前回は、「ひらがな1つで発音する漢字は、ハングルの読みもほとんど日本語と同じ」という性質を利用した「ひらがな1つの法則」を勉強しました。今回は、その応用編となります。
ひらがなで「か」と発音される漢字をチェック!
次に挙げる漢字を見てください。
可 加 家 仮 歌 価 佳 稼 苛
すべて日本語で「か」と読む漢字ですが、これだけの数があってもハングルで表記すると下記のようにたった1つの字です。
가(カ)
この字は、「ㄱ」という子音と「ㅏ」という母音が組んだもので、日本語とまったく同じように「カ」と発音されます。
ハングルでは、「歌」や「稼」のように画数が多い漢字もシンプルな表記になります。
「가」を使った漢字2文字
ハングル(漢字) 日本語読み ハングル読み
가구(家具) → か・ぐ カ・グ
가산(加算) → か・さん カ・サン
가시(可視) → か・し カ・シ
가운(家運) → か・うん カ・ウン
가치(価値) → か・ち カ・チ
가탁(仮託) → か・たく カ・タク
これも、読み方が日本語とハングルで同じです。なお、「가치」の「치」や「가탁」の「탁」には、第2章で説明した激音が入っていますが、激音は語中(音が語頭ではないという意味)になっても濁音とならず清音のままです。そういう決まりがあります。
ひらがなで「こ」と読む漢字はハングル
これまでは、「き」と「か」と読む漢字を見てきましたが、今度は「こ」と読む漢字を列挙してみましょう。
古 固 庫 鼓 孤 故 枯 雇 顧
やや難しい漢字も含まれていますが、これらの漢字に該当するハングルを紹介します。
고
このハングルは「ㄱ」という子音と「ㅗ」という母音が上下に結合したハングルで「コ」と読みますが、上記の9つの漢字がすべてハングルでは「고」だけで表記できます。
「고」を使う漢字2文字
ハングル(漢字) 日本語読み ハングル読み
고독(孤独) → こ・どく コ・ドク
고군(孤軍) → こ・ぐん コ・グン
고막(鼓膜) → こ・まく コ・マク
고도(古都) → こ・と コ・ド
고분(古墳) → こ・ふん コ・ブン
고로(古老) → こ・ろう コ・ロ
こちらも日本語とハングルでほとんど同じです。違うのは、ハングルの濁音化によって、「コ・ト」が「コ・ド」、「コ・フン」が「コ・ブン」になっている点です。日本語でも、「小川」のように、本来なら「おかわ」と読むものが濁音化によって「おがわ」になったりしますが、ハングルはその傾向がとても顕著です。
次回も引き続き、まだまだある「ひらがな1つの法則」をご紹介します。
(文=康熙奉 カン ヒボン)
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