「コラム」王宮を訪ねてみよう6「宗廟」

とにかく正殿(チョンジョン)の建物は長い

宗廟(チョンミョ)は正確に言うと王宮ではありません。しかし、ある意味では王宮以上に重要な場所でした。なぜなら、ここには朝鮮王朝の歴代の王と王妃の位牌が丁重に祀られているからなのです。

 

世界最長級の木造建築物
宗廟の歴史は古く、朝鮮王朝の創設直後、正宮の景福宮(キョンボックン)とほぼ同時に建てられており、この施設は王族の威厳を内外に示すだけではなく、国の平穏を願って自然を尊ぶという意味を持っていました。そのために、宗廟は森に囲まれた静寂な場所につくられたのです。
祀られている王と王妃の位牌は、正殿(チョンジョン)と永寧殿(ヨンニョンジョン)に分けて保管されています。この2つの建物は、位牌が増えるたびに増築を繰り返したために、非常に横長になっているのです。正殿に至っては全長が101メートルもあり、単一の木造建築物としては世界最長級と言われています。
歴史的に言うと、ここで行なわれた「宗廟祭祀」は王朝最高の祭祀であり、王が自ら儀式を仕切りました。
その祭祀は全国民が模範にすべきものであったので、常に厳格な格式をもって行なわれたのです。


その伝統は今も残されていて、毎年5月の第1日曜日に実施されます。
かつては毎年5回も定期的に行なわれたのですが、さすがに現代においては簡素化せざるをえませんでした。
それでも、昔の王と王妃の祭祀が今も続けられているのは世界でとても珍しいことです。こうした文化行事を保護する目的もあって、宗廟はユネスコの世界文化遺産にも登録されました。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

 

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コラム提供:韓流テスギ

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2023.04.19