『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』では、苦難を抱えた2人の主人公にどんどん感情移入してしまう。IUが演じるジアンとイ・ソンギュンが扮するドンフン。2人の人生からはたくさんのことが見えてくる。
名場面が目白押し
ジアンは、父が残した借金でどん底の生活に陥り、派遣社員をしながら身体が不自由な祖母の面倒を見ている。
一方、構造エンジニアのドンフンは社内で左遷させられて、仕事で行き詰っていた。
そんなドンフンがジアンと出会ってから不思議と生きる希望を見出していく。また、ジアンのほうもドンフンに惹かれながら、それまでの人生で味わったことがない優しさに触れていく。
こうして、2人はお互いに生きるきっかけを見出していく。
そういう意味では、少しずつ前向きになれるドラマなのだが、最初の第3話くらいまでは本当に内容が重苦しい。
そのせいか、序盤だけでこのドラマを見るのをやめてしまった、という人が意外と多い。その気持ちはわかる。やはり、あんなに重い展開だと見るのがつらくなってしまう人もいるはずだ。
このドラマを途中でやめてしまったら、本当にもったいない。逆に、見続けていると、どんどん気持ちが変わってくる。
とにかく、第4話くらいからグングン引き込まれていき、終盤になると、「これほどの傑作は滅多にない」と思えるようになってくる。
特に、名場面が目白押しなのだが、ドンフンが常務昇格面接でジアンを必死に弁護するシーンには感動した。彼が必死にジアンをかばうところは、人間の優しさと強さが同時に出ていた。
そして、圧巻なのは、全16話の中で第14話から第16話までの終盤だ。
脚本のスケールが大きくて、演出の創造性が豊かで、俳優の演技力が本当に素晴らしかった
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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