JYJのキム・ジュンス(XIA)が7月5日(火)横浜アリーナで「2016 XIA 5th ASIA TOUR CONCERT IN YOKOHAMA」初日公演を開催。名古屋、神戸とファンを熱くさせてきたジュンスが横浜でもファンを熱狂させた。
メインステージを360度取り囲むように埋め尽くした真っ赤なペンライト。ド派手な照明とレーザー光線が交差し、オープニング映像が映し出されていた写幕が落ちると、ひと際高くせり上がったステージにジュンスが姿を現した。地鳴りのような歓声が沸き起こる中、「F.L.P」、4thアルバム「XIGNATURE」の収録曲「BREAK MY HEART」へと続き、会場のボルテージはステージ序盤から一気に急上昇。
「『2016 XIA 5th ASIA TOUR CONCERT IN YOKOHAMA』へようこそ!皆さん会いたかったですか!」とあいさつ。割れんばかりの黄色い声を鎮めるようにファンを見渡しながら、「やっと、横浜まで来ました。何年ぶりですか?3年?このステージに立って皆さんにまた会いたかった」とうれしさを滲ませた。バックステージ側まで埋め尽くしたファンを見て裸でステージの上にいるみたいな気持ちだと照れながら、「今日もがんばって全力でいきますので、全力で応援してください」と力強く呼びかけた。
続いて「XITIZEN」、「Fantasy」と花道を通ってセンターステージへ。腰をくねらせるようなセクシーなダンスや、女性ダンサーのスカートをめくるようなお茶目な仕草でファンの視線を釘付けにし、軽快なパフォーマンスでさらに会場を盛り上げた。
また「忘れないで」、「この愛から離れてはいけません」「相変わらず」などのバラード曲では、白いトップスにジーンズというシンプルな衣装がよりいっそうファンの耳を彼の歌だけに集中させた。ハスキーで感性豊かなジュンスの歌声が伸びやかに横浜アリーナを満たし、ファンの心の奥深くにまで届いているかのようだった。
そうかと思えばトークでは、会場を笑いで震わせた。オフの日に東京観光をしたというジュンス。どこに行ったか尋ねるファンに「今からお答えする(笑)」と笑って応じた。マネージャーなど男性4人で東京ドームシティのジェットコースターに乗ろうとしたら、ジュンスのセキュリティスタッフがあまりに怖がりだったため、いざというとき自分を守ってくれるか不安だという話や、秋葉原や表参道を散策したエピソード、六本木でビリアードやダーツをした話など「東京ジュンスアドベンチャーストーリー」を面白おかしく披露して会場は爆笑の渦に。しかし何をしても面白くなかったというジュンスは、「何をするかの問題ではなく、誰とするかですよ(笑)」とオチをつけ、さらにファンを笑わせた。
横浜公演でも恒例の「ジニータイム」は行われた。七夕にちなんだウサギの物語を可愛く朗読したり、“XIAジュンスまつり”と書かれたファン手づくりのハッピを着て、“XIA参上”と書かれたハチマキを巻いた姿で歌を披露するなど、ファンの願いを叶えた。またジュンスがダンスの先生となって「MAGIC CARPET」の振り付けをファンにレクチャーすることになると、「右手を上げて、左手を下げて」と実践しながら熱心に指導するジュンス先生。しかしファンのダンスの出来を見て「思ったよりひどいな(笑)」とぼやく場面も。「この辺はいいんだけどその真ん中…!」と愛の叱咤激励を繰り返しながら、なんとかダンスが形になると、「あとで一緒に(踊って)作品をつくりましょう!」と温かい声をかけ、ジュンスもファンもたっぷりと「ジニータイム」を楽しんだ。
シャボン玉が舞う中「…IS YOU」ではファンも一緒に口ずさみ、「他の誰にも代わりができない君」では再びしっとりとその美声を響かせた。そしてド派手なブリッジ映像の後は、真っ赤なジャケットの裾を翻しながら「きれい」に合わせた華麗なステップを繰り広げ、「皆さん、踊りはOK?!」と声をかけると、アリーナ外周を周るトロッコに乗って「MAGIC CARPET」。バズーカー砲も飛び出してスタンド席のファンを喜ばせ、「ジニータイム」での振り付け練習の成果もバッチリ決まり、ジュンスにもファンにも笑顔が溢れた。
