「むやみに切なく」vs「W」、防御と追撃の勝負

image (1)たったの1.6%の差の接戦だ。水木ドラマが活気を帯びている。もちろん「太陽の末裔」のように記録的な視聴率ではない。しかし、KBS 2TVの「むやみに切なく」とMBCの「W」がイシューの中心に立った。今のところ一歩先に出発した「むやみに切なく」が前を走っている状況。それでも絶対不変ではない。

 

キム・ウビンとmiss Aスジが主演する「むやみに切なく」とイ・ジョンソクとハン・ヒョジュが出演する「W」の対決には早々と業界の関心が傾いている。20代の代表青春スターであるキム・ウビンとイ・ジョンソクは、ある作品が縁で結んだ芸能界の仲良しでも有名だ。「W」は初放送で8.6%(ニールセンコリア、全国基準)の視聴率を記録し、12.9%の「むやみに切なく」とは非常に差があった。だが、2話の放送で9.5%まで上昇し、その差を1.6%まで縮めた。
「むやみに切なく」と「W」はそれぞれ違ったジャンルの魅力と俳優の熱演で引き立っている。視聴率防御と追撃が激しい2つの作品が、今後も視聴者をひきつけることができるか整理してみた。

 

# 「むやみに切なく」キム・ウビン&miss Aスジのロマンス
「むやみに切なく」の強みはイ・ギョンヒ作家特有の、もの悲しいロマンスとキム・ウビンとスジのコンビだ。本格的なロマンスが展開してドラマ「ごめん、愛してる」、「このろくでなしの愛」など人気を得た作品のように、イ・ギョンヒ作家特有のもの悲しいロマンスの感性が生々しい。事実、この暑い夏に、冬の背景で撮影された正統ロマンスは似合わないともいえるが、しっかりした筆力が視聴者たちをひきつけ、切ない感性が人気を呼んでいる。
やはり「むやみに切なく」が視聴率1位を維持するためにはロマンスの展開が最も重要な鍵となる。 余命宣告を受けたシン・ジュニョン(キム・ウビン)と、愛らしいノ・ウル(スジ)の愛がどれくらい切なく悲しく描かれるかが視聴ポイントになる。キム・ウビンとスジの熱演はもちろん、2人が醸し出す雰囲気が非常に魅力的だ。特にキム・ウビンが意外に純愛がよく似合う俳優だという反応が多い。
またシン・ジュニョンと父のチェ・ヒョンジュン(ユ・オソン)の関係がどのように明らかになるかも、視聴者たちの関心が集まる部分だ。余命宣告をうけたロマンスだという点が、視聴者たちの感性を刺激するに充分である。
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# 「W」ソン・ジェジョン作家のミステリー、そしてロマンス
「W」というウェブドラマと現実世界の出会いという独特の素材が印象的な作品だ。ドラマ「ナイン~9回の時間旅行~」でマニアファンを作ってシンドロームを起こしたソン・ジェジョン作家の奇抜な想像力が引き立って見える作品で、「W」が初回から視線を引き付けることができた理由もまさにこうした新鮮な設定のためだ。ファンタジーが加味された作品なのでウェブドラマの中の人物設定や、その中でおきる非現実的なことも、かえってその緊張感を楽しむことができる。
特にミステリーとホラー、サスペンス、ロマンスの結合が印象的だ。まずヒロイン、オ・ヨンジュ(ハン・ヒョジュ)がウェブドラマの中に吸い込まれていく過程、誰かがウェブドラマの主人公カンチョル(イ・ジョンソク)を殺そうとして、ウェブドラマ作家オ・ソンム(キム・ウィソン)でない他の人の手によって話が展開する。一つ一つ解かなければならない謎が潜んでいるので展開がおもしろい。
また現実人物オ・ヨンジュと、ウェブドラマの中のカンチョルが描き出すロマンスも正統ロマンスとはまた違った魅力があって面白い。イ・ジョンソクとハン・ヒョジュも、やはりウビン&スジカップルに劣らずお似合いだと言われ、期待されている。

2016.07.22