たれたように」。自分にとって意味深いのは「愛さない~サランアネ~」ですね。だから、好きな曲を1曲挙げるのは難しいですが、あえて選べというのなら、「イッチマラヨ」です。
-先ほど、風邪を引いたとおっしゃっていましたが、歌手として普段から心がけている体調管理などはありますか?
誰にとってもそうだと思いますが、一番重要なのは食べ物。そして、たえず運動すること。でも、私は子どものころから、風邪にだけは打ち勝つ能力がないんですよ(笑)。いつも、風邪が流行すると、すぐにもらってしまうので、年に2回くらいひどい風邪を引いてしまうんです。今回は、ちょうどそのタイミングで。先ほども言いましたが、体調が万全ではなく、すごく心配したんですが、ステージに上がって歌っている間、いいエネルギーをたくさんもらったようです。喉の状態が良くなかったので、歌のクオリティーが少し下がったと思いますが、ファンの方からたくさん元気をもらいました。
-食べ物に気を遣っているとのことですが、普段はどんな物を食べているんですか?
体質的に脂っこいもの、肉、甘いもの、炭酸は合わなくて、そういうものを食べると、コンディションが良くないんですよ。だから、体に良くないと思うものは、できるだけ避けます。炭酸、アイスクリーム、ピザ、ハンバーガー、そういうものはほとんど食べないし、おいしいとも思わないですね。だから、野菜、魚、ご飯を中心に食べていて、間食はほとんどしないです。それを苦に感じたことはなく、むしろいい習慣だと思っています。
-一般的に女性は甘いものが好きで、間食する人も多いですが。
そうですよね。でも、ソグォンさんがそういうものがすごく好きで、今まで自分の家にお菓子は置いていなかったんですが、ソグォンさんのために、たまにお菓子を買っておかなきゃいけない状況になりました。私は食べませんが(笑)。
-今日本でK-POPアイドルが活躍しています。先輩の立場から、後輩たちの活躍をどう見ていますか?
韓流を引っ張っている主役なので、とても素晴らしいと思うし、先輩としてありがたいとも思います。でも、さかのぼってみると、その前はシン・スンフン先輩、さらにその前は桂 銀淑(ケイウンスク)先輩など多くの方がしっかり土台を築いてくれたからこそ、今があるのだと思います。今、トレンドとして、アイドルが韓流を引っ張っていますが、次のバトンは自分が受け継いで私が盛り上げて、次にバトンを渡す人が先輩になるか後輩になるかは分かりませんが、そうやってバトンを引き継ぐことによって、K-POP市場が豊かになっていくと思います。グローバル時代だと言われていますが、文化的にも距離的にも近い存在の日本から韓流が始まったのは、自然な現象だと思います。日本のアーティストも韓国で活動してほしいし、そういう交流が自然になって、もっと市場が大きくなっていくといいなと思っています。
-今後の夢、目標を教えてください。
結婚して変わったことがあるとしたら、前向きな目標ができたということ。仕事は長く続けたいと思っていますが、家庭も仕事もうまくバランスをとってやっていきたいです。家庭がうまく回れば、人生そのものがうまく進み、より豊かな人生になると思っているので。
ステージ上では圧倒的なカリスマ性を放つペク・チヨンだが、インタビュー中はよく笑い、よく話し、気さくに素顔の部分をさらけ出せる、チャーミングで魅力的な女性、という印象を受けた。数多くの後輩から慕われているというのも納得。そして、歌にかける情熱、確固たる信念があるからこそ、歌声で多くの人の心を震わせ、感動させる吸引力があるのだということを改めて実感したインタビューとなった。
その後の写真撮影でも、シャッターを切るたびに全てポーズを変え、またポスターと同じポーズを取ってほしいというリクエストにも、「そんなの簡単ですよ」とすぐにポーズを取るプロらしい一面を発揮。奥深い魅力を持つペク・チヨンが、次はどんな曲で、琴線に触れる歌声を披露してくれるのか、楽しみでならない。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
■リリース情報
○New single「この愛、忘れないで」(9月25日発売)
初回限定盤(CD+DVD)¥1600(税込)TECI-319
1:この愛、忘れないで(日本語歌詞)
2:声(韓国語オリジナル歌詞)
3:この愛、忘れないで(オリジナルカラオケ)
4:声(インストゥルメンタル)
通常盤(CD)¥1200(税込)
1:この愛、忘れないで(日本語歌詞)
2:声(韓国語オリジナル歌詞)
3:イッチマラヨ(韓国語オリジナル歌詞)
4:この愛、忘れないで(オリジナルカラオケ)
5:声(インストゥルメンタル)
○DVD「ペク・チヨン PREMIUM NIGTHT 日本デビュー“シークレット・ガーデン”~その女~発売記念コンサート」(9月25日発売) ¥5000(税込) TEBI-50276
収録
1:ク ヨジャ
2:銃に撃たれたように
3:愛さない~サランアネ
4:唇を許して
5:GOOD BOY
6:時が経てば
7:嫌だ
8:私の耳にキャンディ
9:この愛、忘れないで(PREMIUM NIGTHT VERSION)
10:その女
*特典映像(来日時密着映像、フォトギャラリー、各曲解説他)
日本オフィシャルサイト
http://www.teichiku.co.jp/artist/baek-z-young/