今まで韓国ドラマで本当に嫌なキャラをたくさん見てきた。悪意がある登場人物をたくさん出してきて物語を意図的に騒がせていくスタイルのドラマが多かった。しかし、『二十五、二十一』は違った。出てくる人たちにこぞって好感を持てるのだ。
肯定的な捉え方
『二十五、二十一』を最後まで見てきて「嫌な奴だったなあ」と思えたのは2人だ。
ナ・ヒドたちが通っていた高校の暴力教師とフェンシング国家代表チームのコーチである。
その他では特にいなかった。
たった2人……。
これは、韓国ドラマでは珍しいことだ。というか、初めてだ……こんなにも登場人物たちを温かく見守れるドラマは。
良かったキャラを挙げたらキリがない。主要5人のキャラはもちろん、ユリムのオンマ、スンワンのオンマ、ペク・イジンのテレビ局の先輩、傷心のナ・ヒドを慰めた食堂のハラボジたち、高校フェンシング部のヤン・コーチ、フェンシング部の後輩イェジ……。
ペク・イジンを激しく責め立てた借金取りのアジョシすら後にいいキャラに変わっていった。
そうなのだ。『二十五、二十一』には善意の人たちがたくさん出てくる。そういうドラマは見ていて本当に気持ちがいい。
これは脚本家の力が大きい。人物の描き方に情があり、人間への肯定的な捉え方がある。それが、悪意がないストーリーに生きている。
だからこそ、見ている人たちが素直な気持ちになれる。要らぬ詮索をしなくて済む。最後まで信頼しきってドラマを見続けることができた。
こういうドラマが人生にあれば、それだけで幸せな気分になってくる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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パンマル(タメグチ)の快感!/とてつもない傑作物語『二十五、二十一』15