7月6日(水)、「カンウォンドのチカラ」「オー!スジョン」
作家主義 ホン・サンス DVD-BOXが発売となる。
6月24日(金)には「イントロダクション」「あなたの顔の前に」の2作が劇場公開される名匠ホン・サンス。映画という芸術の最先端を走り続けるホン・サンスの初期名作「カンウォンドのチカラ」(98)と「オー!スジョン」(00)がDVD-BOXになって蘇える。
60年代にジャン=リュック・ゴダールが、80年代にヴィム・ヴェンダースが、90年代にウォン・カーウァイがいたように、00年代以降の映画はホン・サンスによって更新され続けている。96年のデビュー作「豚が井戸に落ちた日」以来、韓国のみならず、有名映画祭を中心に世界中を驚かせてきた彼は、「反復」と「差異」に特徴付けられる独自の映画話法を使ってストーリーテリングの呪縛から軽やかに逃れ、人間という哀しくも愛おしい生き物の素顔を、乾いたユーモアを交えて描き続けてきた。その作品は、年を追うごとに深みを増し、ベルリン国際映画祭で「逃げた女」で監督賞、「イントロダクション」で脚本賞を受賞している。
そんなホン・サンス監督の初期名作である「カンウォンドのチカラ」(98)と「オー!スジョン」(00)は、韓国映画の新しい時代を創造した革新的な作品であると同時に、「ホン・サンスがいつホン・サンスとなったのか」が刻印された貴重な2本だ。
作家主義 ホン・サンス DVD-BOX
DISC1
「カンウォンドのチカラ」
監督・脚本:ホン・サンス
出演:オ・ユノン/ペク・チョンハク
韓国 1998年/109分
原題 강원도의 힘 The Power of Kangwon Province
©MIRACIN ENTERTAINMENT CO.LTD
友人たちと共に、自然豊かな江原道(カンウォンド)へと遊びにきた大学生イ・ジスク(オ・ユノン)。親切な警察官と知り合った彼女は、しばらくした後、再び彼に会うため、江原道を訪ねる。一方、教え子であるジスクと別れたばかりの大学講師チョ・サングォン(ペク・チョンハク)も、後輩に誘われて江原道へとやってくる。ホン・サンス監督の長篇第2作で、そのスタイルの原点。同じ時に同じ場所を訪れていながらまったく出会うことのない元恋人同士が経験する、似ているようで微妙に違う出来事と心の変化を2部形式でディテール豊かに見せる。主演は共に本作で映画デビューを果たした「秘蜜」(04)のオ・ユノンと「私の頭の中の消しゴム」(04)のペク・チョンハク。
DISC2
「オー!スジョン」
監督・脚本:ホン・サンス
出演:イ・ウンジュ/チョン・ボソク/ムン・ソングン
韓国 2000年/126分
原題 오!수정 Virgin Stripped Bare by Her Bachelors
©MIRACIN ENTERTAINMENT CO.LTD
ホテルの部屋で恋人ヤン・スジョン(イ・ウンジュ)を待っているキム・ジェフン(チョン・ボソク)。画廊を経営する彼は、テレビ番組のディレクターのクォン・ヨンス(ムン・ソングン)と一緒に展覧会を訪れた構成作家のスジョンと出会い、恋に落ちたのだった。一方、ジェフンからの電話を自宅で受けたスジョンも、2人のこれまでを振り返っていた。
ホン・サンス監督の長篇第3作。男女それぞれの記憶をもとに出会いからセックスへと至るまでの心情と行動が美しいモノクロ映像で描かれていく。男性から見たスジョンと、自分の記憶の中のスジョンを演じ分けたのは「ブラザーフッド」(04)のイ・ウンジュ。「妻の恋人に会う」(07)のチョン・ボソク、「夜の浜辺でひとり」(17)のムン・ソングン共演。
ホン・サンス
1961年10月25日、ソウル生まれ。96年に「豚が井戸に落ちた日」で長篇デビュー。「カンウォンドのチカラ」(98)と「オー!スジョン」(00)はカンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された。絶え間ない創作活動と、作品ごとに見せる新たな試みを続ける、世界でも稀有な監督として知られ、新作のワールド・プレミア上映は常に主要国際映画祭で行われている。「正しい日 間違えた日」(15)がロカルノ国際映画祭金豹賞(グランプリ)、主演男優賞(チョン・ジェヨン)を受賞。「夜の浜辺でひとり」(17)、「逃げた女」(20)、「イントロダクション」(21)はいずれもベルリン国際映画祭で銀熊賞(主演女優賞/キム・ミニ、監督賞、脚本賞)に選ばれている。
「カンウォンドのチカラ」「オー!スジョン」
作家主義 ホン・サンス DVD-BOX
DVD2枚組(2ディスク収納トールケース)
発売:7月6日(水)
定価:6,600円(税込)
発売・販売元:A PEOPLE
販売代理:オデッサ・エンタテイメント
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