毎週月曜日から金曜日まで放送されているテレビ東京の韓流プレミア。いよいよ9月1日から『赤い袖先』がスタートする。イ・ジュノとイ・セヨンが主役を演じる珠玉の時代劇の放送は本当に嬉しい。
女官の立場がわかる
『赤い袖先』は王宮で奉職する女官たちの人生が克明に描かれていた。今まで、韓国時代劇では女官が数限りなく登場しているが、『赤い袖先』ほど彼女たちのリアルな生き方が描写されたドラマは記憶にない。
そういう意味で、このドラマは「国王と宮女の禁じられた情愛」を題材にしていると同時に、イ・セヨンが演じたソン・ドギムを中心にして、王宮が成立するための必須人物である女官に優しい視点を注いでいた。
当時(1760~1783年ごろ)、王宮には約700人の女官が奉職していたと推定されている。本当に多い数だ。
彼女たちは原則的には「国王と結婚した女性」と見なされていた。それゆえ、他の男性との恋愛は厳禁であり、もし妊娠する事態になれば、「国王に対して不貞を犯した大罪」を問われて処刑が免れなかった。
そこまで厳しく自分を律して王宮で働きながら、病気になったり高齢になったりすると、なんの保障もなく王宮を出されてしまう。
そういう「哀しい境遇」というものを女官たちは抱えていた。
そのあたりを『赤い袖先』はストーリーの中に巧みに取り組んで、重厚な歴史ドラマを作っていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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