「取材レポ」チェ・ジニョク“130話のドラマを2つ見て待っていてください!”入隊前最後のファンミ「また会う日まで~いつもそばにいます~」開催!

20150203-SC5768 (1)

俳優チェ・ジニョクが、1月31日(土)東京・渋谷、アイアシアタートーキョーにて入隊前最後のファンミーティング「感謝~いつも心に~」、「また会う日まで~いつもそばにいます~」を昼夜2回公演で開催した。

3月に陸軍現役で入隊する予定を明らかにしているチェ・ジニョクは、2006年にKBS「サバイバル・スターオーディション」で5000倍の競争率を勝ち抜いて優勝し、芸能界デビュー。ドラマ「ロマンスが必要」「パスタ~恋ができるまで」「九家の書~千年に一度の恋~」「相続者たち」など次々と話題作に出演し、またチョン・ウソンと共演した映画「神の一手」でも好調な演技で評価を得た。最新主演ドラマ「傲慢と偏見」では、高卒の検事ク・ドンチ役を熱演し、「2014MBC演技大賞」の優秀演技賞を受賞した。

 

入隊前最後となる夜公演にはチェ・ジニョクに会うために多くのファンが訪れた。会場の照明が落とされるとパープルのペンライトが一斉に灯り、期待感を高めていく。

オープニング映像の後、チェ・ジニョクが「クテ ウリサランウン」(その時 私たちの愛は)を歌いながら客席の扉からサプライズ登場すると、客席から大きな歓声が沸き上がった。

端整なルックスと抜群のスタイルが際立つ赤いロングジャケットにブラックのニットとパンツ、サングラス姿で、その美声を響かせながら客席をゆっくり練り歩きステージへ。歌の途中でサングラスを外すと歓声は一際高くなった。

 

「こうして日本に来て、入隊前に直接皆さんにお目にかかれて本当に幸いです。皆さんにお会いできてうれしいです」とあいさつすると、ファンの温かい拍手で迎えられた。MCの紹介を受け、「日本でも多くの皆さんに『九家の書』を見て頂けているということを知って驚きましたし、ありがたいと思いました。軍入隊前に皆さんからいいエネルギーを頂けること幸せに思います」と応じた。

20150203-SC5768 (2)ドラマ撮影が終了し休みに入ったものの、あれこれ忙しく過ごしているというチェ・ジニョク。休みの日は「飲酒と歌とダンス(笑)」と笑顔を見せ、「カラオケにも行くし、韓国のポジャンマチャ(屋台)にも行くし、親しい人と一緒にゆとりのある時間を過ごしてお酒を飲むのが最近の楽しみ」だという。「酔っぱらうと寝てしまうか、家に逃げ帰るかどちらか。あとはお金をとにかく使おうとしてしまうんです」と酔った時についてお茶目に語り、ファンから「ダメよ~ダメダメ!」と声がかかるとジニョクも「ダメよ~ダメダメ?」と復唱すると会場は大ウケ、笑いと拍手が起こった。

 

甘いものも大好きで、映画の撮影で日本に滞在したときに1日に2回パフェを食べたというほど甘党のチェ・ジニョク。「フルーツと生クリームがたっぷり乗っているパフェが好き。だけど最近ちょっと太ってしまったので運動を再開しました。映画『神の一手』の撮影のときは身体を鍛えなければならなかったので運動をしていたのですが、一年ぶりなのであちこち筋肉痛です(笑)」と打ち明けた。

入隊前最後のファンミーティングということで、過去の作品も振り返ってたっぷり語る。

 

Qデビューは5000人が参加するオーディションだったと聞きましたが?

演技を学んだこともなくオーディション番組にチャレンジしたんです。カメラの前に立ったこともなかったので、本当に緊張していました。今そのときの映像を見返すと、もう死にたいくらい恥ずかしい思いです。

 

Qその当時と今では大きく変わったと思われますか?

ステージに立つだけでなく、昔は人前に出て注目を浴びるのが得意ではなかったんです。今ではずいぶん慣れたみたいです。以前は人前で歌を歌うなんてことは緊張したんですけど、最近はずいぶん解消されました。仕事も、もっとスムーズになってきて、応援してくださる方がたくさんいると思うと、心強く緊張しなくなったような気がします。

 

1年4ヶ月ぶりのファンミーティングとあってMCの質問の合間にも、客席から「ポゴシッポッソヨ(会いたかったです)」と熱いラブコールが。そんな思いにジニョクも「チョド ポゴシッポッソヨ(僕も会いたかったです)」と美声で応じ、ファンをとろけさせた。

 

Q「ロマンスが必要」は日本でも大人気ですが、この作品で演技の面白さに目覚めたとか?

