「インタビュー」チ・チャンウク、実際の僕は“ヒーラー”より“ボンス”です

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「こんにちは」とあいさつをしながらやって来た俳優チ・チャンウクの真ん丸な目と明るい笑顔、そして清清しい声。まさに“ボンス”そのものだった。昨年のドラマ「奇皇后―ふたつの愛 涙の誓い―」の際にインタビューした時より一層軽やかだった。

ひねくれた甘えん坊の皇帝タファンを見事に演じ、“チ・チャンウク”の名を大衆の胸に刻んだ彼は、再び自らの才能を存分に発揮した。スーパーマンやアイアンマンに劣らない英雄“ヒーラー”に変身し、多くの女性のハートをわしづかみにした。

韓国で2月に放送が終了したドラマ「ヒーラー」でチ・チャンウクは身分を隠したまま、夜に任務を遂行しながら生きていく“ヒーラー”、ソ・ジョンフを演じた。

ジョンフはヒーラーとして生活しながら、守りたいと思うようになった女性チェ・ヨンシン(パク・ミニョン)のそばにいるため、サムデイニュースのインターン記者“ボンス”に扮装する。

1人3役をこなしたチ・チャンウクのワンマンショーとも言えるほど、見事な演技力でヒーラーとジョンフ、そしてボンスを絶妙に表現した。チ・チャンウク自身の性格と似ているのは、ボンスだという。

「実際の僕はボンスに一番近いと思います。“ヒーラー”はまさにドラマの主人公という感じの人じゃないですか。一方、ボンスはその辺にいそうな人です。ボンスみたいに怖がりではないですけどね(笑)」

ヒーラーは夜に任務を遂行するという特殊な職業の特性上、アクションシーンが多かった。綱渡りは基本で、建物から建物へ飛び移るシーンも多かった。危険な撮影は代役が行うが、本人がやらなければいけないシーンも非常に多かった。チ・チャンウクは「本当にやらされるとは思わなかったです」とし、「ギャラの入金もされたから、ひとまずやらなきゃという気持ちで臨みました」と言って笑った。代役を務めた俳優に対する愛情表現も忘れなかった。

 

「何よりも大事に思っていたのは『安全』でした。ケガをするのを恐れるというよりは、僕が今ケガをしたら放送に支障が出るからです。みんなが気をつけていたし、何度も練習してケガがないように努力しました。でも代役をしてくれた俳優さんがケガをしてしまいました。とても若い人なんですが、とにかく骨を惜しまず頑張るんです。今すぐ死んでも構わないというような勢いだったので、見ている僕たちの方はとても不安でした。『適度にやってくれ』と言ってもダメみたいです。それが彼の自負心でもあるからです。本当に親しくなって、弟みたいです。でも仕事への情熱はすごいですね。」

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相手役の女優パク・ミニョンは、ある番組でチ・チャンウクのニックネームが「“チ”ナジャイザー」だったと明かしたことがある。

そのくらいチ・チャンウクはエナジーにあふれているというのだ。

これについてチ・チャンウクは「そんなふうに呼ばれるとは思いませんでした。現場の雰囲気を作るのは俳優の役目ではないでしょうか」とその理由を明かした。

「顔をしかめているよりは、ぱっと笑ってふざけたりしたほうが、僕にもいいし、現場スタッフにもいいと思います。またそういった雰囲気を作るのが俳優の役目ではないかと思っています。余裕があればふざけて遊ぶのですが、演技の時はスタッフが集中してくれて、本当にありがたかったです。」

月曜と火曜に放送されたドラマ「ヒーラー」は、同時間帯の視聴率1位を守りきれなかったが、意味のある内容と甘いラブストーリー、俳優の見事な演技とケミストリーが話題となった。

特にチ・チャンウクの新しい演技は、多くの女性ファンを量産するきっかけとなった。チ・チャンウクは少し残念だった視聴率にも「視聴率よりは、俳優の責任感」だと言い、自ら悟ったことがあると説明した。

