予告動画公開!イ・ミンギ主演、男たちの生き様を描いた韓国アクションノワール『皇帝のために』6月20日(土)公開

『皇帝のために』B2poster(小)
男たちの熾烈な生き様を描いた最新韓国アクションノワールが登場!!
野球選手としての将来を嘱望されていたファン(イ・ミンギ)は、野球賭博に絡んだスキャンダルに巻き込まれ、球界を追放されてしまう。そんなファンに興味を持った釜山最大規模の暴力団組織“皇帝キャピタル”代表のサンハ(パク・ソンウン)は、彼の凶暴さを不安視する部下たちの制止を振り払い、ファンを組織の一員に招き入れる。金が全ての世界で、野心に溢れるファンは、やがて頭角を現していくが――。
昨年亡くなった高倉健や菅原文太が一時代を築いた“任侠映画”に通じるものがあると評され、熱き男たちのドラマが繰り広げられる“韓国ノワール映画”。『アジョシ』、『悪いやつら』、『新しき世界』など、人間の本質を深くえぐった骨太な作品が次々と制作され、男同士の義理、欲望と裏切りを描いた内容は多くの観客に支持されている。本作でも、熾烈な世界で成功するためなら、なりふり構わない野心溢れる主人公と圧倒的なカリスマ性を持つボスとの交錯する運命が、否応なしに観る者の胸を熱くする。

 

従来のイメージを180度変えたイ・ミンギ、新たな魅力満開!!
かっこよくて、少し俺様…ロマンティック・コメディのイメージが強いイ・ミンギ。本作では、『その怪物』(14)に続き、鍛え上げられた肉体美とアクションを披露し、天性の図太さと野心に溢れ、闇組織の中でトップに昇りつめようと貪欲に突き進む主人公を熱演している。ほぼスタントなしで挑んだダイナミックなアクションシーンは必見。また、役者人生で初だという本格的なベッドシーンにも挑み、己の欲望のままに突き進む、雄々しい姿で観客を魅了する。現在、兵役中の為、芸能活動を休止しているイ・ミンギ。入隊前に撮影した作品の中で最も男の色気漂う本作がついに日本公開となる。

 

韓国を代表するキャスト、スタッフ、制作会社がタッグを組んだ話題作!!
『新しき世界』(13)のジュング役で圧倒的な印象を残し、人気俳優の仲間入りをしたパク・ソンウン。主役から脇役まで幅広く活躍し、今や韓国映画界に欠かせない俳優のひとりである。本作では、冷徹だが義理堅い組織のボス、サンハを演じている。ファンの癒しの存在となる女社長、ヨンス役にはイ・テイム。また、ファンの兄貴分にイ・ジェオン、検察官役にパク・チヌ、組織の会長役にキム・ジョンドクなど演技派のキャストが脇を固めている。『ベルリンファイル』(13)、『泣く男』(14)、『海にかかる霧』(14)の武術監督、ハン・ジョンウクや『甘い人生』(05)、『監視者たち』(13)に楽曲提供しているミュージシャンのダルパランなど韓国映画界を支えるスタッフ、『アジョシ』(10)、『スノーピアサー』(13)の制作を手掛けたOPUS PICTURESが本作の制作にも携わっており、作品の質の高さを伺わせる。

 

イ・ミンギ主演 『皇帝のために』 6月20日より、シネマート新宿にて公開!!