“演技”というのはおもしろいもので、やればやるほど“気づき”( 発見やひらめき)があります。「ロマンスが必要」のときは初めて演技について気づかされたと感じたんですが、今回の「傲慢と偏見」でもまた同じようなことを感じました。演技は勉強のように、奥が深くて終わりがないという気がしています。

 

ここで、「ロマンスの神様」でジニョク演じる「ソンヒョンの愛嬌シーンが久々に見たい」とMCからリクエスト。「そんなに愛嬌のシーンはなかったと思いますけど」と照れながらも、ファンからの熱烈リクエストに「どんなのがありました?」と精一杯応えようとするジニョクに「キヨミ!」とファン。「キヨミ?!わからないです(笑)元々そういうのは得意じゃないだけどな…」とぼそり。悩んだ末に頬をぷぅっと膨らませ、とびきりの愛嬌をファンに見せ、会場を沸かした。

20150203-SC5915 (1)「相続者たち」のキム・ウォン役ではそのクールな演技から“ラグジュアリーダーク”と呼ばれたチェ・ジニョク。その役作りについて、「無表情だと恐いとよく言われたので、『相続者たち』ではその通りにしていました」とし、特注したスーツで撮影に臨んだことについて「手足が長いのはいいのですが、ところどころパーツが厚くて…特注をしなくてはならないんです」とその抜群のスタイルゆえの悩みも明かした。「どこのパーツが?」というMCの突っ込みに、「胸板です」と答えると、ファンから「見たい〜!」と熱い声が上がったが、ジニョクはファンを見ながら「ごめんなさい(笑)」と笑顔を覗かせた。

 

3月23日からKNTVにて、日本初放送が決まった最新主演作「傲慢と偏見」のスペシャル映像を見ながらドラマについて掘り下げる。「正義感の強い仁川の地方検事たちが主人公。少し難しい面もありますが、楽しんで見ていただけると思います。日本のドラマ『ヒーロー』と少し似ているかもしれません。僕の役は木村拓哉さん(笑)」と紹介。

入隊前にこの作品を選んだ理由について、「作品としてよかった。流行りのロマンチックコメディではないですが、難しいテーマも扱いながら、天才的な頭脳を持った検事のキャラクターがとても魅力的に描かれていました」と明かした。

 

この作品で俳優チェ・ミンスと共演できたことも自身に大きな影響を与えたという。「日本語でお伝えしたいのに通訳さんを介すると100%伝えられないのがもどかしいのですが…」と言葉を選びながら、「チェ・ミンスさんという俳優は、日本で言えば、堤真一さんのような僕の好きな俳優さんです。“演技”いう面ではとにかくすごくて、演技を一緒にしながら初めて味わう感覚がありました。またいつか共演したいですね。軍隊に行っている2年間、俳優として真摯にいろいろなことを研究して、演技についてはどこにでても恥ずかしくない真の俳優でありたいと思いました」と、尊敬する先輩との出会いと演技に対する思いについて熱く語った。

 

同ドラマの撮影はスケジュール的にもきつかったという。

「台本がいつも直前になってあがってきて、時間に追われて撮影していたという中で少しストレスを感じました。天才的な役柄だったので、事件の流れがわかっていないと説得力がないですよね。撮影をしながらいろいろ勉強して役作りに取り組んでいたので、一人で抱え込むストレスが大きかったです」と当時を振り返り、演技に対するストイックな一面を垣間見せた。

 

そんな努力が認められ、「2014MBC演技大賞」の優秀演技賞を受賞したことがMCから伝えられると、ファンも改めて拍手で祝福。正式に賞を受賞するのは初めてだというが、「2013年の『九家の書』で実は新人賞をもらえるのではないかと期待があったので、すごくがっかりしたんです(笑)でも俳優という仕事について欲が出て、もっと考えが深まってからは、賞そのものに大きな意味はないと思うようになりました。でも今回賞をいただいて、とてもうれしかったです」とファンの前で素直に喜びを表した。

