いま考えても、『キム秘書はいったい、なぜ?』の主役コンビは最高の組み合わせだった。なにしろ、パク・ソジュンは『梨泰院クラス』の大成功によって当代随一の人気俳優になったし、パク・ミニョンも最高の美貌を持つ女優と評価されていた。
彼女がやめる理由
キャラクターが奔放に駆け抜けていった。
それが演じる俳優の力量というものなのだ。
『キム秘書はいったい、なぜ?』でパク・ソジュンが演じるヨンジュンは、外国語が堪能で、仕事が抜群にできて、長身でハンサム。しかも、典型的なナルシスト。自分にしか興味がない。
そんなヨンジュンに秘書として9年間も仕えたのがキム・ミソ(パク・ミニョン)だ。彼女はとても有能なのだが、突然退職を願い出るところからドラマが始まっていく。
ヨンジュンは理由がわからない。なぜ、ミソが秘書を辞めたがるのか。
実は、ミソは父親から押しつけられた借金をすべて返し終わり、今度は自分の人生を自由に歩みたいと願ったのだ。
けれど、ナルシストのヨンジュンは9年間もそばにいたミソの気持ちに無頓着だった。あげくの果てには、自分のことをミソが愛しているのではないかと錯覚すらしてしまう。しかし、現実は逆。ミソは仕事でヨンジュンに忠実に仕えたが、私生活では彼がまったくタイプではなかった。
ヨンジュンは、ミソを手放すつもりが毛頭なかった。そして、究極的に彼が考えたのは、ミソにプロポーズすることだった。
こうして、物語は意外な方向に展開していく……。
この『キム秘書はいったい、なぜ?』では、有能な秘書の仕事ぶりが随所で見られる。それを演じたパク・ミニョンは、制作発表会でこう語っていた。
「ミソの役を演じるにあたって、しっかりとダイエットして秘書にふさわしい身のこなしを心掛けました」
まさに、その言葉のとおりであった。
これほどの秘書であればヨンジュンが「絶対にやめてほしくない!」と思うのも当然だ。
かくして、ヨンジュンは「迷える子羊」になってしまい、パク・ソジュンが実にユニークに演じてドラマを大いに盛り上げた。
構成=「ロコレ」編集部
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