<ストーリー>
スター投手として活躍していた野球選手のイ・ファン(イ・ミンギ)。肩を故障して二軍落ちになったファンは、野球賭博に手を染めながら、一軍復帰のチャンスを狙っていた。ある日、賭博場が検察に摘発され、その場に居合わせたファンも逮捕されてしまう。
賭博で儲けた金銭を巡って暴力事件を起こすファン。怪我を負わせた相手が釜山最大規模の暴力団組織“皇帝キャピタル”の取立て屋だったことから、組織の代表チョン・サンハ(パク・ソンウン)と出会う。八百長問題が発覚し、選手生命を絶たれたファンに、サンハはある提案を持ち掛ける。ためらうことなく提案を受け入れるファン。ファンの野心に溢れた姿を目の当たりにしたサンハは、彼の凶暴さを不安視する部下たちの制止を振り払い、ファンを組織の一員に招き入れることを決める。すぐに組織の中で頭角を現していくファン。賭博サイトの運営を任され、次第に組織の重要ポストを担うようになっていく。そんな中、ファンはクラブの女社長チャ・ヨンス(イ・テイム)に惚れ込み、彼女と関係を持つようになる。
――3年後、組織は“皇帝ファイナンス”と名称を変え、リゾート事業に力を入れ始めていた。部長に昇進したファンだが、サンハにスポーツ賭博のサイト運営から手を引くように言われ、苛立ちを募らせていく。サンハからの独立を企み、組織を牛耳っている会長に近付くファン。ファンの不穏な行動にサンハも手を焼き始める。そんな折、野球賭博摘発の件で服役していた元組織の一員、ジャクドゥが出所し、会長やサンハたちを襲撃する。身の危険を感じた会長は、サンハにジャクドゥの始末を命じる。組織のメンバーたちとジャクドゥのアジトに乗り込むファン。襲撃の最中、ファンは、日頃から折り合いの悪かった仲間を刺す事態を巻き起こしてしまう。事態を重く受け取ったサンハはファンを呼び出すが、結局、彼を咎めることは出来なかった。その帰り道、サンハはジャクドゥに拉致される。知らせを聞いて、助けにきたファンは、ジャクドゥと死闘を繰り広げる。自分の危機を、身を挺して助けにきてくれたファンに感謝するサンハ。二人の関係に生じた亀裂は修復するかと思われたが、瀕死のジャクドゥは、ファンの野球選手生命を終わらせた賭博場の事件の首謀者がサンハだったと告げる。ファンは、サンハに復讐し、自らが組織の代表<皇帝>になることを決意する――。
サンハがリゾート事業の代表取締役に就任する日、突如、検察が現れ、サンハは逮捕されてしまう。突然の事態に騒然とする会議室。ファンは、サンハの跡を継ぐ形で、ついに組織のトップに上り詰める。そんなファンの存在を会長は疎ましく感じ、獄中のサンハや検察らに手を回し、ファンを陥れようと画策する。ファンは会長の仕掛けた罠に気付き、なんとかピンチを乗り切るが――。

ちらし裏

<キャストプロフィール>
すべてを失った元・野球選手 イ・ファン
一瞬にして人生のどん底に落ちたが、闇組織のボス・サンハに見初められ、生来の根性と野心で頭角を現していく。次第に組織のトップを目指すように――。
イ・ミンギ
1985年1月16日生まれ。2005年ドラマデビュー。「がんばれ!クムスン」でMBC演技大賞新人男優賞を受賞。2007年に出演した「タルジャの春」は日本でも放送され、“ちょっと気になる年下男”として女性から絶大な人気を得る。2010年には『TSUNAMI -ツナミ-』で第46回百想芸術大賞新人演技賞を受賞。演技力の高さが認められる。以降、映画を中心に活躍。2014年8月、入隊。現在は公益勤務要員として勤務している。

2005年 「がんばれ!クムスン」
2007年 「タルジャの春」
2009年 『TSUNAMI -ツナミ-』
2012年 「美男<イケメン>バンド~キミに届けるピュアビート」、『不気味な恋愛』
2013年 『恋愛の温度』
2014年 『その怪物』、『皇帝のために』
2015年 「私の心臓を撃て(原題)」

 

釜山最大の闇組織のボス チョン・サンハ
下っ端の世界から闇組織の代表にまで上り詰めたが、より大きな野望を抱き、組織の“頂点=皇帝”になることを夢見ている。
パク・ソンウン
1973年1月9日生まれ。1997年、映画『ナンバー3』のハン・ソッキュの部下役でデビュー。「太王四神記」(07)のチュムチ役で注目を浴びる。その後、様々な作品に出演。2013年『新しき世界』で強烈な印象を与え、第50回大鐘賞、第49回百想芸術大賞の助演男優賞にノミネートされるなど、40代にして人気絶頂を迎えた。

2007年 「太王四神記」
2008年 「エデンの東」
2009年 『白夜行-白い闇の中を歩くー』
2010年 「製パン王 キム・タック」
2013年 『新しき世界』、『サイコメトリー ~残留思念~』、『同窓生』
2014年 「チラシ:危険な噂(原題)」、『王の涙-イ・サンの決断-』、『ハイヒールの男』
2015年 「殺人依頼(原題)」

 

魅惑的な女社長 チャ・ヨンス
野心に溢れた冷酷非情なファンが唯一、心安らげる存在。
イ・テイム
1986年10月15日生まれ。デザイナーを目指していたが、2007年に街でスカウトされ芸能界の道へ。2008年、「私の人生の黄金期」でドラマデビューを果たし、またたく間に主演級女優となる。2009年には「SBS 演技大賞」NEWスター賞を受賞。ドラマ内で披露した水着姿が話題になり、“セクシー女優”としても注目を集めている。