20150203-SC5856 (1)そんなチェ・ジニョクの活躍は韓国だけではなかった。

桐谷美玲、戸塚祥太(A.B.C-Z)らが主演し、4月17日から公開される映画「恋するヴァンパイア」に吸血鬼役で出演。「多くは語れないのですが、直接観ていただくのがいいと思います。日本、台湾、香港、韓国とアジアの俳優が出ている作品なので、とても新しい体験ができました。吸血鬼の役でもあるのでCGもたくさん使われていますし、個人的には『九家の書』の現代バージョンのような役なので、とても楽しかったです」と自身の見どころもアピール。

 

続いてファンとたっぷりコミュケーションをとるため、客席に降りてファンから直接質問を受ける「Q&A」のコーナーへ。会場を隅から隅まで回り、一人ひとりを笑顔で見つめながら、チェ・ジニョクがファンを指名していく。選ばれたファンも周りのファンも大興奮で一気に会場は熱い空気に包まれた。

 

「ファンからもらったプレゼントはどのようにしていますか?」という質問には「僕の家に全部取ってあります。事務所に送られてきたものも全部安全に僕の家に送り届けられています」とにっこり。じっと質問者の目を見つめ、ときには目線の高さまでかがんでファンの言葉に耳を傾けるジニョクに「きゃあ〜!」と質問にならないファンも続出。

「オモニ(母親)的な気持ちで軍隊に行くジニョクさんが心配です。軍隊に行くまでの時間に親孝行する時間を持ってあげてね」とファンからのお願いに「(入隊は)韓国の両親にとっても一番胸が痛いこと。僕も一番気になるのは両親のことなので、さみしい思いをさせないように、親しい友人に息子代わりになってほしいとお願いしました」と家族思いの優しさも見せた。

「前回のファンミでは台風でした。今回も雪が降って、ジニョクさん、何か持っていますね」とファンから言われると、苦笑いしながらも「次、来たときに雷が落ちたらどうしましょう(笑)天気予報を確認してから来たいと思います」とチャーミングに答えた。

20150203-SC5915 (2)たっぷりファンからの質問に答えた後はジャンケンコーナーへ。会場から2名が選ばれると「しばらくの間お会いできないので写真に残しておければと思って」と2ショットのポラロイド写真がプレゼントされた。さらに「もう一人ラッキーガールを選びます」と急遽決定。質問に当てはまる人だけが勝ち残っていくと、最終的に12名が勝ち残り、全員ステージへ。ジニョクへ愛の言葉を一人ひとり伝えていく。「来世では結婚したい!」「愛しています!」など思い思いの告白の末、悩みながらも一人を選んだジニョクだったが、「他の皆さんもわざわざステージに上がってきてくださったので、一緒に写真を撮りたいですね」と優しさ溢れる提案で、選ばれたファンたちと客席をバックに写真撮影が行われた。そして最終的に選ばれた、お子さんと共に参加されたラッキーガールには、優しいハグがプレゼントされた。

 

後半のライブコーナーでは、その美声を会場に響かせ「世界中の誰よりきっと」の韓国語Ver「사랑의바보(サランエパボ)」や「TUNAMI」の韓国語Ver「그런가봐요(クロンガバヨ)」を熱唱。耳になじんだメロディにファンも手拍子とペンライトで応じ、歌の途中で見せる笑顔でさらにファンを魅了、最後はぐっとこみ上げてくるものをこらえる姿が見られた。

 

「ファンミーティングが終わりに近づいたことで、今ようやく(入隊するという)実感が湧いてきました。軍の服務を終えて、早く作品やファンミーティングで皆さんにお会いできる日が来るように願っています」 と会場を見渡し、最後に、「また会う日まで皆さんお元気で。2年間熟成してもっと成長した姿で皆さんの前に立つことができるように努力を続けていきたいと思います。2年後のチェ・ジニョクという俳優の姿を楽しみにしていてください」と締めくくった。
ファンから愛情あふれる温かい拍手が送られると、「皆さんがあまりご存知でないドラマの中で、130話のドラマが2つと、1時間もの週末ドラマがあるので、ぜひ、それを探してご覧になってください。戻ってきたときに(見たかどうか)確認しますよ(笑)」とファンに2年間の課題を残し、「ありがとうございました」と深く一礼し、ステージを後にした。

 

男らしさ溢れるチェ・ジニョクらしく、ファンの前で涙は見せなかった。既に除隊した先を見据えているのだろう。2年の熟成期間を経てチェ・ジニョクという俳優がどのような変化を見せてくれるのか期待して待ちたい。

取材:Korepo(KOREAREPORT INC)

写真提供:(c)Global Entertainment

 

2015.02.03