入隊するスターがいれば、除隊してくるスターもいる。多くのファンは「Kポップのスターたちも除隊すると兵役は終わり」と考えてしまいがちだ。しかし、除隊しても兵役は終わらない。毎年かならず予備軍の訓練を受けているのだ。それは、どんな訓練なのだろうか。
動員訓練は4年間受ける
まず、予備軍とは、どういうものなのだろうか。
予備軍は、戦時のときに兵士として戦線に入っていく人たちのことだ。平時には社会で一般人として活動するが、籍そのものは軍に残っていて、以後も予備軍として戦時に備えているのだ。
そのためにも、入隊時に身につけた軍事技術を維持しなければならない。
たとえば、射撃の腕がなまってしまってはいけないのだ。
そこで、除隊後も定期的に訓練を受ける必要がある。
その最初が動員訓練である。
具体的に説明していこう。
除隊してから4年間受けるのが動員訓練だ。
対象者は1年間に28時間ずつの訓練を受ける。普通は、2泊3日の合宿形式で行なわれることが多い。
このときは、射撃の訓練を反復したりする。
4年間の動員訓練が終わると、今度は2年間の郷防訓練に移る。ここでは、1年間に20時間ずつの訓練を行なっていく。
先述した6年間の訓練をこなしても、まだ兵役は終わりではない。
最後に民防衛訓練が待っている。
この民防衛訓練は40歳になるまで受けなければならない。
その中身は、1年目から4年目までは年間4時間の訓練を実施する。
民防衛訓練の場合、5年目以降は年間1時間の訓練に変わる。
この民防衛訓練の目的は、召集したときにすぐ部隊に集まれるかどうか、をチェックすることに主眼が置かれている。
訓練自体は体力を要するものではない。
しかし、予備軍に拘束されているという意識は重い。
そうした中で、40歳になると兵役は完全に終了する。
なお、予備軍の訓練は、韓国各地にある専用の訓練所で行なわれる。
一旦は除隊したスターも、スケジュールを調整して定期的に訓練所に出向いている。それが40歳まで続くのである。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