2008年 「ラブリーファミリー 黄金期」
2009年 「千秋太后(チョンチュテフ)」
2010年 「結婚してください!?」
2011年 「特捜本(原題)」
2014年 『報復者』、「ダレになったチャン・グク(原題)」
2015年 「私の心、キラキラ(原題)」

 

<スタッフ プロフィール>
監督 パク・サンジュン
1973年8月13日生まれ。初めて手がけた短編「生徒会長」が各国の映画祭で上映され、若手新鋭クリエイターとして注目を集める。2010年、アカデミー賞®公認の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」で「日韓観光振興プロジェクト」の一環として、日本を舞台としたショートフィルム『スマイルバス』を監督。今後の活躍が注目されている若手監督のひとり。

 

スタントコーディネーター ハン・ジョンウク
武術監督として名高いチョン・ドゥホンが代表を務めるスタントマン専用のジム、ソウルアクションスクール所属。自身も、『悪魔を見た』(10)や『超能力者』(12)、『ベルリンファイル』(13)に武術監督として参加し、創造性のある残虐なアクションを提供している。最近の作品に『ファイ 悪魔に育てられた少年』(13)、ドラマ「朝鮮ガンマン」(14)、『泣く男』(14)、『海にかかる霧』(14)等がある。

 

音楽 ダルパラン
『甘い人生』(05)で韓国映画評論家協会音楽賞を受賞。その後も次々と話題作へ楽曲を提供し、韓国を代表するミュージシャン。本作において、登場人物のドラマチックな感情の起伏、彼らを突き動かす原動力となった、頂点を目指す野心や情熱にインスパイアされて楽曲を制作したと語っている。最近の主な作品は『10人の泥棒たち』(12)、『監視者たち』(13)、『シークレット・ミッション』(13)等。

『皇帝のために』メイン

「イ・ミンギの挑戦とパク・ソンウンの包容」/文:田代親世(韓流ナビゲーター&脚本家)