ヒートアップした会場へたたみかけるように「後ろも、1階も2階も3階も!Jump!Jump!」とジュンスが煽ると、ファンも思い切りジャンプで応じ、横浜アリーナはファンのエネルギーで大きく揺れた。「Incredible」、「TONIGHT」とさらに興奮のうねりは大きくなり、銀テープも飛び出すと、クライマックスに向けて加速していくステージは「Tarantallegra」、「ROCK THE WORLD」へと引き継がれ、熱狂のまま本編が終了。
「キム・ジュンス!キム・ジュンス!」と続くアンコールの後に、ファンのサプライズで青いペンライトに染まったステージに再びジュンスが登場すると「How Can I Love You」を優しく語りかけるように歌い上げた。
「皆さん、アンコールありがとうございます。僕の名前を叫んでくれたから、またステージに出ることができました」と伝え、昔と比べて「キム・ジュンス」と呼ぶ発音が上手になったとファンを褒めた。そして最後の曲しか残っていないと告げるジュンスに「えー!」との客席からは惜しむ声があがる中、「親父ギャグをやってほしい!」というファンの声と「たまご!たまご!」という熱いコールを受けて、「卵の黄身も好きだけど、君も好き〜!」とファンを指差しながら、渾身のギャグで会場を和ませた。
最後のトークでは一言一言、自分の言葉で想いを話そうとしたジュンス。彼の言葉を一つも聞き逃すまいとファンは静かにその言葉に耳を傾けた。
「毎回ステージに立っていますけど、こうしてステージに立つのもアルバムを発売するのも皆さんがいるから。いろいろなことに対してこんなふうに勇気をもらえるのも、皆さんがいるからこそだと思います」と伝えると、静かな会場に拍手が沸き起こった。アーティストとして日本でも韓国でも番組やプロモーション活動がなかなかできないこと、時間が過ぎれば人気は落ちるしかなくそれは当たり前なことだと思っていること、それでも毎年ステージを準備してきたのは、今までファンにもらった大きな愛だけでも十分なのに、それだけに期待していたらいけない、ファンを寂しい気持ちにさせたくないからだということを、ゆっくりと言葉を選んで語り始めた。
そして、「5年前は絶対にできないと思っていたステージが今できて、こうして皆さんと一緒ににいることが毎回奇跡だと思っています」とし、「自分のステージを毎回信じて来て頂いているファンのために自分ができるのは、いい歌とパフォーマンスをお見せすることしかない。皆さんの愛に比べたら全然足りないけど、全力でがんばります。今皆さんに言いたいのはありがたいと言うことと、時間が過ぎて、いつか小さな会場でしかできなくなっても、そのときも来てくれたお客さんがいれば、その時こそ何かしてあげたい。今もらっている愛に永遠に死ぬまで応えられるようにがんばりたい。普通の活動しかしていなかったらこれが当たり前だと思ってしまっていた。でも今はそうじゃないとわかる。本当にこれは奇跡です」とその想いを伝えた。「こういうの寂しい雰囲気になっちゃうから言いたくなかったんだけど、今日は言いたかった(笑)」と少しはにかんだジュンスに、包み込むような温かい拍手が送られた。
最後の曲は「FLOWER」。ありったけの想いを込めたようなジュンスの気迫の熱唱に、会場は大きな感動に包まれた。ステージに立つ喜びとファンへの感謝、葛藤の末に辿り着いたであろう信念をファンに率直な言葉で語り、全力のパフォーマンスを見せてくれたジュンス。
星は自ら光り、暗闇の中でこそ最高に輝く。
“スター”という言葉はジュンスのためにあるのかもしれない。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
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