「少女時代」と「2NE1」の同時カムバックで話題のK-POP界。音源公開とPV公開に続いて、3週間ほどの舞台活動がそろそろ始まる。
そこで、今回の舞台衣装も楽しみだ。この2つのトップ・グループの熾烈な競争だけではない。この先頭グループを追っている後発ガールズグループが、「セクシー大戦」ともいうべき現象を起こしているからだ。
年始め、後発の「Girl's Day」が従来の清純派路線を捨て、切れ目の深いタイトなロングドレス衣装で大ブレークしたかと思いきや、続く「RAINBOW BLAXX」や「AOA」、「Stellar」などのガールズグループは、さらにグレードアップした露出パフォーマンスで話題を集めた。
バンド系グループだった「AOA」に至っては、まさに「大変身」といえる変貌っぷり。
いわゆる「エロ・コンセプト」で、無名ガールズバンドからの一発逆転を果たしたのだ。
これを受けた「Stellar」も負けじとばかりに、前代未聞のレオダード・パンスト衣装で話題作りに成功。
「扇情性による青少年への悪影響」が問題視されながらも、「セクシー」や「エロ」というキーワードで、これまでに得られなかった人気と知名度を享受している。
そして、このキーワードを支えているのが彼女たちの「ステージ衣装」なのだ。
服飾業界において先進国の日本では、ドン・キホーテなどの量販店に行けば、安価な衣装が手軽に購入できるなどということもあって、後発アイドルたちはステージ衣装代にそれほどお金をかけていない。
しかしK-POP界では、無名であっても本格的にブレークを狙っている女性アイドルたちは「衣装コンセプト」にも相当な力を入れている状況。
過去には、韓国のアパレル卸業のメッカである「東大門市場」周辺で買い付けたり、ネットショップで仕入れたりするケースも多かったが、ガールズグループ競争の激化に伴って、今では自前の特注衣装を好む傾向があるようだ。
「Stellar」のレオダード衣装の場合も所属事務所のファッションディレクター・チーム4〜5人で製作した衣装だという。
事務所の関係者も、「楽曲のリズムと振付に合わせながらボディーラインをよりキレイに見せるためには、やはりオリジナルデザインしかない。」と明かしている。
また、「Girl's Day」のタイトなロングドレスの場合は、ステージ衣装の専門業者に依頼して製作した模様。担当ディレクターは、「彼女たちは体の線が非常に細いので、市販のものだとボディーラインを強調することができない。最後は衣装のクオリティーによってステージが完成されると思っているので、今年からは100%自前衣装にしている。」と説明。
「AOA」のファスナー付きミニスカ・パンスト衣装の場合も同じだ。担当スタイリストは、「市販のものよりも特注衣装のほうが細かい振付をリアルに演出できる。」と、自社製作のメリットを語った。
では、衣装の製作費用はどれくらいかかるのだろうか。
業界関係者によれば、新曲リリース前後のガールズグループの場合、3週間の衣装代だけで300万円近くかかるそうだ。スタイリストやデザイナーへの人件費を含めると500万円前後の費用がかかるという。
さらに、「2NE1」などの一流ガールズグループとなれば、海外の有名ブランドを購入することもあるので、費用はこの数倍にまで膨れ上がると言われている。他のグループの2倍ほどの大人数の「少女時代」の場合、なおさらだ。
「K-POPブーム」がアジアから南米地域にまで飛び火している中、韓国の音楽業界では、雨後の筍のようにアイドルグループが量産されてきた。
同時にファンの耳と目も肥えてきており、音楽だけでなくパフォーマンスの細かい振り付や衣装などに対するビジュアル的な要求も複雑化している。
SNSやブログなどの個人メディアやスマートデバイスの普及もあり、アイドルの一挙手一投足が時空を超えてファンに評価されているので、私服まで事務所に管理されるアイドルもいるほどだ。
これからも「見せる音楽」が主流になっていくと思われる韓国の音楽業界において、「ファンション感覚」や「美的センス」は、K-POPガールグループたちの生命線になりそうだ。