
CMが流れると「スキップ」を真っ先に押していた時代が変わろうとしている。商品説明は後ろに隠し、キャスト、ストーリー、ポスターまで揃えた「ドラマ型CM」が相次いで登場しているからだ。今や広告業界の競争は、製品をどれだけ多く見せるかではなく、「CMであるという事実をどれだけ遅く気づかせるか」に移りつつある。
代表的な事例がナショナル ジオグラフィック アパレルだ。俳優のコ・ユンジョンとホ・ナムジュンを起用した『あなたに出会った季節』は、タイトルからロマンス作品を連想させる。2人の関係性を追うストーリーに感性的な映像美を重ね、製品は物語の中に自然に溶け込ませた。実際にこのコンテンツはYouTubeで再生回数200万回を超え、大きな注目を集めた。
ハンサム(HANDSOME)は一歩先を行く。5話構成のオフィスウェブドラマ「たまたま女性が多い会社」を制作し、ブランドや製品名を前面に出さなかった。登場人物たちが服を着て出社し、会話する過程で製品が自然と露出するスタイルだ。「この服どこで買ったの?」という好奇心が先に湧く仕掛けだ。
ファッション業界に限った話ではない。CJ第一制糖はピョン・ヨハンとチャ・ジュヨンを起用したロマンチックコメディ形式の『ユクス(出汁)カップル』を披露し、iloomもビョン・ウソクらを起用してショートドラマのように楽しめるストーリー型CMを発表した。食品から家具まで、CMが一つのコンテンツへと変化している。
かつては人気ドラマの中に製品を落とし込む間接広告(PPL)が一般的だった。今は逆だ。ブランドが俳優をキャストし、ストーリーを組んで自らドラマを作る。製品を無理に押し込むのではなく、面白いコンテンツを先に見せることで、消費者が自発的に製品を検索するよう誘導する手法だ。
広告業界でもこうした変化を一つのトレンドと捉えている。業界関係者は「CMをより多くの大衆に露出させるため、コンテンツ化戦略が主流になりつつある」とし、「製品を前面に出すより自然に溶け込ませる手法の方が、ブランドイメージを高め、消費者の興味を惹きつけるのに効果的だ」と述べた。
このような変化は、CMに対する消費者の態度とも結びついている。ショート動画やコンテンツがあふれる中、露骨な商品説明はむしろ敬遠されやすい。最初の数秒で惹きつけられなければすぐにスワイプされてしまうため、CMにも「見せる力」が求められるようになった。
エンターテインメント業界でもドラマ型CMを好意的に受け止める雰囲気がある。特定ブランドのイメージが俳優に強くつきすぎると、次のCMや作品選びの負担になりかねないが、ストーリー型コンテンツならモデルのイメージ消費を抑えられるからだ。
エンタメ業界関係者は「俳優側にとっても、こうしたCMは単なるPR物というより一つの作品・コンテンツとして受け止められる」とし、「ブランドは自然に製品をアピールでき、俳優はイメージの消耗を抑えつつ新しいキャラクターを見せられるため、双方にとってメリットがある」と語った。
WOW!Korea提供