「『ヒーラー』という作品のためというよりは、これまでの作品で先輩を見て感じたことは、俳優が持たなければならない責任感に対することでした。本当に大事なことです。もちろん作品がうまくいって多くの人から愛されれば、力にもなるし、もっといいものを作らなきゃという意欲もわいてきますが、ダメな時、スタッフは何を見て仕事をするだろうかと考えたら、僕は僕が任された役に責任を負わなければならないのではないかと思うようになりました。作品の成功・失敗を超えて、僕がこの現場にいる人たちに責任を負わなければならないと思っていたので、視聴率のことは考えないようになりました。」

 

「ヒーラー」と言えばやはりラブシーンだ。「ヒーラー」には韓国地上波放送のドラマでは異例とも言えるくらいにラブシーンが多かった。目を覆ってするキスから始まり、指を組み合わせる、抱擁するといったことまで、ラブシーンの地雷原ともいえるほどだった。チ・チャンウクもそれについて同意しながら「これほどまでたくさんラブシーンがあるなんて、想像もできませんでした」と述べた。

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「台本を見ても“キスをする”と書いてあれば『またか』と言いながらため息をついたりしました。ミニョンさんに『また抱きしめるんだって』なんて言ったりするほど、これまでの作品の中でラブシーンが一番多かったです。ミニョンさんも一番多いと言っていました(笑)。スキンシップやキスをするようなラブシーンがあると、友人たちが『よかったか?』とか聞いてくるんですよ(笑)そりゃ、いいですよ。だけどその前に俳優としてすごく敏感になって気をつけなければいけないシーンでもあるんです。簡単に言うと、実際に付き合っているわけではないのに、女優さんが嫌がらないだろうかと気を使います。指を組み合わせたほうが、よりキレイに見えると思うけど、手をつなぐのに指まで絡めたらおかしいと思われないだろうかとか、いろいろ考えてしまいます。」

初めて共演する時は敬称を使うほどぎこちない関係だが、ラブシーンのために会話をしながらパク・ミニョンと少しずつ親しくなっていった。ドラマを見ると本当の恋人だといっても信じられるくらいに親密な二人に、視聴者の反応は熱かった。

「ミニョンさんが『これはどう?』、『あれは?』という具合に話してくれて、アクションをちゃんと受け入れてくれたから、自由にできた気がします。その後からはラブシーンでも本当のように見えて、段々本物に近づいた絵になりました。それがすごくよかったです。『お似合いだ』とか『キレイに見える』と言われるたびに、うまくやったなと思えるくらいお互いに分かり合えたと思います。」

「ヒーラー」はチ・チャンウクにとって特別で大事な作品だ。チ・チャンウクは「煮詰まることが多かった」と回想しながら、脚本家の実力を賞賛した。

「今回の作品で、煮詰まることが多かったです。演技をしない時も、相手のセリフを聞いている時『クマ三びき』の歌があんなふうに悲しく情緒あふれるものになるのだろうかと思ったくらい、脚本家の先生の文章が本当にすごいと思いました。脚本家という人は、人の心を動かすことができる人なんだな、と思うようになり、不思議だと思いました。普通の作品は涙を流すシーンや、感情を強く出すシーンでは、感情を作るために頑張るのですが、今回は感情を作る必要がないだけでなく、涙をこらえるのが大変でNGが出たほどです。泣けないようにしてあるので、それが大変な作品でした。」

チ・チャンウクは「ヒーラー」について語りたいことがたくさんあった。ページの限界があるのが残念なくらいだ。相変わらずソ・ジョンフとヒーラーから抜け出せないチ・チャンウクは「これからもやってみたい役がたくさんある」と抱負を語った。今ノリにノッている俳優チ・チャンウクの未来が期待を生んだ。

「やりたいことがたくさんあります。だからこれから、こんな役をやってみたいというのはありません。選ぶことができないくらい多いんです。もちろん、僕にとって得になることもあるし、損になることもあるけど、そんなことを恐れずに挑戦するのが勇気だと思います。もちろん、ある役に挑戦しても僕に合わないこともあるだろうし、酷評されることもあるかもしれないけど、恐れずに逃げずにやってみたいです。」

WOW!korea提供

2015.05.02