「コラム」(後編)東方神起ユンホが熱演した「大韓民国 愛 コンサート2016」鑑賞ルポ

東方神起ユンホ6月22日にソウル市ヨイドのKBSホールで開かれた陸軍本部主催の「大韓民国 愛コンサート2016」。プログラムが進み、特別公演の一つとしてユンホのソロステージもあった。披露されたのは、東方神起の曲の中から『WHY?』と『MIROTIC』の2曲だ。

 

今回のコンサートのパンフレットとチケット

今回のコンサートのパンフレットとチケット

思い入れの強い2曲を披露

『WHY?』は、2人になった東方神起の新しい歴史のスタートの曲として、きっとユンホにもファンにも思い入れのある曲だと思う。
そして、『MIROTIC』は、元々は5人で活動していた時に大ヒットした曲だ。
つまり、初めは5人で、その後はチャンミンと2人で表していた世界観を、ユンホがたった1人で表現しなければならない。
曲もダンスも非常に難易度の高い曲だと思う。
どちらもいろんな意味でソロで披露するにはハードルが高そうな曲であるが、ユンホが、ファンが喜び、ファンではない方々に東方神起の存在感を感じてもらい、さらに衣装に合うイメージも含めて選曲したとしたら、様々に限られた条件の中でぴったりの選曲だと思う。
薄暗がりの中にユンホとダンサー4人が位置についた。
ユンホが開いた右手を挙げて、小指から順にこぶしを握って下ろすのが合図のようにイントロが流れると、同時にざわつきが大きな絶叫に変わった。

 

ユンホの進化が止まらない

前の席の初老の女性が驚いて周りを見回していた。
もう完全にユンホの単独コンサートのようになった。興奮した熱いものがあちこちから噴き出して、熱気があっという間に会場全体を包んだ。
ユンホは現役の軍人なので、当然髪は短い。
芸能人ならなんとなく長めにしたりする人もいるのだが、ユンホはこの日も清々しいほど短い坊主頭だ。
曲に合わせた衣装も大げさなメイクもヘアメイクも特別な舞台装置も何もない。そのままのユンホがいるだけだ。
しかし、なんの装飾もないからこそ、ユンホの情熱やステージに懸ける真剣さがストレートに客席に伝わってくる。
ブルムリ神起や先ほどのような群舞では決して自分だけが目立つのではなく、他のメンバーも引き立つように全体の調和を俯瞰的に見ているのだろうと思うのだが、ソロではほとばしるような何かを身体中から「これでもか!」と発散させる。
ユンホが入隊してからソロステージをしたのは、昨年11月3日の龍仁(ヨンイン)市、今年6月15日の群山(クンサン)市の軍の行事に招待された時、そして今回が3度目である。
すべてのステージを見て思ったのは、ユンホの進化は止まらないということだ。龍仁の衝撃は一生忘れないと思うが、いつも期待を超えたものを見せてくれる。
東方神起ユンホ
ユンホの真摯な姿勢は不変

チョン・ユンホという一介の将兵としてもそうだ。人間だからいつも万端ではないのだからたまには手を抜いてもいいのに、ユンホは最善を尽くすことしかできないのかもしれない。そのほうが気持ちが楽なのかもしれない。
こうしてコンサートはエンディングを迎えた。
韓国の伝統的で華やかな舞踊や曲芸が繰り広げられていると、そこにユンホたちも登場した。
先ほどとは違ってにこやかでリラックスした感じ。何やら可愛らしい振りのダンスもして、クルリと後ろを向きながらお尻のポケットに仕込んだ2本の太極旗を抜いてこそこそ開いたりして、ソロの時とのギャップがまた楽しかった。
終わると記念撮影が始まるまで、ユンホは左手に旗を持ち右手はギュッとこぶしを握ったままで、前を向いてほとんど不動でMCが終わるのを待っていた。
記念撮影中にスタッフだろうか、誰かがユンホの隣に来て一緒に写真を撮っていた。韓国はこの記念撮影の時間が結構自由なようで、何かしらハプニングがあったりして微笑ましい。
こうしてコンサートは無事に幕を閉じた。
今回だけでなく、ユンホが出る軍のイベントには毎回海外からも多くのファンが駆けつける。みんな、日常の様々なしがらみも何とか解決してやってくる。ユンホのステージはそれだけの価値があるということだ。
ドームでも野外の小さな会場でも、ファンが多くても少なくても、ユンホの真摯な姿勢は変わらない。いつも、「来てよかった!」と思わせてくれる。「頼りがいのあるかっこいいモンスター」に確実に進化中だ。

 

文・写真=M.Takahata
写真=K.Aoki B.Park

提供:ロコレ
http://syukakusha.com/

2016.06.30