王宮の中心に住んでいたのは、もちろん王族です。この人たちが王宮の主役でした。政治と行政を担当する高官たちは王宮の外に自分の屋敷を構えて王宮まで通ってきていましたし、実務を担当する下級の官吏たちも通常は王宮の外に住居をもっていました。
住人が150年で半減
王族以外で王宮に住みついていたのは、まずは王の側室です。
そして、女官と内侍(ネシ/宦官)でした。
この人たちは、王宮が生活のすべてであり、王宮の外に出ることはありませんでした。そういう意味では、王宮こそが全世界でした。
実際に王宮に住んだ人たちの数は時代によって違います。
18世紀前半の21代王・英祖(ヨンジョ)の治世時代にはおよそ1000人が王宮に住んでいましたが、19世紀後半の26代王・高宗(コジョン)の治世時代には480人が王宮の住人だったとされています。
およそ150年で王宮に住む人が半減しているわけです。
これは女官や内侍の数が減ったことを意味しており、それだけ財政状況がよくなかったのでしょう。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:チャレソ