韓国の若手男優は必ずと言っていいほどノワール映画をフィルモグラフィーに加えたがる。韓国の場合、ドラマはもっぱら女性視聴者重視で、女性たちに代理満足をしてもらおうと、王子さまのような素敵な男性が登場し、キラキラとした夢と希望を描くことが多い。その分、演じるキャラクターも限定されがちだ。だからこそ、映画では、映画ならではの大胆な演技変身を試みたがる。しかも、ノワールというジャンルは映画だからこそサマになり、表現できる男の世界である。そんなこともあって、20~30代の韓国男優たちにとって、普段の自分とは違った、荒っぽくて過酷なタフな姿に演技変身できるノワール映画は特に憧れの対象なのだろう。
そして今回は、イ・ミンギがノワールに挑戦した。イ・ミンギは独特の個性を持った俳優だ。彼のファンの多くは、年上キラーぶりを発揮した、ドラマ「タルジャの春」(07)でのセクシーでかっこいい年下青年役で魅せられたことと思う。だが、この役どころはイ・ミンギのフィルモグラフィーの中では例外であり、総じて素っ頓狂な面白さと、隙のある役を演じることが多く、またそれがハマっていた。実際、ファンミーティングなどで見せる素顔の彼は本当に天然。本能のままに動いているみたいで、かわいいというか、隙だらけ。「かっこいい!」とか「素敵!」というよりも、「目が離せない!」という感じなのだ。だが、インタビューしてみると、答え方といい、話す内容といい、自然体でありながら、とてもしっかりとした考えを持っている人で、その仕事への真面目さに好感を持った。成人男性にこんなことを思うのは失礼かもしれないが、‘まじめないい子’という表現がぴったりだった。
そんな彼は「いいかげんな興信所」(07)への出演を最後に、活動をドラマから映画にシフトするようになった。ドラマ愛好者からすれば、そういえば近頃見ないわねと思っていたかもしれない。だが彼は、映画の世界で着実に歩みを続けていたのである。
映画でも、独特な魅力を持つおもしろまじめな年下男イメージを最大限発揮して、特に『TSUNAMI -ツナミ-』(09)でのレスキュー隊員役は、一本気な感じと田舎青年の純朴さと、都会の女性に振り回されていくコミカルな芝居がイ・ミンギにぴったりで、彼の笑顔に泣かされた。しばらくはこの路線を踏襲する等身大のキャラクターを演じていたが、2014年、彼は大きなイメージチェンジを図った。
まずは『その怪物』で、血も涙もない殺人鬼を演じて周囲を驚かせ、そして本作『皇帝のために』で、より現実的な、サラ金組織に足を踏み入れる欲望の男に挑戦した。本作での役どころは、野球賭博に加担し球界を追放された野球選手。殺人鬼を演じた時よりも更に眼光は鋭く、一層シャープになったあごの輪郭が険しい表情をより引き立たせている。冷酷で残酷な世界に放り出され、手負いの獣のようにギラつきながらも、何を成しても全ては虚しいのだということを、この若さにしてすでに悟っている男。欲のために動きながらも、何としてでも上に行きたいと切望しているわけでもなく、でも、本能で上を目指してしまう。女に対しても、愛なのか、欲なのか自分でも測りかねている。その明確でない心情を、イ・ミンギは演技者として楽しんで表現している。インタビューなどを読むと、当初台本の段階では明確に描かれていたものを、監督に自分の意見をぶつけてわざと曖昧にしたという。はっきりしないものを表現するのは難しいのに、あえてそこを目指し、またひとつ、俳優としての貴重なキャリアを積み上げた。
そして、本作のもう一人の主人公パク・ソンウン。成熟した大人の男の魅力が素敵な人である。ペ・ヨンジュンと共演したドラマ「太王四神記」(07)の時に、アクの強い豪快なキャラクターで登場。この作品で強烈な印象を残して以降、信頼に足る頼れる兄貴的な雰囲気を身にまとい、どんどん魅力を増して、特に映画『新しき世界』(13)でそれが一段と花開いた。チェ・ミンシク、イ・ジョンジェ、ファン・ジョンミンといった映画界のビッグスターたちの中にあって、パク・ソンウンは自らの存在感をきっちりと刻みつけた。奥二重ののっぺりした顔立ちが、何を考えているのか容易に読ませない魅力につながり、時には般若のようにも見える。その静謐さとキレた時の恐ろしさとのギャップが見る者に強い印象を残す。だが、どんなに悪の側にあっても、その裏には何かがあるに違いないと深読みさせるような情がにじむのが彼なのだ。一見悪かと思えても、見終わると悪ではないのだと思わせる人間力。それが、本作での、イ・ミンギ演じる男との間に流れる複雑な情の交わりに説得力を与えていた。
イ・ミンギとパク・ソンウンは年齢的に一回り違う。劇中の役柄に重なるように、挑んだイ・ミンギと大きな包容力で受け止めたパク・ソンウン。こんな風に、ノワールは男と男の化学反応にしびれるのだということを本作は再認識させてくれる。

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<キャスト&スタッフクレジット>
Cast
LEE MIN-KI  イ・ミンギ
PARK SUNG-WOONG パク・ソンウン
LEE TAE-IM イ・テイム

 

Staff
PRODUCED BY LEE TAE HUN  プロデューサー:イ・テヒョン
DIRECTED BY PARK SANG-JUN 監督:パク・サンジュン
WRITTEN BY LEE YONG-SOO 脚本:イ・ヨンス
CINEMATOGRAPHY CHA TAEK-GYUN 撮影:チャ・テギュン
LIGHTING LEE BYUNG-KWAN  照明:イ・ビョングァン
PRODUCTION DESIGN PARK JEA-HEON プロダクションデザイン:パク・ジェホン
MUSIC DALPALAN 音楽:ダルパラン
EDITING KIM CHANG-JU, BARK KYOUNG-SOOK 編集:キム・チャンジュ、パク・ギョンスク
COSTUME DESIGN SON NA-RY 衣装デザイン:ソン・ナリ
SOUND DESIGN LEE SEUNG-YUP サウンドデザイン:イ・スンヨプ
RECORDING LEE GY-SU 録音:イ・ギュソ
HAIR & MAKEUP KIM YOON-HEE  ヘアメイク:キム・ユンへ

 

<日本語クレジット>
2014年/韓国/韓国語/カラー/シネスコ/5.1ch/104分/原題:황제를 위하여 /英 題:For  the  Emperor
R18+ (C) 2014 OPUS PICTURES, All Rights Reserved.
字幕:李 英愛  デザイン:ダッド・クリエイション
提供:『皇帝のために』フィルムパートナーズ

 

www.emperor.ayapro.ne.jp

2015年6月20日より、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー

2015.04.23