2013年10月の日本ツアー後に発表した「チョンスロプケウェイレ(You Don’t Know Love)」など、次々と発表した曲全てが各音楽チャートと放送チャートの1位を席巻しているK.will。K-POPアーティストとして新たな地平を切り開き、今や韓国最高のボーカリストとして名を連ねる彼が、2月27日東京・渋谷公会堂でパワフルなライブをスタートさせた。
今回のツアーは、東京・大阪・福岡と昨年同様3都市を回る。チケットは発売して、次々とSoldOutとなるほど爆発的な人気。イメージが固まりがちなバラードの枠を超え、常にファンとの呼吸を第一に喜怒哀楽を共に感じてきた日本公演。今回は、どんな新たな一面を日本のファンに見せてくれるのか期待も膨らむ。
当日、あいにくの雨模様ではあったものの、K.willは「雨男」の異名を持つとのことで、ファンの間ではそこもまたひとつの楽しみとなった。
小さなメリーゴーランドに、ジェットコースターといった、可愛らしいステージ。スクリーンにK.willがブティックでショッピングをする姿が映し出された瞬間、会場が「まだか、まだか」と胸をときめかせるのが伝わってくる。そして、蝶ネクタイのタキシード姿でステージ上部から登場したK.will。ステージの幕開けは「You Don't Know」からスタート。会場は一気に総立ちになり、星形でブルーに輝くペンライトが大きく揺れ始める。曲は鳴り止むことなく2曲目「出かけると厄介だよ」へ。遊園地のようなセットを背に、ステージを端から端まで甘くポップな雰囲気で歌い歩くK.willの姿に、ファンは大興奮し、大きく手を振る。それに対し、K.willも愛嬌たっぷりの甘い笑顔で答えていた。
トークは、日本語で「2014年K.will日本ツアーにようこそ。」の挨拶から始まった。
「チケットが早々に、Sold Outになったようで…。」の言葉に、会場が拍手で溢れる。それに対して、K.willは親指を立てGOODのポーズを取ると、笑いが起こった。「ここ、K.willランドで…。大変素朴ではありますが、たくさんの思い出を作っていただければと思います。」とファンに思いを伝えると、再び歓声と拍手が沸き起こった。そして、K.willらしい雨の話なども織り交ぜ、会場の雰囲気をまた盛り上げた。
次に歌うのは、INFINITEのエルとSISTARのダソムが恋人役で出演したミュージックビデオで注目を浴びた「Love Blossom」。リズミカルな曲調にファンの掛け声も息ピッタリ。続いて流れ込むように、「Bon voyage」へ。リズムに合わせてファンの手拍子が会場に響く。手拍子は生演奏と一体化し、その音を楽しんでいるかのように、心地良い表情でK.willは歌い上げた。
K.willが水を飲むたびに、会場から大歓声が溢れるといった演出は、もはやお馴染み。この、ファンとの繋がりを感じさせる雰囲気がコンサートを更に盛り上げていく。
K.willはベンチに座り「僕が嫌いだ」を切なく歌い切った後に「1秒に1滴」を披露し、圧倒的な歌唱力を見せつけた。
暗転し、スクリーンに映し出されたのは、人気ドラマ「相続人たち」のパロディ。K.willは、別れそうなカップルの浮気相手として登場。俳優たちがK.willに対し、「カッコ良くて、家柄もよくて、背が高くて」というセリフに会場が笑いに包まれる。しかし、雰囲気は一変し、白のロングニットに、デニムといったラフなスタイルで再びステージに戻って来たK.willは、「君じゃないみたい」「失言」を続けて披露しファンを釘付けにした。
「これから歌う歌は、僕からみなさんにホワイトデーのプレゼントです。」の一言で始まったのは「PRESENT」。続いて「チョコレート」とアップテンポなナンバーを熱唱。ファンは、スタンディングで声援を送った。
韓国でラジオ番組を持っているK.willは、続いてのトークタイムで、DJブースのようなセットでファンからの便りを日本語で読み始める。その手紙で「日本語で、宇多田ヒカルの『First Love』を歌って欲しい」というリクエストに対し、K.willは「今回用意してきた、日本語のカバー曲です。」と明かすと、会場から拍手が起こった。「First Love』を日本語でカバー。切なくハスキーな歌声が曲とマッチしファンを魅了した。
会場では再びスクリーンに映像が映し出される。日本の密着ドキュメンタリー番組のパロディだ。「アイドルに憧れダンスの練習をしている。」「俳優になりたいらしい…。」など、K.willに対する噂が飛び交う。そして、K.willの母親の登場や幼い頃の写真が映し出されたりと、終止ファンを楽しませた後、制服姿のK.willが再び登場。歌うのは人気アイドルグループEXOの「ウルロン」。軽快なダンスを披露し会場を大いに沸かせ、続いてペンキでデザインされたような青いジャケットに即座に着替え、G-DRAGONの「ピタカゲ」。会場は歓声と笑いの両方が響き渡りノリノリ状態で盛り上がった。盛り上がりは冷めぬまま、ノンストップで「オッパって呼んで」がスタートする。HOTなライブは、ファンの心をグッと掴んで放さなかった。
休むことなく、ステージ上でスパンコールがキラキラと輝く、白のジャケットを羽織ると会場からどよめきと拍手が起きる。コンサートもいよいよ後半へ。K.willが水を飲むと歓声があがるといったファンとのやりとりも継続中。「ドラマ『星から来たあなた』のOSTである『星の様に』をお聞きください。」と言うと歓声があがった。
DJに扮したトークを挟み、「Marry Me」、「Lay Back」を歌い上げ、会場の雰囲気をさらに温かく包み込む。言葉1つ1つにたっぷりと思いをこめてK.willらしい定番のバラード曲「恋しくて恋しくて恋しくて」をしっとりと歌い上げた。
トークを挟み、会場を熱くさせるヒット曲「Please, Don't」を熱唱。
「何事も始まりがあれば終わりがあるもの、ここにいるみなさんと僕は終わりはないですよね? そう願っています。」という言葉に拍手が起こる。そして最後に歌うのは「涙ポロポロ」。情のあふれるバラード、センスのいいトーク、華やかなダンスパフォーマンスまで…。どれをとっても見逃せないK.willのライブは一旦終了。
K.willはアンコールに応えるべく、白のトレーナーに衣装チェンジして再び登場。「君が必要だ」、「胸が踊る」を歌い上げステージを後にした。日本語でのカバー曲、アンコールを合わせ22曲を熱唱した“K.will JAPAN TOUR 2014”は大阪・福岡も熱くしてくれるに違いない。
取材Korepo(KOREAREPORT INC)
写真提供:(C)JAKOL CORPORATION(Photo:ユ テヒョン)