
韓国トップクラスの財界人や芸能人が、ひそかに集まる住宅がある。
「19世帯のみ」「一フロア丸ごと購入」――。
そんな言葉が現実になる住まいが、ソウル・イテウォンに存在する。
南山の麓、グランドハイアット・ソウルを隣に望む高台に建つ「アッパーハウス南山」。
ここは、わずか19世帯のみが暮らす“超高級住宅(ハイエンド住宅)”だ。ハイエンド住宅とは、都心の一等地に位置し、強固なセキュリティやプライバシー設計、ホテル並みのサービスなどを備えた、超富裕層向けの最高級住宅を指す。
分譲は早々に完売したものの、本格的な入居が始まったのは竣工から約1年後。
現在はチョン・モンジュン(韓国の財界人・現代グループ創業家)、ホ・ヨンイン(SPCグループ会長)、俳優ハ・ジョンウ、歌手PSYなど各界のトップが居住している。

「漢江ビューはもう古い」南山を抱く唯一の価値
この住宅の最大の特徴は、いわゆる“漢江ビュー”ではない点にある。
南山ソウォルギル(南山の南側を横切る景観の良い散策路)に位置し、イテウォンの夜景や南山公園を一望できる希少なロケーションだ。
さらにこの一帯は開発制限が厳しく、大規模な新規供給がほぼ不可能とされるエリア。
不動産業界では「圧倒的な希少性」が最大の価値とされている。
実際、南山は古くから“財の気が集まる場所”とされ、1960年代には軍関係者、1970年代には財閥層が居を構えてきた歴史を持つ。

“見せる家”ではなく“隠れる家”
同じハイエンド住宅でも、「エテルノチョンダム」や「PH129」のような“見せるラグジュアリー”とは対照的だ。
ここに住む人々は、
・外部露出を避けたい
・漢江ビューよりプライバシーを重視
・静かに暮らしたい
といった志向が強いとされる。
大使館が近く、徒歩でのアクセスも容易ではない立地。
その不便さすら「外部から遮断された安心感」として機能している。
一フロア買いも当たり前…“桁違いの所有”
PSYは同じフロアの2戸を購入し、一フロアを丸ごと使用。
SPCグループのホ・ヨンイン会長も2フロアを所有し、チョン・モンジュンも複数戸を保有している。
1戸150億〜200億ウォン(約1500万〜2000万円)クラスの住宅を“複数所有”する世界。
ここでは1戸では足りないという感覚すら珍しくない。
「明かりがつかない家」その理由
入居初期、この住宅は“明かりがつかない団地”とも言われた。
しかしそれは空室ではない。
理由は、内装工事のスケールにあった。
・2戸をつなげてフルリノベーション
・間取りを大幅に変更
・家具は海外から取り寄せ(8〜10か月)
もはや“住むための準備”自体が長期プロジェクトなのだ。
関係者によれば「初期設計のまま住んでいる世帯はほぼない」という。
“誰にも知られずに暮らす”ための設計
この住宅の本質はラグジュアリーではなく“徹底した非公開性”にある。
・世帯ごとに動線を分離
・エレベーターも分離
・コミュニティ施設も利用時間を分ける
フィットネスやプールなど設備は充実しているが、住民同士の交流はほとんどないという。
まさに「同じ場所にいながら、会わない設計」だ。
価格は上昇も…本質は“資産”ではない
現在は150億〜200億ウォン台の売り物件が出始めている。
初期分譲(約80億〜130億ウォン)と比べると、価格は50%以上上昇した。
ただし業界では、
「投資価値よりも希少性と象徴性」
を重視する住宅と見られている。
つまりここは、利益を狙う場所ではない。
“限られた人間だけが知る場所に住む”
その価値そのものが、この住宅の本質なのだ。
WOW!Korea提供









