人気グループSUPER JUNIORのリョウクがコツコツと積み上げた演技力を披露している。
リョウクは最近開幕した演劇「真夜中に犬に起こった奇妙な事件」で15才の自閉症の少年、クリストファー役でステージに立っている。劇中のクリストファーは、隣りの犬の死を目撃し、犬を殺した犯人を探すために直接調査を始めて世間に初めて足を踏み出す人物だ。
「真夜中に犬に起こった奇妙な事件」はリョウクの初めての演劇出演作だ。今までリョウクは「オオカミの誘惑」、「ハイスクール・ミュージカル」、「女神様が見ている」、「アガサ」等ミュージカルステージで実力を発揮してきた。歌が主となるミュージカルはアイドル出身のリョウクの負担を減らしてくれた。歌唱力に対する自信はリョウクの強固な支援軍であり、彼のチャレンジに大きな力となった。
特に「女神様が見ている」の場合、リョウクは3演と4演のステージに上がった。これはリョウクの努力を見せる代表的な例だ。彼は劇中のリュ・スンホというキャラクターの虜になって作品に参加し、立派にキャラクターを解釈して多くの観客をステージに呼び入れた。またリョウクは一度の公演に満足しないで、再びステージに上がり、自身が構築したリュ・スンホのキャラクターをより一層しっかりと仕上げた。
ミュージカルのステージに続きリョウクは演劇のステージに関心を持った。演劇はミュージカルと違って、また別の危険要素を抱いていたが、リョウクには全く関係なかった。彼は演技力試験台になるようなステージでも自分ならではの方法でコツコツとキャラクターを構築していった。「100%クリストファーを実現することはできないが、近付こうと努力している」という彼の話のように、リョウクの努力はステージの上でそっくりあらわれた。
歌がない状態でものさびしく伝えられるリョウクの演技は期待以上の感動を与えてくれた。先入観を払い落とすほどステージの上のリョウクは誰より一生懸命で、心からクリストファーを描き出した。汗を流しながら膨大なセリフを覚えるのはもちろんのこと、ステージをを縦横無尽しながら相手の俳優と息を合わせる姿は、まちがいなく俳優であった。
一糸もまとわない演技はリョウクの価値を再評価させた。自閉症児の演技に対する心配も吹き飛ばしてリョウクは劇中のキャラクターに溶け込んだ。障害を持つ子供でない、私たちと違った視線で世の中を眺める15才の少年クリストファーが観客に話しかけていた。
リョウクはステージに強かった。他の演技ドル(演技をするアイドル)とリョウクが違うところはこの点だ。ブラウン管やスクリーンと違ってステージは観客と呼応しながら演技をしなければならない。リアルタイムで演技のフィードバックをすることができる。一瞬も緊張のひもを緩めることができない。瞬発力も必要とする。そんなステージで積んだ演技力はリョウクを一層成長させた。
もちろん現在に満足しないで絶えず挑戦するチャレンジ精神で、今のSUPER JUNIORのリョウクと俳優リョウクという2兎を得ることができたのだ。「真夜中に犬に起こった奇妙な事件」の公演が終わる瞬間、俳優として一段階さらに成長したリョウクの姿が期待できるだろう。
演劇「真夜中に犬に起こった奇妙な事件」は来年1月31日までソウル江南区(カンナムグ)光臨アートセンターBBCHホールで公演される。